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河川局

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記者発表

庄内川等5水系に係る河川整備基本方針の策定について
<庄内川等5水系の河川整備基本方針の概要>


河川整備基本方針は、各水系における治水、利水、河川環境等の河川管理の長期的な方針を、総合的に定めるものである。その内容には、工事実施基本計画で記載されていなかった河川環境の整備と保全や維持管理等に関する方針も明らかにしているとともに、計画規模を超える洪水や整備途上段階での洪水による被害の軽減についても記載している。


 治水計画の基本事項でもある基準地点における基本高水のピーク流量、計画高水流量は、常願寺川、紀の川、吉野川については、最新データも加えてその内容を検証した結果、既定計画を踏襲することとしている。庄内川については平成12年の東海豪雨を受けて既定計画を見直しすることとし、沙流川については平成11年の河川整備基本方針の策定後、平成15年8月に計画を上回る洪水が発生し、これを踏まえて今回改定(変更)を行う。


 流水の正常な機能を維持するため必要な流量については、庄内川、紀の川、常願寺川については、既定計画では定められていなかったものを新たな検討を行い記載している。吉野川については利水の現況、動植物の保護等を考慮し改定を行う。沙流川については最新データも加えてその内容を検証し、既定計画を踏襲している。


 5水系の河川整備基本方針の主な特徴的内容は次のとおりである。


○庄内川
 庄内川は、上流部は盆地と渓谷が連続し、下流部は名古屋市をはじめとする稠密な市街地を抱える地域を流れる河川であり、平成12年には東海豪雨により、流域の広範囲にわたり、被災家屋34,049棟、水害区域面積10,487haの甚大な被害が発生している。
 この東海豪雨を踏まえ、治水計画を見直し、枇杷島地点における基本高水のピーク流量を、4,500m3/sから4,700m3/s に改定する。また、都市部を貫流し、高水敷きの利用が盛んであることに加え、自然環境も残されていることから、環境にも配慮した河道掘削、堤防の拡築等の河道計画を行うこととし、さらに、新川については、流域の関係機関と連携し、総合的な治水対策を進める。
 また、計画規模を上回る洪水等が発生した場合でも、特に本川下流部に甚大な被害ができるだけ発生しないよう、整備を下流から進める等適切な河川整備を行う。


○沙流川
 沙流川は、平成11年12月に河川整備基本方針を策定したが、平成15年の観測史上最大の降雨により、既定計画の基本高水のピーク流量を大きく越える大洪水が発生し多大な被害が発生したことから、今回治水計画を見直す。見直しにあたっては、沿川地域を洪水から防御するため、基本高水のピーク流量の見直しを行い、平取地点において5,400m3/sから6,600m3/sにし、洪水調節施設や堤防の整備、河道掘削等の治水対策を実施する。また、地域と連携しながら、歴史・文化の継承に配慮すると共に、生物の生息・生育環境の保全に努める。


○紀の川
 紀の川は、日本有数の多雨地帯である大台ヶ原を源流とし、上中流部は比較的急勾配である一方、下流部は沖積平野が形成され緩勾配となり流域内人口の半数が集中する和歌山市の市街地が広がっていることなどから、過去に大規模な水害による被害が発生している河川である。
 沿川地域を水害から防御するために、洪水調節施設や堤防の新設、拡築及び河道掘削等を実施するほか、流下阻害の一因となっている取水堰の改築については関係機関と調整、連携を図りながら適切に実施する。また東南海・南海地震防災対策推進地域に指定されていることから、堤防の耐震対策等の地震津波対策を講ずる。
 紀の川と流域の人々との歴史的文化的なつながりを踏まえ、多様な自然と良好な河川景観を次世代に引き継ぐよう努める。このための河川環境の整備と保全が適切に行われるよう、空間管理等の目標を定め、地域と連携しながら施策を推進する。


○常願寺川
 常願寺川は、我が国屈指の急流河川であり土砂流出の激しい河川である。また、富山市の扇状地を流下することから、ひとたび氾濫すると被害が広範囲におよぶ特性をもつ。砂防事業による土砂流出の調整と併せて、急流河川特有の流水の強大なエネルギーにより引き起こされる洗掘や侵食から洪水氾濫を防ぐため、護岸の根継ぎや前腹付け等による堤防強化を実施するとともに、堤防の整備等を行う。あわせて、上流からの土砂供給や河道の堆積状況等を監視・把握し適切な維持管理を行う。 また、「暴れ川」との闘いの歴史遺産でもある各種治水施設等を含めて、常願寺川自体を自然とのふれあいの場や歴史・文化の学習の場として活用していく。


○吉野川
 四国4県にまたがり、四国の背骨に位置する吉野川流域は台風の常襲地域であり、過去から甚大な洪水被害を多く経験している。古くは寅の水(1866)、大正元年9月洪水等の歴史的洪水を受け、洪水に関わる数多くの遺跡が残っている。近年でも昭和49年9月や平成16年10月の洪水では中流域の無堤部での外水氾濫、下流部の平野の広範囲にわたる内水氾濫等甚大な被害が発生している。また水利用としては四国4県で利用され、四国の社会経済活動を支える重要な水源となっている。
 このような状況を踏まえ、災害の発生の防止として、環境の保全にも配慮しながら築堤、掘削等の必要な対策を行うとともに、既存の洪水調節施設の有効活用も図りつつ、計画規模の洪水を安全に流下させる。さらに、良好な河川環境や河川景観の保全に努めるとともに、各種用水の安定的な取水を可能にするとともに流水の正常な機能を維持するため、関係機関と調整しながら、広域的且つ合理的な水利用の促進を図る。


(参照) 河川局ホームページ https://www.mlit.go.jp/river/basic_info/jigyo_keikaku/gaiyou/seibi/index.html


庄内川水系河川整備基本方針      PDFファイル(472KB)
   沙流川水系河川整備基本方針      PDFファイル(381KB)
   紀の川水系河川整備基本方針      PDFファイル(445KB)
   常願寺川水系河川整備基本方針   PDFファイル(493KB)
   吉野川水系河川整備基本方針      PDFファイル(562KB)



(参考)
○河川法(昭和39年法律第167号)(抄)
(河川整備基本方針)

第16条  河川管理者は、その管理する河川について、計画高水流量その他当該河川の河川工事及び河川の維持(次条において「河川の整備」という。)についての基本となるべき方針に関する事項(以下「河川整備基本方針」という。)を定めておかなければならない。
2 (略)
3 国土交通大臣は、河川整備基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、社会資本整備審議会の意見を聴かなければならない。
4〜6 (略)



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