.総則
本要領は、航空法(昭和27年法律第231号。以下「法」という。)第104条第1項に基づき本邦航空運送事業者の定める運航規程の航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号。以下「規則」という。)第214条に規定する運航に関する事項及びその技術上の基準への適合性の審査にあたっての指針を示すものである。
法第104条第1項に基づく運航規程の認可申請があった場合には、原則として、この要領により規則第214条の技術上の基準への適合性を審査するものとする。また、航空機使用事業者の定める運航基準の審査にあたっては、本要領を参考とするものとする。
.運航規程審査基準
1.運航管理の実施方法
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運航管理者等の資格要件及び指名方法 |
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(2) |
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運航管理者等の配置 |
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運航管理者等の運航基地ごとの配置が、運航の頻度等の業務量を考慮して適切に定められていること。 |
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(3) |
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運航管理者等の職務の範囲及び内容 |
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運航管理者等の責任及び職務の範囲が明確に定められ、その内容が使用する航空機の型式、飛行場の特性等に応じて、飛行前、飛行中及び飛行後ごとに適切に定められていること。 |
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(4) |
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運航管理の基準 |
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飛行計画の作成及び出発の可否の決定の基準として、飛行方法、飛行の経路、 代替飛行場、使用飛行場の滑走路状態、巡航高度、必要な燃料量、離陸重量、着陸重量等に係る事項が適切に定められていること。また、運航の監視及び飛行計画の変更に係る基準が適切に定められていること。 |
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2.航空機乗組員及び客室乗務員の職務(客室乗務員の職務については、客室乗務員を航空機に乗り組ませて事業を行う場合に限る。)
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航空機乗組員の資格要件及び乗務要件 |
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(2) |
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客室乗務員の資格要件及び乗務要件 |
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客室乗務員の資格要件及び乗務要件が、使用する航空機の型式、職務の内容に応じて適切に定められていること。 |
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(3) |
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航空機乗組員及び客室乗務員の職務の範囲及び内容 |
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航空機乗組員及び客室乗務員の責任及び職務の範囲が明確に定められ、その内容が、飛行前、飛行中及び飛行後ごとに適切に定められていること。 |
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3.航空機乗組員及び客室乗務員の編成(客室乗務員の編成については、客室乗務員を航空機に乗り組ませて事業を行う場合に限る。)
航空機乗組員の編成が、使用する航空機の型式、飛行の方法等に応じて、法第65条及び第66条の規定の範囲内において適切に定められていること。
また、客室乗務員の編成が、使用する航空機の型式、客席数等に応じて適切に定められていること。
4.航空機乗組員及び客室乗務員の乗務割並びに運航管理者の業務に従事する時間の制限(客室乗務員の乗務割については、客室乗務員を航空機に乗り組ませて事業を行う場合に限る。)
航空機乗組員の乗務割については、規則第157条の3の規定の範囲内において、乗務時間と乗務時間以外の勤務時間により定められ、客室乗務員の乗務割については、運航環境等を考慮し、客室乗務員の職務に支障を生じないよう定められていること。
また、運航管理者等の業務に従事する時間については、運航の頻度を考慮して運航管理者等の職務に支障を生じないよう定められていること。
5.航空機乗組員、客室乗務員及び運航管理者の技能審査及び訓練の方法(客室乗務員の技能審査及び訓練の方法については、客室乗務員を航空機に乗り組ませて事業を行う場合に限る。)
(1) |
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技能審査及び訓練の方法 |
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技能審査の課目及び実施方法並びに訓練の課目、実施方法及び時間が、機長、 副操縦士、客室乗務員、運航管理者等の職務に応じて適切に定められていること。 |
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(2) |
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技能審査担当者及び訓練担当者 |
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技能審査及び訓練の課目及び目的に応じて、適切な技能審査担当者及び訓練担当者が指名されることが定められていること。 |
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6.航空機乗組員に対する運航に必要な経験及び知識の付与の方法
飛行する地域及び使用する飛行場の特性を勘案して、航空機乗組員に付与すべき経験及び知識が適切に定められ、必要に応じて、飛行する地域及び使用する飛行場に係る有しなければならない最近の飛行経験並びに確実に経験及び知識が付与されていることを担保するための審査の方法が定められていること。
7.離陸し、又は着陸することができる最低の気象状態
(1) |
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最低気象状態 |
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(2) |
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最低気象状態の適用の方法 |
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計器飛行方式により離着陸を行う場合の最低気象状態の適用の方法が、飛行計画の作成の段階、離陸の段階並びに進入及び着陸の段階ごとに定められていること。 |
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8.最低安全飛行高度
最低安全飛行高度は、航法上の誤差、航路上の地形特性及び気流のじょう乱を考慮し、航空交通管制機関との交信が常時可能なように定められていること。また、多発機の場合にあっては、一つの発動機が不作動の場合でも着陸に適した飛行場等に安全着陸できる高度、単発機の場合にあっては、発動機が不作動となった場合でも当該航空機の滑空比によりあらかじめ選定した飛行場等に安全に着陸できる高度が、有視界飛行方式及び計器飛行方式ごとに適切に定められていること。
9.緊急の場合においてとるべき措置等
航空機乗組員、客室乗務員、運航管理者等の職員が緊急事態においてとるべき措置及び緊急事態に備えてとるべき措置が、想定される機材故障、空中火災、外国からの要撃等の事態に応じて適切に定められていること。また、救急用具の搭載場所及び取扱方法が明確に定められていること。
10.航空機の運用の方法及び限界
航空機の運用の方法及び限界が、飛行規程で定める範囲内において航空機製造者のマニュアル等に準拠して、かつ、操縦者の慣熟度、飛行場の特性及び気象状態を考慮して適切に定められていること。また、滑走路面が雪氷等で覆われている場合等の制限、旅客在機中の燃料補給の方法等が航空機の性能、特性等に応じて適切に定められていること。
11.航空機の操作及び点検の方法
(1) |
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操作手順、点検手順等 |
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航空機の操作手順、点検手順等が、航空機の型式ごとに、飛行規程で定める範囲内において航空機製造者のマニュアル等に準拠して、通常操作手順、故障時操作手順、非常操作手順、点検手順等について適切に定められていること。 |
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(2) |
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チェックリストの使用 |
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航空機の型式ごとに、飛行規程、航空機製造者のマニュアル等に準拠して、飛行前、飛行中及び飛行後の各段階における操作、点検及び緊急事態の発生時の措置について、チェックリストが適切に定められていること。 |
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12.装備品、部品及び救急用具(以下「装備品等」という。)が正常でない場合における航空機の運用許容基準
(1) |
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一般 |
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運用許容基準の考え方が適切に定められていること。 |
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(2) |
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適用 |
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運用許容基準の適用に当たっての考え方が適切に定められていること。 |
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(3) |
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運用許容基準要目 |
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運用許容基準要目に設定すべき事項が定められていること。 |
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(4) |
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修理持越し基準 |
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運用許容基準を適用して、修理を持越す場合の修理持越し基準(当該故障を修理しなければならならない時期又は基地等)について必要な事項が定められていること。 |
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13.飛行場、航空保安施設及び無線通信施設の状況並びに位置通報等の方法
飛行の区間に応じて、航空路誌の記載内容と相違しないように、最低安全飛行高度、地形及び障害物、使用する飛行場の出発進入方式、飛行する地域に適用される捜索救難業務方式、救難信号その他当該事業に係る必要な情報を航路資料に定めるようになっていること。また、航路資料は、航空機乗組員、運航管理者等が容易に使用できるものとなっていること。
14.地上取扱業務の実施方法及び地上取扱業務に従事する者の訓練の方法
(1)地上取扱業務の実施方法
貨物及び手荷物の受取及び保管、航空機に係る積載及び重量配分の管理、積載物の積込み及び取卸し(以上の各業務については危険物の取扱いを含む。)、旅客の安全な乗降の確保、航空機の燃料の補給、航空機の雪氷の防除、航空機の地上走行の支援その他空港等内において航空機が到着してから出発するまでの間に地上で実施する作業であってその適切な実施が確保されない場合において航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのあるものに係る業務(以下「地上取扱業務」という。)に従事する者の職務の範囲及び内容その他の地上取扱業務の実施方法が、地上取扱業務の内容に応じて適切に定められていること。
(2)地上取扱業務に従事する者の訓練の方法
訓練の方法
地上取扱業務の内容に応じて、訓練の課目、実施方法及び時間が適切に定められていること。
訓練担当者
地上取扱業務の内容に応じて、適切な訓練担当者が指名されることが定められていること。
15.航空機の運航に係る業務の委託の方法(航空機の運航に係る業務を委託する場合に限る。)
運航に係る業務の委託についての基本方針、委託を行う業務の範囲及び内容、 受託者の選定基準、委託管理の方法等について必要な事項が適切に定められていること。
.細目的事項
この要領を実施するために必要な細目的事項については、運航安全課長が別に定める。
附則
1. |
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この要領は平成12年2月1日から適用する。 |
2. |
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「定期航空運送事業者及び国際不定期航空運送事業者に係る運航規程審査要領」(平成9年6月30日空航第492号)及び「運航規程審査要領(不定期航空運送事業)」(昭和45年8月29日空航第380号)は、廃止する。 |
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附則(平成23年7月1日)
この要領は平成23年7月1日から適用する。
附則(平成27年5月8日)
1. |
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この要領は平成27年6月30日から適用する。 |
2. |
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この要領の適用の際現に認可を受けている運航規程又は認可の申請をしている運航規程については、この要領による改正後のⅡ.14.の規定にかかわらず、この要領の適用の日から起算して9月間は、なお従前の例によることができる。 |
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