バリアフリー

西日本旅客鉄道株式会社 「設計段階から障害当事者の意見を踏まえた新型特急車両の開発」

講評

特急やくも新型車両は、2024年6月に全44車両を新型に入れ替え導入された。この新型車両においては、設計段階から障害当事者の意見を踏まえて、丁寧な整備がなされている。具体的には、車椅子スペースのある車両の乗降口では、整備目標を上回る有効幅が確保され、出入り口付近での電動車いすの回転スペースも確保されている。さらに、トイレでのペーパーホルダーの両側設置やドアの開閉ボタンの
視認性向上、カームダウン機能を備えた空間確保など、ガイドラインの範囲にとどまらないきめ細かな改良が行われている。また、新型車両導入前に体験会を開催し、障害当事者から幅広く意見を集めている。これより、障害当事者の意見を丁寧に取り入れ、先進的なバリアフリー新型車両の開発を行った点を高く評価し、国土交通大臣表彰にふさわしいものとして認められる。

受賞者の取組

特急「やくも」の新型車両の開発にあたり、設計段階から障害をお持ちの方との意見交換を丁寧に行い、細部にわたりバリアフリーに配慮した車両を設計した。また、運行開始前にはバリアフリー体験会を開催するなど障害当事者から意見を伺う評価の機会を設けている。

●計画段階からの当事者参画
 特急「やくも」の開発にあたっては計画段階から、特例子会社「JR 西日本あいウィル」の協力を得て、障害当事者の意見や要望を設計に反映するとともに、詳細な仕様を決める際も要求を満たしているかを確認するなど丁寧な対応をしている。
 また、運行開始前には、多くの市民や、障害当事者を招いた、オープンな試乗会を実施し、評価の機会を設けて、改良を重ねている。

   
         ヒアリングの様子            バリアフリー体験会の様子
 
●車両のバリアフリー
【車椅子スペース】
 車椅子スペースのある3号車の乗降口の有効幅を標準的な整備目標を上回る幅を確保することで、車椅子が乗降しやすいようにしている。また、車椅子スペースの底面の色について、当事者からの目に優しい色にしてほしいとの意見から識別しやすさにも配慮したえんじ色の配色としている。

【バリアフリートイレ】
 出入り口の戸の有効幅は、標準的な整備目標を上回る幅を確保するとともに、障害当事者の意見を踏まえて、[1]トイレットペーパーホルダーを両サイドに設置、[2]ドアの開閉ボタンの大型化・増設等、ガイドラインの範囲にとどまらず、きめ細やかな改良を行っている。

  
        車いすスペース                 バリアフリートイレ

今後期待される取組

新型車両導入から1年以上が経過し、利用者から様々な意見が寄せられていると思うが、これらの意見とともに、障害当事者を対象にした体験会などを企画し、意見集約を行っていただき、新型車両のハード・ソフトの両面からのバリアフリーアップに反映していただきたい。特に、平時のみならず非常時での情報提供を含めた取組を希望するとともに、駅舎利用と一体的になったバリアフリー化の進展も期待したい。

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