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国土交通省環境行動計画(平成16年6月)
 
1.本  文 
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序  章
  第一章−T
  第一章−U
  第二章−T
  第二章−U
  第二章−V
  第二章−W
  第二章−X
  巻末資料
2.モデル事業
  モデル事業の実施について
  モデル事業の実施地域の選定
3.フォローアップ
4.国土交通省の環境政策の基本的方向(平成15年3月)

 

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第一章 国土交通省環境行動計画策定に際しての基本的な考え方と主な取組

U 国土交通行政のグリーン化を進めるための6つの改革

(3) 環境に対する感度の高い市場の整備
 市場は、あらゆる経済主体が参画する、国民全体の連携と協働の場です。特に、地球環境問題のような国民一人一人の日常の行動や通常の企業活動に起因する環境問題を解決するためには、国民や企業の合理的な選択行動の結果として、環境負荷の軽減が実現され得るような市場を整備していく必要があります。このため、以下のような取組を通じて環境に対する感度の高い市場を整備する「市場のグリーン化」を図ります。

1)ストック重視の住宅・建築物市場のグリーン化総合戦略(仮称)の推進
 新築段階における省エネ対策を引き続き進めるとともに、これに加えて、既存ストックも含めた市場全体を視野に入れるなど、住宅の省エネリフォームを推進するための支援策、省エネリフォームのための技術開発、省エネ性能等に関する情報提供等のストック対策を強化します。関係省庁と連携しつつ、省エネルギー性能の優れた部品・設備の導入を促進します。  また、住宅・建築物の居住性(室内環境)の向上と地球環境への負荷の低減等を、総合的な環境性能として一体的に評価を行い、評価結果を分かり易い指標として示す提示する建築物総合環境性能評価システム(CASBEE)の開発・普及等に努めるとともに、住宅・建築物の長寿命化を図りつつ、質の向上による居住性向上と環境負荷低減の効果や、ライフサイクルを通じたコスト低減について、消費者に情報を提供し的確な選択を支援する仕組の整備を進めます。  さらに、総合的な環境性能の高い住宅等に係る先導的な技術を導入するためのリーディングプロジェクトに対する支援を行います。

2)環境にやさしい経営の促進
  企業経営についても、各企業が環境保全・再生・創造にどのように貢献しているかを市場において評価する動きが本格化しており、企業本来の行動としてどのように環境貢献をするかが問われています。トラック事業、バス・タクシー事業の分野においては、一定以上の優れた環境取組を実施している事業者を認定する「グリーン経営認証制度」が企業の環境取組を市場において評価する仕組として機能していますが、このような環境貢献型の経営(グリーン経営)を促進する枠組を、更に充実させるとともに、社会資本整備分野を含めた他の事業分野に拡大していきます。

3)木材リサイクル市場拡大戦略(仮称)の推進((5)A参照)

(4) 持続可能な国土の形成
 生物多様性の減少、ヒートアイランド現象を始めとする都市生活環境の悪化、廃棄物問題、湧水の枯渇や河川流量の不安定化並びに閉鎖性水域の富栄養化など水環境をめぐる問題、地球環境問題などの解決すべき課題が山積しています。これらの問題は原因者が多岐にわたり、因果関係が複雑に絡みあっているため、個別課題への対処のみでは克服が困難であり、より幅広い連携により地域や社会全体として取り組んでいくことにより、持続可能な国土づくりを行うことが必要です。  このため、国土の健全化や、環境負荷の小さい潤いのある都市を実現するための以下のような具体的取組を、地方公共団体を始めとする様々な関係機関との連携や、市民やNPOとの幅広い連携・協働により進めていきます。

1)全国海の再生プロジェクトの推進
 改善が進みにくい閉鎖性海域の水質を改善するために、陸域からの負荷削減策や海域における環境改善対策など、多様な主体の連携により総合的な施策展開を図る行動計画(「ベイルネッサンス計画」)を策定、推進します。
 また、この一環として、下水道の高度処理を進めるため、経済的インセンティブの付与を介し、経済合理性に沿った「排出負荷量の調整配分を行う計画制度」の法制化を措置します。

2)水と緑のネットワーク化計画(仮称)の推進
 美しくうるおいのある良好な環境を構築するため、「景観緑三法」に基づく緑地の保全・創出・活用の推進や、公園、下水道、河川、砂防、道路、港湾など事業間連携の一層の強化や多様な主体の参画により、水と緑のネットワーク形成を図っていきます。
 特に、水のネットワークについては、都市内河川・水路の水質、水量や水辺環境に関する問題に対応するため、水源や水路の保全・再生など、水のネットワーク再生を効果的に進めるための制度化を行います。
 また、水質の改善については、実証実験を通じて、微生物やヨシなどの植物が持つ力を活用した浄化技術(バイオ浄化技術)を確立し、水質悪化の著しい全国の河川・湖沼において本格的な導入を図ります。
 なお、これらの施策を効果的に進めるため、水と緑のネットワークの形成に意欲のある地域の先進的な取組を支援する、地域提案型のモデル事業を、公募により実施します。

3)水・物質循環システム健全化プログラム(仮称)の推進
 山林の荒廃、河川等の水量・水面の減少、水質の汚染、緑地の減少、海洋水産資源の減少、海浜の悪化等に対応し、広域的なエリアで「国土の健康を取り戻す」総合的取組を行う必要があります。
 このため、水や土砂、生態系に加え、これまで着目されてこなかったエネルギーの有効利用、栄養塩類を含めた健全な循環系の再構築や保全に向けた、持続可能な流域管理手法の考え方を取りまとめます。さらに、広域的なモデル流域を選定し、健全な循環システムの再生・保全計画を策定するとともに、関係機関とも連携しながら総合的に計画の実行を支援します。

4)「海洋の健康診断表」(仮称)の提供
 持続可能な海洋の開発・利用や海洋環境の保全には、海洋の状況と今後の見通しや海洋環境を脅かす原因物質の実態に関する詳細な情報が不可欠です。このため、船舶、ブイ、人工衛星などの様々な手段による海洋観測データを収集・解析して海水温、黒潮・親潮などの海流、暖・冷水渦、異常潮位、海洋汚染、海水中の温室効果ガスなどの海洋環境の詳細な実況を把握するとともに、それらの変化の状況や要因などを分析し、その成果を「海洋の健康診断表」(仮称)に取りまとめて提供します。

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