バリアフリー

特定非営利活動法人自立支援センターおおいた 「障害当事者主導の自立支援サービスの継続的・多面的な実施」

講評

 受賞者は、車椅子使用者を中心とした当事者の立場で多様な障害者の自立支援サービスを展開する障害者自立生活センターである。近年は学校教育における心のバリアフリー、バス事業者の職員研修、観光バリアフリーの事業化に力を注ぐ。法人化前の活動歴も長く、大分県を代表する障害者団体として、これまでの継続的、多面的活動を高く評価し、表彰することとした。

受賞者の取組み

■ 取組みの概要 自立支援センターおおいた
 特定非営利活動法人自立支援センターおおいたでは、障害者と健常者等誰もが共に生きる共生社会の実現をめざし、小学校等において当事者参画のもと、車椅子でのバスの乗車体験の実施や、バリアフリーツアーセンターの開設等、障害者の住みやすい暮らしに貢献している。

● ユニバーサルデザイン出前授業
 県と連携し、小さな子供の頃からユニバーサルデザインを知ってもらうことを目的とし、小学生等を対象とした出前授業を実施。その内容は、県の職員によるユニバーサルデザインに関する説明とあわせて、センタースタッフによる車椅子使用者の自家用車への乗降の様子の説明など当事者目線の説明を多く含み、福祉車両、車椅子を使用した体験学習の機会も提供している。

● バス運転手を対象としたバリアフリー研修
 障害者と事業者の歩み寄りを図る事を目的に、運転手を対象とした研修を行っている。研修内容は、障害当事者と一緒に実際のバス停を廻りながら、各バス停における注意点を示しながら車椅子のバス乗降の研修を行うもの。

● バリアフリー探検
 公共施設等の設備が障害者の利用に支障がないかを実際に使用して調査する。「啓発」と「実務」を目的とし、「啓発」では健常者の人と一緒に取り組むことにより関心を持ってもらうとともに「人づくり」にも繋がらせ、「実務」では本当に困っている箇所を調査し、市や県の担当部署に調査内容を報告している。

● ユニバーサルデザインコンサルタント
 旅客施設、宿泊所等についてバリアフリー、ユニバーサルデザインのコーディネイトを有料で実施し、その結果に基づき入浴施設や通路の改修を行う。
            
                                 出前授業の様子               バリアフリー研修の様子

                                                              

                            バリアフリー探検の様子                           コンサルティングの様子

●「 fix Mystreet」を用いたバリアフリー調査
 「fix Mystreet」とは市民と行政が協力し、道路の破損、落書き、街灯の故障、不法投棄などの地域・街の課題をスマートフォンを使用することで解決・共有していくための仕組み。この仕組みを利用し官民協働した街歩きイベントを実施し、誰もが動きやすい街づくりに貢献している。


                                      調査の様子

● バリアフリーツアーセンターの開設(別府・大分、湯布院、宇佐)
 障害者・高齢者が安心して観光を楽しめるよう、パーソナルバリアフリー基準を用いた調査を実施し情報発信・提供を行っている。


            湯布院バリアフリーツアーセンター開所式典の様子

● バリアフリーマップの作成
 別府市を中心に観光地、ショッピング、飲食店、温泉、公園、交通機関、その他の施設のバリアフリーマップを作成し、ホームページで公開している。

◎ 今後期待される取組み
 県内の障害者団体を取り巻く様々なバリアフリー課題解決のリーダーとして、市民、事業者、行政を巻き込んだ広範なバリアフリー・ネットワークの構築を期待したい。

NPO 法人自立支援センターおおいた
【連絡先】 TEL 0977-27-5508
【Web − URL】 ・NPO 法人自立支援センターおおいた http://www.jp999.com/333/
          ・別府・大分バリアフリーツアーセンター http://barifuri-oita.com/
 

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