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日ASEAN交通連携基本枠組み(仮訳)


1.概論

 日本とASEANは、長年に渡り互恵的な関係を維持してきた。近年、日本はASEANに対し、民間航空分野における専門家の訓練、域内交通、海上交通及びクルーズに関する協力計画の策定、交通安全及びITS計画におけるキャパシティ・ビルディング活動に関する技術援助を行っている。ASEAN加盟国も、交通分野に関する様々な技術支援及びODAにおける取組みを通じて日本との緊密な連携を享受してきた。
 2002年1月、小泉総理はシンガポールにおいて演説を行い、この中で「率直なパートナー」の精神に基づく新しい日ASEANの関係を打出した。この新しい関係は「ともに歩み、ともに進む」の概念に基づき、未来に向かって連携を強化・持続していくものである。このイニシアチブに従い、2002年4月30日〜5月1日にインドネシア国ジョグジャカルタで開催された第13回ASEAN交通次官級会合(STOM)において、国土交通省は、日ASEAN間の交通分野における新しい協力枠組みの構築を提案した。
 第13回STOMは、日ASEAN間での必要性・要望の発掘・調査を行い、また、交通政策における新たな関係形態を形成するにあたって適切なテーマ・枠組みを選択するためにSTOMと連携作業することに対する日本の強い関心を歓迎した。これを受けて、STOMは、2002年STOM議長国であるインドネシアに対して、ASEAN事務局と連携して、日本との実施可能な協力枠組みの構築を行うよう要求した。


2.目的

 日ASEAN交通連携の主な目的は、地域経済統合、地球・地域環境問題、交通セキュリティのための緊急課題、そして最新技術による交通の安全性改善のような、ますます重要性を増していく案件を考慮することにより、日ASEAN間の協力関係をより一層強化するものである。


3.協力分野

 ASEANと日本は、「ASEANビジョン2020」、「ハノイ行動計画」、並びに1999年〜2004年における「ASEAN交通協力枠組み計画・続・交通行動計画」の議題及び優先性を強化するために互恵的プログラム、プロジェクト及び活動に取組む。
 交通分野における日ASEANの協力連携では、情報・経験・成功例の交換、政策対話の促進、人的資源開発の強化、共同作業、有益なプロジェクト・活動が行なわれる。

 日ASEAN交通連携では、以下の事項を取扱う。
  1. 貨物輸送及びロジスティックスの促進。特に、物流、ロジスティックス及びインターモーダルの接点の改善、貨物輸送ターミナルの開発、並びに関連政策の改善。
  2. 海上安全、海上汚染防止対策、ポート・ステート・コントロール及び船員訓練を更に強化するとともに、効率的な物流及びロジスティックス・ネットワークのための技術を開発することにより、安全かつ持続可能な海運を促進する。
  3. 航空の安全、セキュリティ、航空交通管理等を改善するための最新技術に必要な制度構築及びキャパシティ・ビルディングを行うことにより、航空分野における安全性及び効率性を向上させる。
  4. 最新技術の都市交通への適用、環境にやさしい自動車・システムの導入、道路交通におけるITSの展開、自動車基準の調和等の、地域経済統合、世界的・地域的環境問題、交通のセキュリティ及び安全に関する課題に関して、情報、経験及び成功例を相互に交換することにより協力を推進する。
    上記の協力分野は明示され、また、日ASEAN交通次官級会合(STOM+Japan)及び日ASEAN交通大臣会合(ATM+Japan)において定期的に見直し・更新される。

4.組織

 日ASEAN交通大臣会合、(ATM+Japan)は、日ASEAN交通連携促進のための諮問会合である。ATM+Japanは日ASEAN交通次官級会合(STOM+Japan)により補佐される。
 ATM+Japanは、政策事項及び共通関心事項の展開に関する討議、日ASEAN交通連携の方向性を決める政策指針の決定のために開催される。特に、STOM+Japanで支持された政策及び協力計画の検討、見直し及び承認を行う。
 STOM+JapanはATM+Japanの実務的な補佐を行う。STOM+JapanはATM+Japanの会議議題を策定し、日ASEAN交通連携における計画、プロジェクト及び活動の着手、調整及び実施について責任を有する。
 ASEAN事務局及び国土交通省は、それぞれの責任においてATM+Japan及びSTOM+Japanを補佐するだけではなく、定期的会合の準備においても技術的な支援を行う。


5.会合

 日ASEAN交通大臣会合は、原則として毎年開催される。日ASEAN交通次官級会合はこれに先立ち行なわれる。両会合とも日本とASEANからの共同議長による。ATM/STOMの議長がASEAN側の共同議長となる。日本側共同議長は、国土交通大臣及び国土交通次官である。


6.構成

 上記会合には、ASEANメンバー各国及び日本からの代表者が出席する。
 STOMメンバーがASEAN各国を代表し、国土交通省幹部が日本を代表する。ASEAN事務局幹部及び職員も同様に上記会合に出席する。


7.報告

 STOM+Japanの結果はATM+Japanに報告される。ATM+Japanの結果は、日ASEAN首脳会合に提出される。


8.費用

 STOM+Japan及びATM+Japanへの参加費用は、各国で負担する。