近年、豪雨災害や記録的な猛暑など、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化が世界的な課題となっています。わが国においても2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、地域の取組を推進しています。そのような中で、都市・地域構造や交通システムは中長期的にCO2排出量に影響を与え続けることから、 都市分野においても脱炭素に資する都市・地域づくりを進めて参ります。
世界中の多くの都市で、カーボンニュートラルに向けて、都市分野での具体目標・計画を定め、都市を大胆に変革する動きが起きています。
国内においても都市・まちづくりに関わるプレイヤーがカーボンニュートラルに取り組み、都市を変革していくことが求められています。
そこで国土交通省は、カーボンニュートラル×都市政策に取り組む人材の交流・融合・育成を促進し、新たなムーブメントを創出するきっかけを生むことを目指します。
令和7年度も、まちづくりGX の分野育成・人材育成に向けて産官学連携(日本都市計画学会 環境特別委員会と連携)し、連続セミナーを開催します。
▶都市と環境のいい関係を考える
令和6年度は、諸外国の知見を持つ有識者、当該施策に携わる実務経験者を講師に招き、連続セミナーを開催しました。
▶都市と緑とカーボンニュートラル×世界の都市政策の最前線編
令和6年度の連続セミナーで得た学び、海外事例の詳細調査結果をブックレットにまとめました。
「住みやすい都市を気候変動対策でつくっていくためのアイデアブック~海外ではどうやってるの編~」
「脱炭素都市づくり大賞」は、国土交通省及び環境省が共同で令和5年度に創設した表彰です。
政府では、ネットゼロ、循環型、ネイチャーポジティブな経済・社会システムへの転換を統合的に進めることとしており、特にネットゼロの観点では我が国の2030 年度の46%温室効果ガス削減や2050 年ネットゼロの国際公約の達成に向けては、世界の温室効果ガス排出量の7割、エネルギー需要の6割以上を占める都市の脱炭素移行が不可欠です。
また、都市部において、気候変動への対応に加えて、生物多様性の確保やWell-being の向上に向けて、「まちづくりGX」の取組の強化を図ることとしています。
そこで、2030 年度までにネットゼロの実現を目指すとともに、まちづくりGX や資源循環・ネイチャーポジティブの推進に取り組む、優れた脱炭素型の都市の開発事業を表彰し、好事例として国内外に発信することにより、脱炭素型の都市づくりを促進します。
▶【応募受付中】脱炭素都市づくり大賞詳細ページ
都市行政において、カーボンニュートラルに向けた取組を一歩進めるための手引きとして、先進的な都市の事例をとりまとめた事例集を作成しました。
本事例集では、都市の課題解決に向けた取組と、地域脱炭素ロードマップに基づく「脱炭素先行地域」との効果的な連携により、取組を進めた国内7都市の事例を掲載しております。各事例では、まちづくりにカーボンニュートラルを加えることで、どのような課題解決につながったのか、また、カーボンニュートラルの取組の利点や効果、取組の実施体制や活用支援メニュー等を整理しております。さらに、国土交通省都市局における支援制度も取りまとめております。
二酸化炭素総排出量のうち、約5割が都市活動に由来している中で、カーボンニュートラルに対する都市行政の取組・貢献には大きな期待が寄せられています。
地方自治体をはじめとしたまちづくり関係者の皆様方にとって、カーボンニュートラルに向けた取組推進の一助となることを期待しています。