バリアフリー

一般社団法人 WheeLog    「みんなでつくるバリアフリーマップの新たな展開」

講 評

 WheeLog! は車いすだからと外出を諦めていた遠位型ミオパチーである織田さんが、バリアフリー情報があると世界が変わると考えたことでバリアフリーマップが誕生した。これはスマートフォンの参加型アプリにより、みんなが歩いた後にGoogle map をベースとしたバリアフリーの情報が積みあがって行くもので、日本や世界各地で実現してゆくものである。アプリの構成は、[1]ルートを記録する「走行ログ」、[2]多目的トイレなどの場所を示す「スポット」、[3]ユーザー同士の交流する「つぶやき」、[4]ユーザーが知りたいスポットのバリアフリー情報を依頼する「リクエスト」、の4 つの機能を有する。さらに、オープンデータ化によりファミリーマートなどの多目的トイレの設置店舗情報を共有や10 か国語の対応なども行っている。さらに、情報を増やすバリアフリー調査や街歩き体験も行っている。
 

受賞者の取組

■ 取組の概要
 一般社団法人WheeLog では、「車いすでもあきらめない世界」をみんなでつくることを目指し、「ユーザー投稿型」の新しいバリアフリーマップのプラットフォームを構築するとともに、車いすユーザーと健常者が一緒に街へ出かける「街歩き体験」等のイベント活動を行っている。

● 新しいバリアフリーマップのプラットフォームの構築
 一般社団法人WheeLog では、車いすで実際に走行したルートや、ユーザー自身が実際に利用したスポットなど、ユーザー体験に基づいたバリアフリー情報を共有できる「ユーザー投稿型」のバリアフリーマップアプリ「WheeLog!」を開発した。この「WheeLog!」は、車いす当事者だけでなく、健常者も参画し、一緒に自分の街や旅行先で見つけたバリアフリー情報を投稿することができる。例えば、車いす当事者が実際に通った道や、実際に利用したスポットなど、ユーザー体験に基づいたバリアフリー情報が投稿されており、世界中のバリアフリー情報をアプリで検索・投稿することができる。

● 車いすユーザーと健常者が一緒に街へ出かける「街街歩き体験」イベントの開催
 一般社団法人WheeLog では、バリアフリーマップアプリ「WheeLog!」を活用して、車いすユーザーと健常者が一緒に街へ出かける「街歩き体験」のイベントを全国各地で開催している。このイベントを通じ、バリアフリー情報を投稿するにあたって、バリアフリーに関する様々な課題について解決策を自ら考えるという当事者意識を醸成するとともに、自分たちが暮らす地域の問題点についても考えるなど、心のバリアフリーを通じた地域活性化に貢献している。

◎今後期待される取組

 今後のバリアフリー情報の質を高める努力を期待したい。例えば、走行ログの余分な情報をカットし、質の高いスポット情報を強化すること。これにより、利用者の使い勝手が一段と強化できる。このようなデータの量と質を上げるうえで、技術的にはプラットホームづくりや、財政的には行政や企業の支援が不可欠な領域である。

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