水管理・国土保全

  

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地域と由良川

特異な流域構成

中流域の福知山盆地に市街地が展開するという特異な流域構成が住民に川や自然への親近感をもたせています。漁業の生産の場や、農業用水や上水の水源としてかけがえのない存在となっております。



(福知山市街地)




地域社会とのつながり
『由良の門を わたる舟人 梶をたえ 行方を知らぬ 恋の道かな』
小倉百人一首に収められているこの歌は、これまで人々に最も親しまれた由良川の歌の1つといえます。

流域の人々は古来より、由良川の水を田に引く工夫を重ね、川面に魚影を求めてきました。また、由良川を渡り、人や物が上り下りしていました。そして、由良川の恵みに感謝し、水禍の無事を祈ってきました。さらに、由良川の四季の風情に詩歌をつくり川を通じて情感を高めてきました。


(日本海に注ぐ由良川)


(由良の門;舞鶴市)

三段池公園
ため池も大きなものが古くから築造され、福知山市の三段池のように周辺が公園化され、市民の憩いの場となっているものもあります。

上流の渓谷は河水を貯留するのに適しており、発電や治水を目的にした3基のダムが造られています。美山町樫原の大野ダム(最大出力11,000kW)、和知町小畑の和知ダム(同5,700kW)、綾部市戸奈瀬町の戸奈瀬ダム(同4,900kW、別称・由良川ダム)です。大野ダムは洪水調節・発電を目的として、昭和36年(1961)竣工された多目的ダムで由良川最上流に位置します。


(三段池;福知山市)




由良川とサケ

流域にはサケを神の使いとする神社があり、サケが由良川にとって重要な魚であったことが分かります。流域内の和知町は京都府屈指のアユ産地として知られており、陶芸家であり料理道を極めた北大路魯山人も賞賛したと言われています。かつては『やな漁』と呼ばれる、杭に簀の子(やな)を斜めに敷き詰め、流れ落ちてきた魚を簀の子で受けとめる漁をしていました。


(観光やな漁;綾部市)


(大雲川筋鮭簗ノ略図;『由良川歴史散歩』)



堤防を祀る文化

福知山市の自治会長らから発足した堤防愛護会では、昭和6年(1931)から、治水事業の発展と堤防の愛護と感謝の念から毎年8月に『堤防まつり』を行っています。昭和59年にはその活動のより所として、福知山市御霊神社境内に全国唯一の『堤防神社』を建立し、水禍からの無事を祈願しています。


(堤防まつり;福知山市)


(全国で唯一の堤防神社;福知山市)




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