高千穂牛
寿司に加えて、海外で珍重される日本料理の中でも、牛肉が人気です。そして、世界中のグルメが喜ぶ牛肉は和牛です。アメリカ、イギリス、オーストラリアには和牛協会があり、世界最良の牛肉と考えるものに関する基準を推進しています。一部の愛好家にとって、和牛はテロワール、つまり土壌、気候、降雨、および地域の他の要因に見られる独特の特徴を持ちます。ワインの品種と同様、高千穂は和牛にとっては最高のテロワールです。高千穂の厳選された地域の牛から生まれた高品質の和牛は、2007年に第9回日本和牛能力共進会(和牛オリンピック)で首相賞を受賞しました。近くにある祖母山の草や水で放牧したおかげで、この地域で飼育されている50万頭の牛のうち200頭は、高千穂牛として手入れされています。このように頭数が限られているため、牛は高千穂の外に出荷されないことが多いです。しかし、棚田、山の牧草地、聖地があるこの土地で生まれた高品質の霜降り牛を味わうことを熱望する客を多く惹きつけてきました。焼肉初栄や和(なごみ)と呼ばれる地元のレストランがあり、厳選された切り身も販売されています。明治時代(1868~1912)の家畜改良努力だけでなく、20世紀初頭からの品種のきめ細やかな飼育によっても、高千穂における慎重な牛飼育の伝統が見て取れます。実際、この伝統は高千穂にとって非常に価値があり、何世代にもわたる牛の血統は、それらを飼育する人々よりも詳しく記録されています。