近年、豪雨災害や記録的な猛暑など、気候変動に伴う自然災害の激甚化・頻発化が世界的な課題となっています。わが国においても2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、地域の取組を推進しています。そのような中で、都市・地域構造や交通システムは中長期的にCO2排出量に影響を与え続けることから、 都市分野においても脱炭素に資する都市・地域づくりを進めて参ります。
都市行政において、カーボンニュートラルに向けた取組を一歩進めるための手引きとして、先進的な都市の事例をとりまとめた事例集を作成しました。
本事例集では、都市の課題解決に向けた取組と、地域脱炭素ロードマップに基づく「脱炭素先行地域」との効果的な連携により、取組を進めた国内7都市の事例を掲載しております。各事例では、まちづくりにカーボンニュートラルを加えることで、どのような課題解決につながったのか、また、カーボンニュートラルの取組の利点や効果、取組の実施体制や活用支援メニュー等を整理しております。さらに、国土交通省都市局における支援制度も取りまとめております。
二酸化炭素総排出量のうち、約5割が都市活動に由来している中で、カーボンニュートラルに対する都市行政の取組・貢献には大きな期待が寄せられています。
地方自治体をはじめとしたまちづくり関係者の皆様方にとって、カーボンニュートラルに向けた取組推進の一助となることを期待しています。
国土交通省及び環境省が共同で創設した「脱炭素都市づくり大賞」について、令和5年度の受賞事業を紹介します。
2030年度ネットゼロを目指す優れた脱炭素型の都市の開発事業を表彰し、脱炭素型の都市づくりを促進することを目的として、環境省と共同で、「脱炭素都市づくり大賞」を創設。
第1回目となる令和5年度は、有識者で構成する審査委員会における審査を経て、まちづくりGXを推進する特に優れた事業として「麻布台ヒルズ」を国土交通大臣賞に決定いたしました。
また、環境省において環境大臣賞を決定するとともに、併せて、審査委員会(委員長:村木美貴 千葉大学大学院工学研究院教授)として特別賞4件を選定いたしました。
【国土交通大臣賞】
麻布台ヒルズ(森ビル株式会社)
【環境大臣賞】
・イオンモール豊川(イオンモール株式会社 、他2者)
【特別賞】
・グラングリーン大阪(三菱地所株式会社、他10者)
・東京ポートシティ竹芝(東急不動産株式会社、他1者)
・日本橋室町三井タワー(三井不動産株式会社)
・小諸市中心拠点コンパクトシティプロジェクト(長野県厚生農業協同組合連合会浅間南麓こもろ医療センター、他6者)
世界中の多くの都市で、カーボンニュートラルに向けて、都市分野での具体目標・計画を定め、都市を大胆に変革する動きが起きています。
国内においても都市・まちづくりに関わるプレイヤーがカーボンニュートラルに取り組み、都市を変革していくことが求められています。
そこで国土交通省は、カーボンニュートラル×都市政策に取り組む人材の交流・融合・育成を促進し、新たなムーブメントを創出するきっかけを生むことを目指します。
諸外国の知見を持つ有識者、当該施策に携わる実務経験者を講師に招き、連続セミナーを開催します。