水管理・国土保全

  

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地域と木曽川・長良川・揖斐川

地域の中の木曽三川

木曽三川は寝覚の床や飛水峡、恵那峡、養老の滝などに代表される景勝地に恵まれている他、鵜飼いや花火大会、また、環境省選定の水浴場88選唯一の河川の水浴場を持つなど、すぐれた自然環境や歴史的文化遺産を活かし、様々な利用がなされています。


名勝
木曽川では、飛騨木曽川国定公園の中にあり東洋のライン川という意味で日本ラインと呼ばれています。
 また、木曽三川は景勝地にも大変恵まれており、巨大な花崗岩が木曽川の激流に刻まれてできた自然の彫刻であり、浦島太郎が竜宮城から帰った後美しい景色が気に入り、そこに住み、玉手箱を開けたとの伝説のある名勝史跡天然記念物の木曽川の寝覚の床や、国の天然記念物に指定されている日本最大級の甌穴群を有する飛水峡、奇岩怪石からなる恵那峡、名水百選にも選ばれ老を養う若変り水としての不思議な水にまつわる伝説を有する養老の滝などがあります。


日本ライン


寝覚の床 ≪提供:上松町観光協会≫


長良川は、豊富なアユ資源に恵まれ、我が国唯一の宮内庁職員としての鵜匠による鵜飼いが行われています。また、自然景観や水質に優れており、中流域(美濃市、関市、岐阜市)は、環境省選定の名水百選に選ばれ、清流長良川に育まれた美濃和紙づくりは1300年の伝統を持ち、国の無形文化財に指定されています。さらに、2015年には「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されています。岐阜市においては、環境省選定の水浴場88選唯一の河川の水浴場にも選ばれています。岐阜市長良川の花火大会は、2週連続して2回行われ、全国から見物客が集まる程、規模も大きく、風情があります。他にもイベントが数多く行われ、多くの市民や観光客に親しまれています。
 揖斐川では、河川の一定水域を竹材などを用いて遮断しそこに落ちる鮎を捕獲する漁法のヤナが観光として盛んに行われ、鮎をつかまえる子どもなど観光客で賑わっています。


長良川の水浴場 ≪提供:岐阜市≫


ヤナ ≪提供:岐阜・長良川治水推進会議≫

憩い
下流域では、明治改修によって分流された木曽川と長良川の背割堤に、約12kmもの間、桜や松並木が続き、サイクリングやハイキングには絶好の場所となっています。また、長良川と揖斐川の背割堤の最上流端には、宝暦治水工事の完成直後に薩摩藩士が植えたと伝えられている千本松原があり、これが成長して今では樹齢250年を超える松林となっており、歴史を感じることができます。
 明治改修によって分断された木曽川と長良川、揖斐川の船運路確保のために建設された船頭平閘門は、現在でもその機能を維持しつつ、桜をはじめ四季おりおりに花木の茂る周辺は憩いの場として多くの人に親しまれており、敷地内には、川に関する勉強の場として木曽川文庫が開設され、主に木曽三川に関する各分野の図書、研究論文等の収集保存を図り、一般の方々に利用されています。また、沿川の市町村には、それぞれ、木曽三川下流に住む人々の水との闘いをかたる輪中の郷(長島町)、歴史民族資料館(海津市)、砂防遊学館(海津市)等があり、水郷の歴史と文化をたどることができます。


千本松原


船頭平閘門

学ぶ
国営木曽三川公園は、日本で2箇所しかない河川空間を活用した国営公園であり、国営公園としては、我が国最大の動員客数を誇っています。また、国営公園面積も我が国最大であり、その中にある河川環境楽園は、世界有数の実験水路を持つ自然共生研究センターや世界淡水魚園水族館、水辺共生体験館など、河川環境を学び保全していく上で、なくてはならない施設に発展し続けています。
 また、長良川河口堰により生み出された広大で安定した静かな水面では2005年に「FISA世界ボート選手権大会」がヨーロッパ以外の地域において初めて開催された他、公園内にある長良川サービスセンターに申し込めばボートやカヌーの練習、体験も可能です。


河川環境楽園


2005世界ボート選手権

利水
木曽川水系の水は、古くから広大な濃尾平野等へのかんがい用水や水力発電に利用されるとともに、流域内はもとより、中京圏域への上水道用水及び工業用水として供給されています。水利用の大半を占める木曽三川中・下流部のかんがい用水は肥沃な濃尾平野に用水路を築造することによって利用されてきました。
 濃尾用水は、約400年前に大規模な農業用水として完成し、関係市町村が2県13市20町村に及ぶ木曽川両岸の広大な地域の農地16,700ha余りを対象としたものです。
 名古屋市は、大正3年木曽川左岸に上水道水源を求め給水を開始しました。これは、当時の年間予算の2倍の費用をかけ、自流取水の水源を確保し、その後、名古屋市の都市化の進展につれ拡張を重ね、昭和14年には尾西市に新たな水源を追加するなど、木曽川は名古屋市をはじめ尾張地域の貴重な上水道水源となっています。また、その水質の良さ、水量の安定性は、現在の政令指定都市では他に例を見ません。





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