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記者発表


 改正海岸法(昭和31年法律第101号)第2条の2の規定に基づき策定される海岸保全区域等に係る海岸の保全に関する基本的な方針(海岸保全基本方針)に定めるべき事項等について、次のとおり提言する。

 我が国は、四方を海に囲まれ、入り組んだ複雑な海岸線を有することから、海岸の延長は極めて長く約35,000kmに及ぶ。また、国土狭隘で平野部が限られている我が国では、海岸の背後に、人口、資産、社会資本等が集積している。

 我が国の海岸は、地震や台風、冬期風浪等の厳しい自然条件にさらされており、津波、高潮、波浪による災害や海岸侵食などに対して脆弱性を有している。このため、海岸の背後に集中している人命や財産を災害から守るとともに国土の保全を図るため海岸整備が進められてきた。

 また、海岸は、単なる陸域と海域との境界というだけでなく、それらが相接する特色ある空間であり、多様な生物が生息・生育する貴重な場であるとともに、美しい砂浜や荒々しい岩礁等の独特の自然景観を有し、我が国の文化・歴史・風土を形成してきた。しかし、沿岸部の開発等に伴い自然海岸が減少してきている。

 一方、海岸は古くから漁業の場や港としての利用がなされるとともに、干拓による農地の開発等も多く行われ、生産や輸送のための空間としての役割を果たしてきた。さらに近年では、レジャーやスポーツ、あるいは様々な動植物とふれあう場としての役割も担ってきている。

 このような中で、防災面では施設の整備水準は未だ低く、津波、高潮、波浪により依然として多くの被害が発生しており、加えて、施設の機能低下や施設の老朽化も進んでいる。また、海岸に供給される土砂の減少や海岸部での土砂収支の不均衡等の様々な要因により海岸侵食が進行してきている。さらに、海岸の汚損や海浜への車の乗り入れなど無秩序な行為や適正でない行為等により、美しく、豊かな海岸環境が損なわれている。

 社会の成熟化に伴う価値観の多様化や少子化・高齢化などが進む中で、今後海岸は、災害に対する安全の一層の向上と良好な海岸環境の整備と保全が図られ、さらに、人々の多様な利用が適正に行われる空間となることが求められている。

 海岸保全基本方針は、このような認識の下、今後の海岸の望ましい姿の実現に向けた海岸の保全に関する基本的な事項を示すものとする。


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