第2章 広域的・国際的な交通ネットワークの構築と観光交流の促進

 交通ネットワークの構築は国土交通行政の重要な責務の1つである。第I部でみてたように、20世紀における国土交通行政の取組みにより我が国の交通ネットワークは着実に整備されてきたが、残された課題も多い。国内の広域的な交通については、大都市圏を中心としてボトルネックが存在し、また、地方部の幹線ネットワークの連続性が不十分であるなど、いまだ整備が十分であるとはいえない。国際的な交通については、グローバル化の進展に伴う旅客需要の増大や高度な物流ニーズに対応しきれない状況であり、日本がグローバル社会の中で然るべき地位を確保するためには国際的な交流基盤の充実を図ることが不可欠である。さらに、現状では異なる交通機関の連携は不十分であり、今後は国内・国際ネットワークがスムーズに接続された効率的な交通体系を構築していく必要がある。最後に、市民レベルの国際交流である観光においても、日本人海外旅行者の増大に比べて外国人旅行者が伸び悩むといったアンバランス等が問題になっている。

 本章では、第1節において国内の広域的な交通ネットワークの構築、第2節で国際的な交通ネットワークの構築についてそれぞれ述べ、第3節で複数の交通機関の連携強化について記述する。さらに、第4節において観光交流の促進について述べる。

 

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