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河川審議会について


5.健全な水循環系の構築に向けての課題

 水循環の健全化をさらに進めるにあたって、水に関する政策の一元化や住民、事業者を含めた社会全体の取り組みが重要であり、以下のような中長期的課題について検討を進めていく必要がある。

(1)国土の利用・整備に関する制度の充実

     水多消費型社会を前提とした右肩上がりの経済成長を支える国土づくりから、水循環系の限界性を念頭においた土地や水の利用、ひいては、国土の再構築が求められる時代となっているため、健全な水循環系の再生といった観点から、国土の利用・整備の基本となる法制度も含めて抜本的な対応方策を検討していかなければならない。

     また、水循環再生会議の機能や水循環マスタープランの実効性を高めるため、規制・誘導策といった制度の検討を行っていく必要がある。

(2)水政策調整機能の強化と地下水の公共性の確保

     水循環の健全化を図るためには、河川、下水道、上水、工水、農水等の水に関係する行政機関が一体となって、統合的なビジョンの下に各種の施策を実施していくことが不可欠である。

     このため、政策調整機能を強化し、水に関する政策の一元化を行うシステムを構築する必要がある。

     一方、現在のところ地下水を管理する法律は存在していないが、水循環の健全化を図るためには、地表水と地下水との一体的な管理が必要であり、地下水の公共性を確保する法制度についても検討していく必要がある。

(3)経済原理を取り入れた誘導策

     健全な水循環を構築していくためには、行政と国民がそれぞれ応分の責任を負うという認識のもとに、住民や事業者の主体的な取り組みを促進することが不可欠となる。

     しかしながら、これまでの住民や事業者に対する誘導策や行為規制には限界があり、河川、地下水等の水資源を適正に利用したり、排水の水質改善を誘導する方策、例えば、渇水時に遊休水利権等を買い取り、危機的水不足が発生している利水者に売る米国カリフォルニア州の水銀行制度、環境水域に直接排水する者から汚染単位に対して課徴金を徴収するドイツの排水課徴金制度等の経済原理を取り入れた誘導策等の導入について、わが国の水事情を踏まえ検討する必要がある。






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