(別紙 1)
【渇水状況報告 6月23日現在】
中部地方から九州地方にかけては、4、5月の降雨が平年の半分程度であった地域が多く、6月に入っても少雨傾向が続いているため、河川の流量が低下しています。このため、6月23日現在、全国の1級水系109水系のうち、14水系で取水制限が実施されています。
【新たな取水制限の開始等】
- 静岡県の大井川では、河川の流量が減少しているため、21日より取水制限を開始しました。
- 静岡県の天竜川では、河川の流量が減少しているため、21日より取水制限率を強化しました。
- 愛媛県の石手川では、石手川ダムの貯水率が概ね70%に低下したため、21日より取水制限を開始しました。
- 岐阜県の揖斐川では、横山ダムの貯水率が20%台に低下しているため、22日より取水制限を開始しました。
- 四国の吉野川では、早明浦ダムの貯水率が概ね45%に低下したため、22日より取水制限を強化しました。
- 高知県の仁淀川では、大渡ダムの貯水率が40%台に低下したため、21日より取水制限を開始しました。
- 大分県の山国川では、耶馬渓ダムの貯水率が概ね60%に低下したため、22日より取水制限を開始しました。
【渇水の影響】
農業用水
水田に水を取り入れることを順番制(番水)にしたり、水路で水位が低下している所ではポンプを使用したりするなどの対応がなされています。
水道用水
地下水や他の水源からの供給割合を増やすなどの措置がとられています。
工業用水
製品の品質に影響が出ない範囲で冷却水や洗浄水の使用水量を減らしたり、回収率(再利用)の増加などが行われています。
特に、徳島県の那賀川では、4月26日から取水制限が行われていますが、徳島県管理の長安口ダムからの補給が6月11日頃から困難となり、現在、長安口ダム下流に位置する川口ダム(発電用)の最低水位以下の貯留水を緊急的に活用しています。現在、農業用水と工業用水で60%の取水制限が行われていますが、那賀川下流の阿南市及び小松島市の製紙工場などで生産調整や生産品目の変更などの被害が出ています。このまま降雨の無い状態が続くと、川口ダムの最低水位以下の貯留水もあと2,3日で使い切り、那賀川の河川流量が大幅に減少することとなります。この場合、農業用水、工業用水とも現在の取水量を確保することが困難になり、農作物の生育不良や工場の操業停止など、被害の増大が予想され、社会経済上も大きな影響が懸念されます。
【今後の見込み】
今後、仮に降雨の少ない状況が続き、ダムからの補給をこれまでと同じペースで実施した場合、四国の早明浦ダム、鳥取県の菅沢ダムなど複数のダムにおいて、1ヶ月内に貯水量が無くなる可能性があります。
【用語の説明等】
取水制限
少雨が長期化すると河川の流量が少なくなることから、農業用水、水道用水、工業用水として利用するため、上流のダムより水量の補給を行います。ダムの貯水量が大幅に低下し、十分な水量の補給を継続することが難しい河川では、河川からの取水を減ずる措置が取られます。
貯水率
農業用水、上水道用水、工業用水のために用意された容量(利水容量)に対する現在の貯水量の割合を示したもの。
残存日数 (別紙2で示しているもの)
前の週と同じペースでダムからの補給を行った場合の残りの補給可能日数を目安として示したもの。降雨状況によって変動します。
|