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妙高戸隠連山国立公園内の各地域では、自然の素晴らしさに加えて、様々な文化的・歴史的な活動が行われている。ここでのご紹介したものに加えて、ハイキングや学習、探検など、さまざまな場所に関する情報を、ビジターセンターのパンフレットコーナーやインフォメーションデスクでご覧いただける。
ハイキング・自然散策
- 糸魚川ユネスコ世界ジオパーク(新潟県糸魚川市)
2009年、糸魚川ジオパークは、日本初のユネスコ世界ジオパークに認定された。このジオパークは、ユーラシア大陸と北米大陸を隔てる断層である「糸魚川-静岡構造線」を跨いで位置している。糸魚川は歴史的に良質なヒスイの産地として知られており、フォッサマグナミュージアムでは、ヒスイの形成過程や日本の複雑な地質について学ぶことができる。
- 鎌池(長野県小谷村)
雨飾山の南に位置する鎌池は、樹齢300年のブナを中心とした高原の森に囲まれている。鏡のように美しい水を湛えたこの池は、森林セラピーを目的としたハイキングコースとして人気がある。池の周りには約2キロの遊歩道が整備されており、あらゆる年齢の訪問者に適した平坦な遊歩道となっている。
- 苗名滝(新潟県妙高市)
その轟音から「地震の滝」と呼ばれていた苗名滝は、山頂から流れ落ちる水量の多さを物語っている。その途方もない流れが、山の岩盤に独自の噴出口を切り開き、55メートルもの高さから、岩がごろごろした川底に流れ落ちる。階段や橋を使って滝の近くにある展望台まで行くことが可能だ。
- 夢見平遊歩道(新潟県妙高市)
緑豊かな笹ヶ峰高原には、数多くのハイキングコースがある。夢見平遊歩道は、笹ヶ峰ダムを起点とした約5キロの周回コース。急な階段を登ったあとには、緩やかな道が続く。ミズナラやブナの林を抜け、夢見平湿原にでると、春には妙高山の外輪の噴火口を背景に何千本もの水芭蕉が咲き乱れる。
- 戸隠神社奥社の杉並木(長野県長野市)
戸隠神社の奥社の参道には、200本以上の巨大な杉の木が立ち並んでいる。この巨木は、江戸時代(1603~1867年)の初め頃、戦乱からの復興のために植えられたものだという。1643年に伐採が禁止され、ミズナラ、ブナ、トチ、モミ、イチイなどの数百年の歴史を持つ森が道を取り囲んでいる。杉林は、神社までの中間地点にある深紅の茅葺きの屋根の門「随神門」から始まる。
湖
- 野尻湖(長野県信濃町)
野尻湖は、水遊びを中心としたリゾート地である。レンタルしたカヌーやカヤックで湖を横断したり、遊覧船で湖を巡ったりすることができる。弁天島(琵琶島)の神社には、旅客船が行き来している。夏には大型のチャーター船で釣りに出かけたり、冬には屋根付きの暖かい船(屋形船)でワカサギ釣りをしたりすることができる。暖かい季節には、野尻湖畔にある様々なレストランやカフェで、野外での食事が楽しめる。
- 霊仙寺湖(長野県飯綱町)
冬場の氷上釣りで知られる霊仙寺湖は、夏場も人気がある。白鳥の形をしたパドルボートなどのレンタルボートがある。子供用の遊び場や、2.2~12.5kmの4つのノルディックウォーキングコースもある。湖の周りには広い草地が広がり、山々の素晴らしい景色を眺めることができる。
博物館
- 野尻湖ナウマンゾウの博物館(長野県信濃町)
野尻湖ナウマンゾウ博物館は、湖畔から歩いてすぐのところにある自然史博物館で、野尻湖周辺に生息しいていた太古の生物を展示している。1948年に湖底から発見されたナウマンゾウの歯の化石をはじめ、その後の発掘調査で出土した多くの化石が展示されている。また、多くの先史時代の動物の実物大の復元模型や、ほぼ同時代の人類の初期文明の遺物なども展示されている。
- 戸隠地質化石博物館(長野県長野市)
旧小学校の校舎を利用した珍しい博物館で、長野県の自然史に関する豊富なコレクションを展示している。3階の展示室では、日本と妙高戸隠地域の地質学的・古生物学的発展に関する詳細な展示が行われている。例えば、「骨の部屋」では、何百もの動物の頭蓋骨が棚に収められており、入り口にはキリンの全身骨格標本がそびえ立っている。他の部屋には、地元の魚や両生類の生きた姿が展示されている。廊下には学校の理科の授業で使われていた古い実験道具や保存された標本が並んでいる。また、動物の毛皮を使った衣装を着られるコーナーもある。
- 戸隠流忍法資料館(長野県長野市)
戸隠流忍法資料館と戸隠民俗館の2つの博物館が併設されている。戸隠民俗館の歴史文化に関する展示では、保存状態の良い農具や工芸品、日常の衣類などがぎっしり展示されており、伝統的な山村の生活を生き生きと伝えている。戸隠流忍法資料館では、戸隠に伝わる忍者の歴史を紹介しており、本物の忍者の武器や衣装、様々な技や修行を示す現代の忍者のモノクロ写真などが展示されている。資料館の横にある忍者からくり屋敷は、迷路のような構造になっており、トリックドアや様々な仕掛けが施され、簡単には出られないような仕掛けになっている。
いもり池
ビジターセンターを出てすぐのところにあるいもり池は、妙高市を代表する景勝地のひとつである。池の背後には妙高山がそびえ立ち、晴れた日にはその姿が池に映る。毎年春になると、池の周りにはミツガシワや10万本もの水芭蕉が咲き乱れる。
いもり池にはフナや鯉が生息しており、噂では金色の鯉がいるとも言われている。しかし、この池は、外来種の白いスイレンが急速に広がり、在来種のヒツジグサを駆逐してしまうという危機に瀕している。
池の周りには500メートルの車椅子用の遊歩道が整備されており、ゆっくり一周しても15分程度である。池のほとりでオオルリボオシヤンマや、エゾイトンボと呼ばれる青色のトンボを見つけることができる。