出羽三山の両生類・は虫類
出羽三山の小川と池は、様々な両生類に対して、静水と動水の生息環境を提供しています。
弥陀ヶ原湿原には池が点在しており、その水源は、月山のとても冷たい雪解け水です。これらの池には、クロサンショウウオ (学名: Hynobius nigrescens) が生息しています。トウホクサンショウウオ (学名: Hynobius lichenatus) は、より稀少な種であり、小川のゆるやかな流れを好みます。
ニホンアカガエル (学名: Rana japonica) も稀少種です。このカエルは、月山のふもとの田んぼに生息しています。このカエルは、1~3月という早い時期に冬眠から覚め、冬眠に戻る前に卵を産みます。この地域のカエルには、他にヤマアカガエル (学名: Rana ornativentris) やカジカガエル (学名: Buergeria buergeri) などがいます。カジカガエルはきれいな小川に住み、鳥の鳴き声によく似た美しい声で知られています。
モリアオガエル (学名: Rhacophorus arboreus) は、この地域の沼地や池でよく見られます。この緑色のカエルは、静水の近くに、泡で包まれた卵を産みます。この卵は、アカハライモリ (学名: Cynops pyrrhogaster) を惹きつけます。アカハライモリは、卵から出てくるおたまじゃくしを食べようと、卵がかえる前から大量に集まってくるのです。
この地域には多くのは虫類が生息していて、とりわけヘビが多くいます。その中には、シロマダラ (学名: Lycodon orientalis) やヒバカリ (学名: Hebius vibakari) といった稀少種が含まれます。また、より一般的な種もいます。たとえば、ニホンマムシ、ヤマガカシ (学名: Rhabdophis tigrinus)、アオダイショウ (学名: Elaphe climacophora)、シマヘビ (学名: Elaphe quadrivirgata) などです。この地域には、ニホンカナヘビ (学名: Takydromus tachydromoides) というは虫類もおり、森に駆け込んでいくのを時おり見ることができます。