航空

国空航第808号

国空航第808号

平成18年1月27日

社団法人 全日本航空事業連合会会長殿

国土交通省航空局技術部運航課長

 

回転翼航空機の運航の安全確保について

 

平成18年1月27日、航空・鉄道事故調査委員会は、平成16年12月24日、佐賀空港の南西約14kmの有明海海上に墜落し搭乗者3名全員が死亡したエス・ジー・シー佐賀航空株式会社所属のJA44RHロビンソン式R44型の航空事故調査報告書を公表した。
同報告書によると、原因は、同機が飛行中、機長が空間識失調に陥ったことが考えられ、機体の制御能力を喪失して大きな速度と降下率で海面に墜落したものと推定し、また、空間識失調に陥ったと考えられることについては、夜間で降雨のある中飛行視程が低下し、航空機の姿勢保持の基準となる地上目標を見失ったこと、及びロビンソン式R44型機固有の特性である敏感な操縦特性に起因する機体の動きが関与したものと考えられるとしており、同社に対する同種事例の再発防止のための対策についての所見を述べている。
有視界飛行方式において飛行視程が低下した場合等における安全確保については、これまでも、防止策、運航手順の遵守、安全意識の徹底等を行うよう指導を行なってきているところであるが、改めて、下記事項に留意し、同種事故の再発防止に万全を期するよう、貴会傘下の回転翼航空機関係事業者に対し周知徹底されたい。

 


 

(1) 有視界気象状態での飛行の継続及び安全な飛行の継続が困難になる恐れが予想され、出発地又は代替飛行場に着陸することが困難と判断した場合には速やかに予防着陸を実施すること。


(2) 視程不良時の経路及び予防着陸地点を含む飛行要領について常に適切なものとするよう必要に応じ見直しすること。



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