1.概要
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平成12年3月15日(12:30〜14:30)に、第1回「高潮防災情報等のあり方研究会」(座長:河田惠昭京都大学巨大災害研究センター所長)が開催された。 |
出席者: |
河田惠昭座長、伊藤和明委員、滝川清委員、加納和輝委員、
野田順康委員、山本晶三委員、田中潤兒委員、橋立洋一委員、
白木正規委員、小林一朗委員、丸山浩司委員 |
1)研究会の運営について
2)高潮防災情報等の強化における課題・問題点について
3)高潮防災知識の共有・啓発のための情報提供について
2.各委員からの意見
議題の全般にわたり各委員から出された主な意見は、以下のとおりである。
- 大規模な自然災害から人命を守るには、施設整備(ハード)と警戒・避難体制(ソフト)両面の施策の連携が必要。
- 完全に防護する「防災」から、災害を軽減する「減災」へ発想を転換すべき。
- 高潮防災対策は、事前の対応と発生時の対応を適切に行うことが重要
- 施設整備が完了すると、自治体も住民も安全と過信してしまう傾向があるが、ハードによる対策にも限界があることを理解すべき。
- 行政が行う施設整備での対応の限界を明らかにし、防災教育、避難訓練等住民と一体となって対策の充実を図るべき。
- 海岸線だけでなく河口部等を含めた沿岸部全体の高潮対策が必要。
- 高潮対策については、津波対策との共通点もあるので、現場で使いやすいものとなるようにマニュアルなどを取りまとめていくべき。
- 防災に関する情報は、関係行政機関で共有することが必要。
- 防災に関する情報は、行政と住民の相互で共有することが必要。
- 防災情報は、簡潔・明瞭・平易ということが大切。
- 防災情報や警報を住民がどのように受け止めるかが問題。特に危険な場合の気象情報としては、短時間大雨情報のような具体性のある「特別の情報」が出せないか。
- 高潮の予測精度は相当高くなっているが、地域によっては高波の影響が大きい箇所もあり、高波の予測は高潮に比べ難しい面がある。予測の現状の精度を踏まえて対応を進めるべき。
- 知識共有のための情報提供に当たっては、受け手側に理解されやすいものであることが重要。
- 大きな被害の発生する地域は、程度の差はあっても、必ず同種の災害を経験している。地域における過去の被災履歴を調査し、住民にも周知していくことが必要。
- 避難勧告についてもきちんとした勧告基準をもつことが必要。また、自治体が勧告を出すことを躊躇することがあるが、そのような要因を取り除くべき。
- (1)害発生メカニズムに対する理解、(2)地域ごとの災害に対する弱点(物理的・社会的)の把握、(3)施設整備(ハード)、警戒・避難体制(ソフト)の役割分担の3点が重要。これらについて、行政が必要な情報を常に提出し、それが住民意識の中で継続される仕組みをつくることが必要。
3.今後の予定
第2回の研究会を本年4月に開催する予定である。今回の研究会の意見を踏まえ,具体の検討課題について検討を推進する。
問い合わせ先
建設省河川局海岸室
建設専門官 高野 匡裕 03-3580-4311(内線3384)
国土庁防災局防災調整課
課長補佐 加治屋 強 03-3593-3311(内線7252)
農林水産省構造改善局建設部防災課
課長補佐 清原 拓治 03-3502-8111(内線3924)
水産庁漁港部防災海岸課
課長補佐 間辺 本文 03-3502-8111(内線7293)
運輸省港湾局海岸・防災課
補佐官 村岡 猛 03-3580-3111(内線7444)
気象庁予報部予報課
防災気象官 中村 健次 03-3212-8341(内線3126)
消防庁防災課
課長補佐 萩原 大 03-5574-7111(内線6511)
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