本年9月11日から12日にかけて、名古屋市及びその周辺地域は記録的な集中豪雨(以下、「東海豪雨」という。)に見舞われ、都市機能が麻痺する甚大な被害が生じた。
記録的な集中豪雨は過去にも発生しており、今後とも同様な集中豪雨がどこかで発生することは避けられない。東海豪雨が特徴的であったのは、それが都市機能が集積した大都市を襲ったことである。この結果、東海豪雨は河川、下水道整備の進捗、都市化の進展等に伴い水災に対する危機意識が薄らいでいる中で、その脅威を改めて認識させるものであった。
都市型水害緊急検討委員会は、この水災を市街化が進展した都市地域における水害の典型的事例として捉え、今回の水災で改めて明らかになったことを点検、検証し、その教訓を名古屋地域のみならず東京、大阪等の都市地域の都市型水害対策の充実に生かすことを目的として、9月21日に発足したものである。
本委員会は、水災対策の緊急性に鑑み、まず、当面緊急に点検、実施すべき事項についての緊急提言(第一次提言)をとりまとめ、去る10月4日に提出、公表したところである。
さらに、引き続き、本水災の教訓を踏まえ、河川、下水道等の計画や管理、水災時の情報伝達、意志疎通等の諸課題について大都市地域の水災対策の現状を踏まえた分析、検討を行った。
わが国の都市地域における都市型水害を未然に防止するとともに被害の軽減を図るため、本委員会は、第一次提言内容に加えて、今後さらに検討を加え推進すべき事項を示した以下の内容について、関係機関が連携、協力して実現に努力するよう提言する。