バリアフリー

大阪市交通局 「ホームドア整備にあわせた既存路線における 車椅子使用者の単独乗降の実現」

講評

 受賞者は、ホームドア整備にあわせた既存路線における車椅子使用者の単独の乗降を実現した。車椅子などが通行する場合の段差を軽減するためホームの嵩上げを行ったことや、トイレの機能分散化、全車両に車椅子スペースを確保したことなど、バリアフリーの基準を越える試みを行っている。さらに車両とホームのギャップを小さくする櫛状ゴムに天板を設置するなど、先進的なバリアフリー化事業に取り組んでいる点を高く評価し、表彰することとした。

受賞者の取組み

■ 取組みの概要
 大阪市交通局では、ホームドアの整備時に、電車とホーム間の段差や隙間を解消する整備を進めたことで車椅子使用者の単独乗降を可能にし、また、多機能トイレの機能を一般トイレに分散する工夫など、ハード面における駅施設の改善に取り組んでいる。ソフト面では交通局全スタッフによる見守り体制を構築し、一般の利用者にも共助のお願いに努めている。

● ホームと車両との段差隙間の解消
 平成22 年度より既存路線においてホームドアの整備に伴い、ホームを嵩上げし段差を2cm 程度に、隙間は天板を設置する工夫を加えた櫛状ゴムを設置することで縮小し、車椅子使用者でも自力で乗降が可能となったほかベビーカーや大型のキャリーバッグを持った利用者等、多くの利用者の乗降の利便性を向上させた。段差隙間解消をホームドアの整備に合わせて路線単位で整備することにより、降車駅を移動途中でも変更できるため、車椅子使用者の行動に幅ができた。

 
                                                          車椅子での単独乗降

● ホームドア(可動式ホーム柵)の整備
 平成18 年に開業した今里筋線を皮切りに、既存路線においても長堀鶴見緑地線、千日前線にホームドアを路線単位で導入している。また、利
用者の多い御堂筋線でも路線単位での整備を目指しているところであるが、特に接触、転落事故が多かった天王寺駅と心斎橋駅に先行設置し、転落防止に取り組んでいる。


                                   ホームドア(可動式ホーム柵)

● ソフト面の取組み
 駅スタッフが視覚に障害のある利用者に声をかけ、電車に乗車するまでをサポートし、降車駅でも駅スタッフが待機し転落防止に努めてきた。現在は、サポートを希望しない場合でも、出来る限り見守り、視覚に障害のある利用者が多い駅ではインカムなどでホームスタッフと連携しサポートの強化に努めている。他にも、駅スタッフ全員のサービス介助士資格取得や交通局全スタッフによる見守りの体制作りなどに取り組んでいる。


● 多機能トイレの機能分散
 トイレのリニューアルに合わせて、可能な限り一般トイレに簡易型多機能便房や広々とした便房等を設け、多機能トイレの機能を分散することで、障害のある利用者がトイレをより利用しやすいよう取り組んでいる。



● 各団体との意見交換会
 バリアフリー化を進めるにあたり、平成14 年度から障害者団体や高齢者団体など12 団体と意見交換会や駅等において実証実験を行い、改善に取り組んでいる。



◎ 今後期待される取組み
 ホームドアの整備に合わせた既存路線での、ホームと電車の段差隙間の解消は、障害のある利用者の行動の幅を広げること
につながることから、より一層取り組みを発展させていくことが期待される。

札幌市交通局
【連絡先】〒550-8552  大阪市西区九条南1 丁目12 番62 号 ( 鉄道事業本部鉄道統括部鉄道統括課鉄道バリアフリー企画担当)
      TEL 06-6585-6656

【Web - URL】 http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/

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