バリアフリー

株式会社パームロイヤル 「 宿泊施設における多様な利用者への配慮と誰一人 取り残さない夜間訓練の取組」

講評

 株式会社パームロイヤルの評価は何よりも、一貫して利用者、当事者に立脚した取組姿勢、地域への貢献意志を強く具現化してきたことである。ホテルパームロイヤルNAHA 国際通りは、沖縄発のホテル業として15 年前に開業、その後継続して沖縄観光業の発展に尽力してきた。近年では、高齢者、障がい者や性的マイノリティの方々をはじめ多様な観光客や利用者に配慮した取組を積極的に展開している。とりわけ近年では、性的マイノリティの方の平等化に向けて地元企業との連携を育み、県内ホテル業界への波及効果が極めて高い。一般客室のバスルームは1416 規格というビジネスホテルタイプを採用しながら、段差の解消、出入口有効幅員の確保などきめ細かな努力が見られる。以上、株式会社パームロイヤルが我が国のハード・ソフトの一体的なバリアフリー環境の推進に多大な貢献をしていることを高く評価する。
 

受賞者の取組

■ 取組の概要
 パームロイヤルは、LGBTの方も含め誰でも利用しやすいバリアフリートイレの設置や社内でのLGBTマナー研修や防災危機研修を実施するなど、ハード・ソフト両面で多様な利用者に配慮した環境整備を推進するとともに、視覚障害者や聴覚障害者等を対象とした夜間防災訓練を全国初で実施し、障害のある方にも安心して滞在できる観光地の形成に寄与した。

● ハード・ソフト両面での多様な利用者に配慮した環境整備
 LGBTの方も含めた誰でも利用しやすいバリアフリートイレへの改修や、誰でも分かりやすいピクトグラムの設置などのハード面での環境整備を行うとともに、社員に対するマナー研修を継続的に実施するなど、ソフト面の取組を行うことにより、ハード・ソフト両面での多様な利用者に配慮する取組の普及に寄与している。

● 誰一人取り残さない夜間訓練の取組
  ホテル営業中の『夜間』にて言葉の通じない外国人やけがをした宿泊客、聴覚、視覚障害、車いすの肢体不自由の方(実際に障害当事者の方が参加)を対象とした夜間消防訓練を全国で初めて実施し、日々の防災危機管理徹底を目的とした様々な障害のある方を安心して滞在できる観光地形成に寄与した。

◎今後期待される取組

 ホテルパームロイヤルNAHA 国際通りが展開してきた高齢者、障がい者をはじめ性的マイノリティの方々等の尊厳重視と平等化への取組は観光業に不可欠な考え方である。この考え方を基に当事者と一体となった従業員教育、体験学習、他事業者への波及が素晴らしい。今後も多くの困難が予想されるが、是非とも様々な事業者との合意形成を経て、県内外、海外の観光業やホテル業界への持続的発展的な展開を期待したい。

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