第3節 良好な景観形成等美しい国づくり

第3節 良好な景観形成等美しい国づくり

■1 良好な景観の形成

(1)景観法等を活用したまちづくりの推進
 「景観法」に基づく景観行政団体は平成28年3月末時点で681団体に増加し、景観計画は523団体で策定されるなど、良好な景観形成の取組みが推進されている。また、景観行政団体となることで都道府県事務である屋外広告物法に基づく条例制定を行った市町村は、28年10月1日時点で85団体に増加し、総合的な景観まちづくりが進められている。

(2)社会資本整備における景観検討の取組み
 景観に配慮した社会資本整備を進めるため、地域住民や学識経験者等の多様な意見を聴取しつつ、事業後の景観の予測・評価を行い、事業案に反映させる取組みを推進している。

(3)無電柱化の推進
 良好な景観の形成や観光振興、安全で快適な通行空間の確保、道路の防災性の向上等の観点から、道路の新設又は拡幅を行う際に同時整備を推進するとともに、低コスト手法の導入に向けたモデル施工等を実施し無電柱化を推進している。
 また、平成28年12月に「無電柱化の推進に関する法律」が成立・施行した。
 
図表II-3-3-1 欧米主要都市等と日本の電線地中化の現状
図表II-3-3-1 欧米主要都市等と日本の電線地中化の現状
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(4)「日本風景街道」の推進
 多様な主体による協働の下、道を舞台に、地域資源を活かした修景・緑化を進め、観光立国の実現や地域の活性化に寄与することを目的に「日本風景街道」を推進している。平成29年3月末現在138ルートが日本風景街道として登録されており、「道の駅」との連携を図りつつ、道路を活用した美しい景観形成や地域の魅力向上に資する活動を支援している。

(5)水辺空間等の整備の推進
 河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境及び多様な河川景観を保全・創出するための「多自然川づくり」をすべての川づくりにおいて推進している。河口から水源地まで河川とそれにつながるまちを活性化するため、地域の景観、歴史、文化及び観光基盤などの「資源」や地域の創意に富んだ「知恵」を活かし、市町村、民間事業者及び地元住民と河川管理者の連携の下、「かわまちづくり」計画を作成し、河川空間とまち空間が融合した良好な空間の形成を推進している。具体的には、良好な河川環境を保全・復元及び創出する「総合水系環境整備事業」や河川空間をオープン化する「河川敷地占用許可準則の特例措置」、ダムを活用した水源地域活性化を図る「水源地域ビジョン」、広く一般に向けて川の価値を見いだす機会を提供する「ミズベリングプロジェクト」等により支援している。
 また、公共下水道雨水渠等の空間を活用したせせらぎ水路の整備や下水処理水をせせらぎ用水として活用するための施設整備等を推進し、水辺の再生・創出に取り組んでいる。さらに、汚水処理の適切な実施により、良好な水環境を保全・創出している。


注 都道府県、政令指定都市、中核市又は都道府県知事とあらかじめ協議した上で、景観行政事務(景観法第2章第1節第4節第4章及び第5章の規定に基づく事務)を処理する市町村をいう。


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