バリアフリー

とまり木休憩所・おでかけベンチ協働プロジェクト実行委員会 「地域ネットワークを活用した『歩いて暮らせるまちづくり』の実現」

講評

    地域住民が主体となってバリアフリー活動を実践している好事例である。まちに手作りベンチを置くことで、安心してこの地域に「住み続けたい」と思わせる「歩いて暮らせるまちづくり」を実践している。ベンチは、材料に地元産の竹材などを用い、心得のあるメンバーが製作を担い同意を得た住民の敷地に設置されている。
   バリアフリー対策は、新技術や設備、それを支える潤沢な財源がなければ推進できないのではないかという既成概念を覆して、地道な住民活動を積み重ねた結果、高齢者、障害者、子供達に対する温かい気持ちのこもった実践となっている。

受賞者の取組

■ 取組の概要
   とまり木休憩所・おでかけベンチ協働プロジェクト実行委員会は、徒歩での外出を高齢者等が気兼ねなく自由にできるよう支援するために、個人宅や店舗等に高齢者等が利用できるベンチを設置するとともに、ベンチの設置を通じた地域住民同士のネットワークを活用し、「歩いて暮らせるまちづくり」の実現を目指している。

● おでかけベンチ、とまり木ベンチ(とまり木休憩所)の設置
   高齢者等は500~600mほどでも歩く距離そのものが大きなバリアとなると考え、個人宅や店舗等の道路沿いの私有地部分に、地域住民自らが製作したベンチを設置した。これにより、高齢者等はベンチで歩き継いで、徒歩で、自身の都合のよい時に自由に外出、買物、通院、散歩等がしやすくなった。


                                   ベンチの製作会


                             ベンチに集まる地域住民


● 地域ネットワークを活用した「歩いて暮らせるまちづくり」の実践
高齢者サロンの関係者や地域ケア会議・地域の各種団体の有志を中心に気運が高まり、ベンチを製作し、設置後はベンチ周辺へ地域住民が集い、交流の場となっている。また、ベンチの設置により高齢者等の外出機会も増え、さらに地域ネットワークを活用したワークショップ等も開催し、高齢者等が外出しやすい「歩いて暮らせるまちづくり」を実践している。




                                設置依頼の様子


                                 ワークショップの様子


                                  2020年度に製作したマップ

今後期待される取組

   今後は、地域にお住いの方はもとより、行政・教育機関や福祉関連の事業所、地元企業等とも連携を一層深め、多様な立場の人・組織が関わることで、息の長い持続可能な活動となることを期待する。
   受賞を機に、地域の住民が主体となったバリアフリー活動が日本各地に広がり高齢者、障害者、子供達にとって安心して住み続けられる町が増えることを祈りたい。

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