事業者が取り組む安全対策

自動車の点検及び整備に関する手引き

1 はじめに

我が国における自動車保有台数は約7,900万台に達し、まさに日々の生活と社会・経済活動に欠くことのできないものとなっています。また、近年、自動車は電子制御を用いた新技術の採用により益々高度化しており、より便利なものになっております。一方、交通事故や環境問題は依然として大きな社会問題になっており、安全で環境負荷の小さい車社会の確立が求められているところです。

自動車は数多くの様々な部品で構成された機械であるため、使用に伴い、また時間の経過によって劣化・摩耗が進み、その構造や装置の性能が低下しますので、点検整備を怠れば、故障や排出ガスの増加、燃料の浪費等を招きかねません。例えば、タイヤの空気圧が不足すれば安全上のトラブルを引き起こすおそれがあるだけでなく、燃費の悪化にもつながります。自動車を常に良好な状態で使用するためには、ユーザーの皆さんが責任をもって常日頃から自動車の状態を把握し、適切に維持することが重要です。

点検整備の実施に当たり、ユーザーの皆さんは自動車の使用状況(走行距離や悪路、雪道などの使用環境)や構造・装置の種類に応じて、自動車メーカーなどが公表している点検整備の情報(自動車に備え付けられているいわゆるメンテナンスノートなど)を参考とし、必要があれば専門的な知識を有する技術者に相談するなどにより、各々の自動車にふさわしい適切な点検整備を実施することが求められています。また、点検整備に伴って不要となる使用済みバッテリー、廃タイヤなどの廃棄物については、それらの処理が可能な事業者に依頼するなど適正に処理することも必要です。

この手引は、ユーザーの皆さん一人一人が自動車の点検整備についての理解を深め、使用する自動車に対して責任をもって「日常点検整備」及び「定期点検整備」を確実かつ適切に実施していただけるよう、一般的な自動車についてその標準的な使用を前提とした「日常点検」及び「定期点検」の実施方法並びにこれらの点検に伴い必要となる整備の実施方法の指針を示したものです。

今世紀にふさわしい、安全で環境負荷の小さい車社会が形成されるよう、ユーザーの皆さんがこの手引を積極的に活用され、自動車を安全かつ快適に使用することが期待されます。

(注)

  1. この「手引」の中で用いる「日常点検」と「定期点検」の内容については、平成19年4月1日から施行される改正後の自動車点検基準(昭和26年運輸省令第70号)の定めるところによっています。
  2. この「手引」の中で用いる「大型車」とは、車両総重量8トン以上又は乗車定員30人以上の自動車をいいます。
  3. この「手引」の中で用いる「レンタカー」とは、道路運送法第80条第1項の規定による有償貸渡しの許可を受けた自家用自動車をいいます。
  4. この「手引」の中で用いる自動車の区分(「自家用乗用など」、「自家用貨物など」、「事業用など」)の意味は次のとおりです。
対象となる主な自動車 自動車登録番号標又は車両番号標(例)
分類番号 塗色など
自家用乗用など 自家用乗用自動車 3、30〜39、300〜399、5、50〜59、500〜599、7、70〜79、700〜799 白地に緑文字又は黄地に黒文字
貨物の運送の用に供する自家用の検査対象軽自動車 40〜49 黄地に黒文字
特種の用途に供する自家用の検査対象軽自動車 80〜89 黄地に黒文字
貨物軽自動車運送事業の用に供する検査対象軽自動車 40〜49 黒地に黄文字
二輪の小型自動車    
二輪の軽自動車    
自家用貨物など 車両総重量が8トン未満の貨物の運送の用に供する自家用の普通自動車及小型自動車 1、10〜19、100〜199、4、40〜49、400〜499、6、60〜69、600〜699 白地に緑文字
乗車定員が10人以下の専ら幼児の運送を目的とする自家用の普通自動車、小型自動車 3、30〜39、300〜399、5、50〜59、500〜599、7、70〜79、700〜799 白地に緑文字
乗車定員が10人以下で車両総重量が8トン未満の特種の用途に供する自家用の普通自動車、小型自動車 8、80〜89、800〜899 白地に緑文字
乗車定員が10人以下で車両総重量が8トン未満の自家用の大型特殊自動車 9、90〜99、900〜999、0、00〜09、000〜099 白地に緑文字
乗車定員が10人以下の乗用の普通自動車、小型自動車及び検査対象軽自動車であるレンタカー 3、30〜39、300〜399、5、50〜59、500〜599、7、70〜79、700〜799 白地に緑文字又は黄地に黒文字であって、平仮名文字が「れ」、「わ」のもの
貨物の運送の用に供する検査対象軽自動車であるレンタカー 40〜49 黄地に黒文字であって、平仮名文字が「わ」のもの
事業用など 自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く。)の用に供する自動車   緑地に白文字
貨物の運送の用に供する普通自動車及び小型自動車であるレンタカー 1、10〜19、100〜199、4、40〜49、400〜499、6、60〜69、600〜699 白地に緑文字であって、平仮名文字が「れ」、「わ」のもの
乗車定員が11人以上の自家用自動車(いわゆる自家用のバスなど) 2、20〜29、200〜299、8、80〜89、800〜899 白地に緑文字
乗車定員が10人以下で車両総重量が8トン以上の自家用自動車(いわゆる自家用の大型貨物自動車など) 1、10〜19、100〜199、8、80〜89、800〜899、9、90〜99、900〜999、0、00〜09、000〜099 白地に緑文字
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2 日常点検の実施の方法

日常点検は、ユーザーの皆さんが、日頃自動車を使用していく中で、自分自身の責任において行う点検です。この点検は、ユーザーの皆さん自身が運転席にすわったり、エンジン・ルームをのぞいたり、また、自動車の周りを回りながら自動車の状態をみることによって容易に実施可能なものを中心としています。

「自家用乗用など」に分類される自動車のユーザーの皆さんは、走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に、例えば、行楽や帰省などの高速道路を利用した長距離走行の前や、洗車・給油を行うときなどを一つの目安に実施することが必要です。なお、全ての点検項目をまとめて実施する必要はありません。タイヤの点検などは機会あるごとに行うのがよく、使用期間の長いバッテリーなども注意を払うのがよいでしょう。

また、「自家用貨物車など」と「事業用など」に分類される自動車については、一日一回、その運行の前に実施することが必要です。『これは大型トラックやバス、タクシーなどの自動車は、多くの人や物を運搬し、公共性が高いことなどから、より確実な点検を実施していただくためのものです。』特に安全上重要な装置であるタイヤ、ブレーキ等に関しては、大型車を対象として、機構に応じたより丁寧な点検を適切な時期に実施することが必要です。

ここでは、以上の点を踏まえて標準的な点検の実施の方法について説明しています。

点検箇所 点検項目 点検の実施の方法
運行中の異状箇所 当該箇所の異状
  • 前日又は前回の運行中に異状を認めた箇所について、運行に支障がないかを点検します。
運転席での点検 ブレーキ・ペダル 踏みしろ、ブレーキのきき
  • エンジンをかけた状態でブレーキ・ペダルをいっぱいに踏み込んだとき、床板とのすき間(踏み残りしろ)や踏みごたえが適当であるかを点検します。
    (床板とのすき間が少なくなっているときや、踏みごたえがやわらかく感じるときは、ブレーキ液の液漏れ、空気の混入によるブレーキのきき不良のおそれがあります。)
  • トラック、バスなどのエア・ブレーキが装着されている自動車にあっては、踏みしろの点検は不要です。
    なお、「車の周りからの点検」の欄を参照してください。
駐車ブレーキ・レバー(パーキング・ブレーキ・レバー) 引きしろ(踏みしろ)
  • パーキング・ブレーキ・レバーをいっぱいに引いた(踏んだ)とき、引きしろ(踏みしろ)が多すぎたり、少なすぎたりしないかを点検します。
  • トラック、バスなどにおいて用いられるホイールパーク式(空気式車輪制動型)にあっては、エンジンをかけて規定の空気圧の状態で、レバーを駐車位置まで引いたとき、レバーが固定され、空気の排出音が聞こえるかを点検します。
原動機(エンジン) ※かかり具合、異音
  • エンジンが速やかに始動し、スムーズに回転するかを点検します。また、エンジン始動時及びアイドリング状態で、異音がないかを点検します。
※低速、加速の状態
  • エンジンを暖機させた状態で、アイドリング時の回転がスムーズに続くかを点検します。
  • エンジンを徐々に加速したとき、アクセル・ペダルに引っ掛かりがないか、また、エンスト、ノッキングなどを起こすことなくスムーズに回転するかを走行するなどして点検します。
ウィンド・ウォッシャ ※噴射状態
  • ウィンド・ウォッシャ液の噴射の向き及び高さが適当かを点検します。
ワイパー ※拭(ふ)き取りの状態
  • ワイパーを作動させ、低速及び高速の各作動が不良でないかを点検します。
  • きれいに拭(ふ)き取れるかを点検します。
◎空気圧力計 空気圧力の上がり具合
  • エンジンをかけて、空気圧力の上がり具合が極端に遅くないかを点検します。また、空気圧力が空気圧力計の表示に示された範囲にあるかを点検します。
◎ブレーキ・バルブ 排気音
  • ブレーキ・ペダルを踏み込んで放した場合に、ブレーキ・バルブからの排出音が正常であるかを点検します。
エンジン・ルームの点検 ウィンド・ウォッシャ・タンク ※液量
  • ウィンド・ウォッシャ液の量が適当かを点検します。
ブレーキのリザーバ・タンク 液量
  • リザーバ・タンク内の液量が規定の範囲(MAX〜MINなど)にあるかを点検します。
バッテリ ※液量
  • バッテリ各槽の液量が規定の範囲(UPPER〜LOWERなど)にあるかを車両を揺らすなどして点検します。
ラジエータなどの冷却装置 ※水量
  • リザーバ・タンク内の冷却水の量が規定の範囲(MAX〜MINなど)にあるかを点検します。 (冷却水の量が著しく減少しているときは、ラジエータ、ラジエータ・ホースなどからの水漏れのおそれがあります。)
潤滑装置 ※エンジン・オイルの量
  • エンジン・オイルの量がオイル・レベル・ゲージにより示された範囲内にあるかを点検します。
△ファン・ベルト ※張り具合、損傷
  • ベルトの中央部を手で押し、ベルトが少したわむ程度であるかを点検します。
  • ベルトに損傷がないかを点検します。
車の周りからの点検 灯火装置、方向指示器 点灯・点滅具合、汚れ、損傷
  • エンジン・スイッチを入れ、前照灯、制動灯などの灯火装置の点灯具合や方向指示器の点滅具合が不良でないかを点検します。
  • レンズや反射器に汚れや変色、損傷などがないかを点検します。
タイヤ 空気圧
  • タイヤの接地部のたわみの状態により、空気圧が不足していないかを点検します。
    (扁平チューブレスタイヤなどのようにたわみの状態により空気圧不足が分かりにくいものや、長距離走行や高速走行を行う場合には、タイヤゲージを用いて点検します。)
□取付けの状態
  • ディスク・ホイールの取付状態について、目視により次の点検を行います。
    • ホイール・ナットの脱落、ホイール・ボルトの折損等の異状はないか。
    • ホイール・ボルト付近にさび汁が出た痕跡はないか。
    • ホイール・ナットから突出しているホイール・ボルトの長さに不揃いはないか。
  • ディスク・ホイールの取付状態について、ホイール・ボルトの折損、ホイール・ナットの緩み等がないかを点検ハンマなどを使用して点検します。
    (タイヤ交換の際には、「3 定期点検の実施の方法」の「ホイール・ナット及びホイール・ボルトの損傷」に示す方法その他の方法により点検し、タイヤ交換後、ディスク・ホイールの取付状態に適度な馴染みが生じる走行後(一般的に50〜100km走行後が最も望ましいとされています。)、トルク・レンチを用いるなどにより規定トルク(自動車製作者が定めるトルク値をいう。)でホイール・ナットを締め付けます。この場合において、JIS方式のダブル・タイヤの場合は、ホイール・ボルトの半数(1個おき)のアウター・ナットを緩めて、インナー・ナットを締め付けます。次に、緩めたアウター・ナットを締め付けます。その後、ホイール・ボルトの残りの半数のアウター・ナット及びインナー・ナットについても同様の措置を講じます。)
亀(き)裂、損傷
  • タイヤの全周に著しい亀(き)裂や損傷がないかを点検します。また、タイヤの全周にわたり、釘(くぎ)、石、その他の異物が刺さったり、かみ込んでいないかを点検します。
異状な摩耗
  • タイヤの接地面が異状に摩耗していないかを点検します。
※溝の深さ
  • 溝の深さに不足がないかをウェア・インジケータ(スリップ・サイン)などにより点検します。
◎エア・タンク タンク内の凝水
  • ドレン・コックを開いて、タンクに水がたまっていないかを点検します。
◎(ブレーキ・ペダル) ※(踏みしろ、ブレーキのきき)
  • トラック、バスなどのエア・ブレーキが装着されている自動車にあっては、運行状況により適切な時期にブレーキ・チャンバのロッドのストロークと、ブレーキ・ドラムとライニングのすき間について、次の点検を行います。
    • ブレーキ・ドラムとライニングのすき間が手動調整方式のものにあっては、規定の空気圧の状態で、ブレーキペダルを数回操作し、ブレーキ・シューを安定させた後、点検孔のあるものはシックネス・ゲージにより、また、点検孔のないものはアジャスタにより、すき間を点検します。
    • フル・エア・ブレーキが装着されている自動車にあっては、規定の空気圧の状態で補助者にブレーキ・ペダルをいっぱいに踏み込ませ、ブレーキ・チャンバのロッドのストロークが規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。

(注)

  1. ※印の点検項目は、「自家用貨物など」、「事業用など」に分類される自動車にあっても、自動車の走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に行えばよいものです。
  2. ◎印の点検箇所は、エア・ブレーキが装着されている場合に点検してください。
  3. △印の点検箇所は、「自家用乗用など」に分類される自動車にあっては、定期点検の際に実施するなどしてください。
  4. □印の点検項目は、「大型車」の場合に点検してください。
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3 定期点検の実施の方法

定期点検は、一般的な構造・装置の自動車に関し標準的な使用を前提として、定期的に行う必要のある点検を定めたものです。「自家用乗用など」に分類される自動車には、1年点検と2年点検の2種類があります。「自家用貨物など」に分類される自動車には、6月点検と12月点検の2種類が、また、「事業用など」に分類される自動車には、3月点検と12月点検の2種類があります。ここでは、標準的な点検の実施の方法を説明しています。

なお、特種な構造・装置の自動車や、走行距離が多いなど使用の状況が厳しい場合(いわゆるシビアコンディション)には、表に示されていない点検(メーカーなどが発行する点検整備の情報を参考として行う点検)が必要となります。

点検の際に、特に注意を要する事項は、次のとおりです。

  1. 安全な場所を選ぶ。
  2. ユーザー自身が定期点検のうちの一定部分を行おうとする場合には、知識、技量に見合ったものを行う。
  3. 適切な機械・工具や測定器具を使用する。
  4. 自動車をリフト・アップする場合には、適切なジャッキ、スタンド、リフトなどを使用して安全に点検を行う。(自動車に備付けの簡易なジャッキは、タイヤ交換時に使用するものです。)

注意

  1. 表中「実施方法」欄で用いている用語などの意味は、次のとおりです。
  2. 「リフト・アップなどの状態で」 ジャッキ・アップしスタンドで保持することにより、又はリフトやピットどを使用して、自動車の下部を点検しやすい状態にすることをいます。
    「スパナなどにより点検する」 スパナ、レンチ、検ハンマなどの工具を使用して点検することをいいます。
    「スケールなどにより点検する」 スケール、ノギス、ダイヤル・ゲージなどの測定器により、測定・点することをいいます。
    「規定・・・」 自動車製作者の定める方法、範囲又は値などをいいます。
    「<   >」 点検の対象となる構造・装置などを示します。
  3. 「四輪自動車など」の表中「点検時期」欄で、「距離」と付した点検項目については、前回その項目について定期点検をしたときからの走行距離が、「自家用乗用など」については年間当たり5,000km(2年点検の対象の場合は2年間で10,000km)に満たない場合、「自家用貨物など」と「事業用など」については3月当たり2,000km、(点検項目が6月点検の対象の場合は6月で4,000km、12月点検の対象の場合は年間で8,000km)に満たない場合には省略することができますが、2回連続して省略することはできません。
  4. 「二輪自動車」の表中「点検時期」欄で、「距離」と付した点検項目については、前回その項目について定期点検をした時からの走行距離が、年間当たり1,500kmに満たない場合には省略することができますが、2回連続して省略することはできません。
  5. 「四輪自動車など」の表中「点検項目」欄で、※印を付した点検項目については、バス、タクシー、乗用のレンタカーなどについて行ってください。
定期点検の実施方法

(1)四輪自動車など

点検箇所 点検項目 点検時期
(年又は月ごと)
点検の実施方法
自家用乗用など 自家用貨物など 大型特殊 事業用など 被牽引自動車
かじ取り装置(ステアリング) ハンドル 操作具合 2年 12月 12月 12月  
  • 次の点検を行います。
    • 一定車速で平坦な路面を直進中、ハンドルが振れることがないか、また、左右に取られることがないか。
    • 走行中にハンドルを操作したとき、操作が異常に重くないか、また、戻りがよいか。
    • ハンドルを上下、左右、軸方向に動かしたときにがたがないか、また、ハンドルを直進位置から左右に回したときの遊びの量が適当であるか。
ギヤ・ボックス オイル漏れ       12月  
  • リフト・アップなどの状態で、ギヤ・ボックス各部からのオイル漏れがないかを目視などにより点検します。
取付けの緩み 2年距離 12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、ギヤ・ボックスとフレームとの取付けに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
ロッド、アーム類(ステアリング・リンケージ) 緩み、がた、損傷 2年距離 12月 12月 3月距離  
  • リフト・アップなどの状態で、ロッド、アーム類について、可動部を操舵力の伝わる方向に手で揺するなどして、次の点検を行います。
    • 連結部にがたがないか。
    • 取付部に緩みがないか。
    • 曲がりや損傷がないか。
    • 割ピンが欠損していないか。
ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀(き)裂と損傷 2年 12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、ロッド、アーム類のボール・ジョイントのダスト・ブーツに亀(き)裂や損傷がないかを目視などにより点検します。
ナックル 連結部のがた   12月 12月 3月距離  
  • リフト・アップなどの状態で、補助者にブレーキ・ペダルを踏ませ、タイヤの上下に手を掛けて動かし、キング・ピン又はボール・ジョイントにがたがないかを点検します。
かじ取り車輪 ホイール・アライメント 2年距離 12月   12月  
  • ホイール・アライメント・テスタ(又は、キャンバ・キャスタ・キングピン・ゲージ、ターニング・ラジア ス・ゲージ、トーイン・ゲージ)を用いて、キャンバ、キャスタ、トーイン(及びキング・ピンの傾斜角度)が規定の範囲にあるかを点検します。(タイヤの異状摩耗、ハンドルの振れ、車体の傾きなどの異状が認められない場合は、サイド・スリップ・テスタにより点検してもよい。)
パワーステアリング装置 ベルトの緩みと損傷 1年 6月 6月 3月  
  • 定められたプーリ間のベルト中央部を手(約10kg)で押したとき、たわみ量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
  • ベルト全周にわたって内側、側面に著しい磨耗や損傷、亀(き)裂がないかを目視などにより点検します。
オイル漏れ、オイル量 2年 12月 12月 3月距離  
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • ギヤ・ボックス、オイル・ポンプ、ホース、パイプ、接続部などからのオイル漏れがないか。
    • ホースの劣化によるふくらみや損傷、亀(き)裂などがないか。
  • アイドリング状態でハンドルを数回据え切りをして油温を上げた後、リザーバ・タンクのオイル量を点検します。(車両によっては、冷間時エンジン停止状態で点検する車両もあります。)
取付けの緩み 2年距離 12月 12月 12月  
  • リフト・アップの状態で、スパナなどにより、次の点検を行います。
    • オイル・ポンプ及びギヤ・ボックスの取付部に緩みがないか。
    • ホース及びパイプの接続部に緩みがないか。
制動装置(ブレーキ) ブレーキ・ぺダル 遊び、踏み込んだときの床板とのすき間 1年 6月 12月 3月  
  • エンジン停止状態でブレーキ・ペダルを数回踏み、ブースター内を大気圧にしてから、ブレーキ・ペダルを手で抵抗を感じるまで押し、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
  • エンジンをかけた状態でブレーキ・ペダルを強く踏み込んで、ペダルと床板とのすき間が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。また、踏みごたえから、エアの混入がないかを点検します。
ブレーキの効き具合 1年 6月 12月 3月 3月
  • 乾燥した路面を走行してブレーキ・ペダルを踏み込んだとき、踏力に応じた制動力が得られ、進行方向にまっすぐに止まることができるかを点検します。
  • ブレーキ・テスタで点検する場合は、左右前後輪の制動力の総和及び左右差が規定値にあるかを点検します。
駐車ブレーキ機構 引きしろ(踏みしろ) 1年 6月 12月 3月 3月
  • パーキング・ブレーキ・レバー(ペダル)を規定の力で操作したとき、引きしろ(踏みしろ)が、規定のノッチ数(ラチェットがかみ込む音で確認)の範囲にあるか、また、開放時に走行位置に保持されるかを点検します。
  • トラック、バスなどにおいて用いられるホイールパーク式(空気式車輪制動型)にあっては、エンジンをかけて規定の空気圧の状態で、レバーを駐車位置まで引いたとき、引っかかりなどの異状がなく、かつ、空気の排出音が聞こえること。また、駐車位置及び走行位置にそれぞれレバーが保持されるかを点検します。
ブレーキの効き具合 1年 6月 12月 3月 3月
  • 乾燥した急坂(5分の1(20%)勾配)の路面で、停止状態が保持できるかを点検します。
  • ブレーキ・テスタで点検する場合は、制動力が規定値以上あるかを点検します。ただし、トラック、バスなどにおいて用いられるホイールパーク式(空気式車輪制動型)にあっては、エンジンをかけて規定の空気圧の状態にして、レバーを駐車位置(又はテストポジション)まで引き点検します。
ホース及びパイプ 漏れ、損傷及び取付状態 1年 6月 6月 3月 3月
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • ホース、パイプ及び接続部に液漏れや損傷がないかを目視などにより点検します。
    • 走行中の振動やハンドル操作などによりパイプ及びホースが車体その他の部分と接触のおそれがないかを目視などにより点検します。
    • ホースに劣化によるふくらみ、亀(き)裂及び損傷がないかを目視などにより点検します。
    • 接続部及びクランプに緩みなどがないかをスパナなどにより点検します。
  • エア・ブレーキにあっては、リフト・アップなどの状態で、ホース及びパイプの接続部に石けん水などを塗ってエア漏れがないかを目視などにより点検し、又はエンジンを始動させ、タンク内圧力が規定値に達したときエンジンを停止させ、圧力計により空気圧の保持状態からエア漏れがないかを点検します。
リザーバ・タンク ブレーキ液の量   12月 12月 3月  
  • リザーバ・タンクの液量が規定の範囲(MAX〜MINなど)にあるかを点検します。
  • リザーバ・タンク周辺から液漏れがないかを目視などにより点検します。また、通気孔のある場合には、通気孔の詰まりを目視などにより点検します。
マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ、ディスク・キャリパ 液漏れ 1年        
  • マスタ・シリンダの周辺から液漏れがないかを目視などにより点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ドラムを取り外し、ホイール・シリンダのブーツ周辺から液漏れがないかを目視などにより点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、ホイールを取り外し、ディスク・キャリパの周辺から液漏れがないかを目視などにより点検します。
機能、摩耗、損傷 2年 12月 12月 12月   (摩耗、損傷の点検)
  • マスタ・シリンダに損傷や液漏れがないかを目視などにより点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ドラムを取り外し、ホイール・シリンダ(シリンダ・ブーツ内を含む。)に損傷や液漏れがないかを目視などにより点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、ホイールを取り外し、ディスク・キャリパに損傷や液漏れがないかを目視などにより点検します。
  • 必要がある場合には、マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ及びディスク・キャリパを分解し、シリンダ、ピストン、ピストン・カップ、ピストン・シール、チェック・バルブ、ブーツなどに摩耗、損傷、腐食、劣化などがないかを目視などにより点検します。
(機能の点検)
  • ブレーキ・ペダルの遊び、踏み込んだときの床板とのすき間及びブレーキのきき具合に異状がないことを確認します。
ブレーキ・チャンバ ロッドのストローク       3月 3月
  • 規定の空気圧の状態で、当該点検の補助者にブレーキ・ペダルを一杯に踏み込ませ、ロッドのストロークが規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
機能       12月 12月
  • 規定の空気圧の状態で、当該点検の補助者にブレーキ・ペダルを一杯に踏み込ませ、チャンバのクランプ回りに石けん水などを塗ってエア漏れがないかを目視などにより点検します。
  • ペダルを戻したときのチャンバ・ロッドの戻りに異状がないかを目視などにより点検します。
  • 必要がある場合には、ブレーキ・チャンバを分解し、ダイヤフラム、スプリング、ゴム部品などに損傷や劣化がないかを目視などにより点検します。
ブレーキ・バルブ、クイック・レリーズ・バルブ、リレー・バルブ 機能   12月 12月 12月  
  • 規定の空気圧の状態で、当該点検の補助者にブレーキ・ペダルを一杯に踏み込ませ、ブレーキ・バルブ、クイック・レリーズ・バルブ及びリレー・バルブからエア漏れがないかを音により点検します。また、ペダルを戻したとき、各バルブからのエアの排出に異状がないかを音により点検します。
  • ブレーキ・バルブにあっては、必要がある場合に次の点検を行います。
    • ブレーキ・バルブのエアの吐出側に圧力計を取り付け、規定の空気圧の状態で、当該点検の補助者にブレーキ・ペダルを一杯に踏み込ませ、圧力計がエア・タンク内の圧力と同じ圧力であるかを点検します。
    • 圧力計を用いない場合には、点検箇所を分解して、バルブ、ピストン、バルブ・スプリング、ゴム部品などに損傷、へたり及び劣化がないかを目視などにより点検します。
  • リレー・バルブにあっては、必要がある場合に次の点検を行います。
    • 入口側と出口側に圧力計を取り付け、規定の空気圧の状態で、当該点検の補助者にブレーキ・ペダルを踏み込ませ、入口側と出口側の圧力差が規定の範囲にあるかを点検します。
    • 圧力計を用いない場合には、点検箇所を分解して、バルブ、ピストン、ダイヤフラム、スプリング、ゴム部品などに損傷、へたり及び劣化がないかを目視などにより点検します。
リレー・エマージェンシ・バルブ 機能         12月
  • 規定の空気圧の状態で、当該点検の補助者にブレーキ・ペダルを一杯に踏み込ませ、リレー・エマージェンシ・バルブからエア漏れがないかを音により点検します。また、ペダルを戻したとき、バルブからのエアの排出に異状がないかを音により点検します。
  • 必要がある場合に次の点検を行います。
    • リレー・エマージェンシ・バルブの入口側と出口側に圧力計を取り付け、規定の空気圧の状態で、当該点検の補助者にブレーキ・ペダルを踏み込ませ、入口側と出口側の圧力差が規定の範囲にあるかを点検します。
    • 圧力計を用いない場合には、点検箇所を分解して、バルブ、ピストン、ダイヤフラム、スプリング、ゴム部品などに損傷、へたり及び劣化がないかを目視などにより点検します。
倍力装置(ブレーキ・ブースタ) エア・クリーナの詰まり   12月 12月 12月  
  • 分離型真空倍力式にあっては、エレメントを取り出し、汚れによる詰まり、損傷がないかを目視などにより点検します。
機能   12月 12月 12月   <真空又は空気倍力式>
  • エンジン停止状態で、ブレーキ・ペダルを数回踏むなどして真空圧又は空気圧を大気圧にしてから、次にブレーキ・ペダルを強く踏み込んだままエンジンを始動し、真空圧又は空気圧が規定値に達したとき、ブレーキ・ペダルと床板とのすき間が減少するかを点検します。
  • エンジンを停止させ、真空圧又は空気圧が大気圧になるまでブレーキ・ペダルを普通に踏み込んだとき、1回目より2回目、3回目と踏み込むにしたがってブレーキ・ぺダルと床板とのすき間が増大するかを点検します。
  • 必要がある場合には次の点検を行います。
    • 油圧計などのテスタを使用して、油圧の低下及び発生油圧などが規定の範囲にあるかを点検します。
    • 真空計又は圧力計などのテスタを使用して、圧力の低下などが規定の範囲にあるかを点検します。
    • 真空計又は圧力計などのテスタを使用して、チェック・バルブ及びリレー・バルブの機能を点検します。又は、分解して、チェック・バルブ、リレー・バルブ、ダイヤフラム、ピストン・カップなどのゴム部品に損傷、劣化がないかを確認することにより機能を点検します。
<空気油圧複合式>
  • エア・タンク内圧力が規定値の状態で、ブレーキ・ぺダルを踏み込んだときに規定の制動力が出るか、また、ブレーキ・ぺダルから足を離したときにブレーキの引きずりがないかをブレーキ・テスタなどを使用して点検します。
  • 必要がある場合には次の点検を行います。
    • 油圧計などのテスタを使用して、油圧の低下及び発生油圧などが規定の範囲にあるかを点検します。
    • 圧力計などのテスタを使用して、圧力の低下などが規定の範囲にあるかを点検します。
    • 圧力計などのテスタを使用して、チェック・バルブ及びリレー・バルブの機能を点検します。又は、分解して、チェック・バルブ、リレー・バルブ、ダイヤフラム、ピストン・カップなどのゴム部品に損傷、劣化がないかを確認することにより機能を点検します。
ブレーキ・カム 摩耗       12月 12月
  • リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ドラムを取り外し、カムに摩耗及び損傷がないかを目視などにより点検します。
ブレーキ・ドラム、ブレーキ・シュー ドラムとライニングとのすき間 1年距離 6月 6月 3月 3月 <自動調整方式>
  • リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ぺダル又はパーキング・ブレーキ・レバーを数回操作し、ブレーキ・シューを安定させた後、タイヤを手で回したとき、引きずりがないかを点検します。
<手動調整方式>
  • リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ぺダル又はパーキング・ブレーキ・レバーを数回操作し、ブレーキ・シューを安定させた後、点検孔のあるものはシックネス・ゲージにより、又は点検孔のないものはアジャスタにより、すき間を点検します。 (ドラムが駐車ブレーキとしてのみ使用される自動車については、駐車ブレーキ機構に異状がなければ、この点検を省略できます。)
シューの摺(しゅう)動部分及びライニングの摩耗 1年距離 12月 12月 3月距離 3月距離
  • ライニングの残量を直接確認できる点検孔を有する構造又はドラム・カバーが取り外せる構造の車両にあっては、次の方法により点検を行うことができます。ただし、点検の結果、ライニングの残量がその使用限度に近づいている場合その他異状が認められる場合は、ドラムを取り外して行います。
    • ドラム・カバーを取り外すことにより、又はライニング残量点検孔から、ライニングの残量を目視により点検します。また、ライニングの端面に亀(き)裂、剥(はく)離などの損傷がないかを目視などにより点検します。
    • 低速で走行中に緩やかにブレーキ・ペダルを踏んだ際に、ブレーキから異音が発生しないかを確認することによってリベット及びボルトの緩みを点検します。
    • リフト・アップなどの状態でタイヤを回し、ブレーキ・ペダルを踏んだ状態からペダルを放した際に、すぐにタイヤが回せるかによって、シューの戻り不良(ブレーキの引きずり)がないかを点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ドラムを取り外し、次の点検を行います。
    • ライニングに異状な摩耗、損傷及び剥(はく)離がないかを目視などにより点検します。
    • ライニングの厚みをスケールなどにより点検します。
    • リベット、ボルトに緩みがないかを点検します。
  • 必要がある場合には、シューを分解し、次の点検を行います。
    • ブレーキ・シューの摺(しゅう)動部分に異状な摩耗や損傷がないか。
    • アンカ・ピンに異状な摩耗がないか、又はさび付いていないか。
    • リターン・スプリングにへたりがないか。
    • 調整装置がスムーズに作動するか。
      (ドラムが駐車ブレーキとしてのみ使用される自動車については、駐車ブレーキ機構に異状がなければ、この点検を省略できます。)
ドラムの摩耗及び損傷 2年 12月 12月 12月 12月
  • リフト・アップなどの状態で、ブレーキ・ドラムを取り外し、ドラムの内側に異状な摩耗、亀(き)裂、損傷などがないかを目視などにより点検します。
    (ドラムが駐車ブレーキとしてのみ使用される自動車については、駐車ブレーキ機構に異状がなければ、この点検を省略できます。)
バック・プレート バック・プレートの状態       12月 12月
  • リフト・アップなどの状態で、バック・プレート又はアンカ・ブラケットに損傷、亀(き)裂及び変形がないかを目視などにより点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、バック・プレート又はアンカ・ブラケットの取付ボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
ブレーキ・ディスク及びパッド ディスクとパッドとのすき間 1年距離 12月 12月 3月距離 3月距離
  • リフト・アップなどの状態で、タイヤを手で回したとき異状な引きずりがないかを点検します。
パッドの摩耗 1年距離 12月 12月 3月距離 3月距離
  • リフト・アップなどの状態で、ホイールを取り外しキャリパ・ボディーの点検孔から、パッドの厚みを点検します。また、必要に応じてスケールなどにより点検します。
ディスクの摩耗及び損傷 2年 12月 12月 12月 12月
  • リフト・アップなどの状態で、ホイールを取り外し、ディスク・ロータに異状な摩耗及び損傷がないかを目視などにより点検します。
センタ・ブレーキ・ドラム、ライニング ドラムの取付けの緩み   12月 12月 3月  
  • リフト・アップなどの状態で、センタ・ブレーキ・ドラムの取付ボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
ドラムとライニングとのすき間   12月 12月 3月  
  • リフト・アップなどの状態で、パーキング・ブレーキ・レバーを数回操作し、ブレーキ・シューを安定させた後、点検孔のあるものは、シックネス・ゲージにより、また、点検孔のないものは、アジャスタにより、すき間を点検します。
ライニングの摩耗   12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、センタ・ブレーキ・ドラムを取り外し、ライニングに異状な摩耗や損傷、剥(はく)離がないかを目視などにより点検します。
    (ドラムとライニングとのすき間に異状がなければ、この点検を省略できます。)
ドラムの摩耗と損傷   12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、センタ・ブレーキ・ドラムを取り外し、ドラムの内側に異状な摩耗、損傷などがないかを目視などにより点検します。
    (ドラムとライニングとのすき間に異状がなければ、この点検を省略できます。)
二重安全ブレーキ機構 機能   12月 12月 12月   <油圧式二重安全ブレーキ機構(セフティ・シリンダ式)>
  • フロント・ホイール・シリンダのエア・ブリーダを緩めた状態とリヤ・ホイール・シリンダのエア・ブリーダを緩めた状態のそれぞれにおいて、ブレーキ・ペダルを反復して踏み込んだとき、ブレーキ・ペダルと床板とのすき間があるかを点検します。
走行装置 ホイール タイヤの状態 1年距離 12月距離 12月距離 3月距離 3月距離
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • タイヤ・ゲージを用いて、空気圧が規定値であるかを点検します。必要がある場合にはスペア・タイヤについても点検します。
    • タイヤの全周にわたり、亀(き)裂や損傷がないか、釘(くぎ)、石及びその他の異物が刺さったり、かみ込んだりしていないか、かつ、偏摩耗などの異常な摩耗がないかを目視などにより点検します。
    • タイヤの接地面に設けられているウェア・インジケータ(スリップ・サイン)の表示により点検するか、又はタイヤの接地面の全周にわたり、溝の深さが規定値以上あるかをディプス・ゲージなどにより点検します。
ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み 1年距離 6月 6月 3月 3月
  • ホイール・ナット、ホイール・ボルトに緩みがないかをホイール・ナット・レンチなどにより点検します。
  • 大型車にあっては次の点検を行います。
    • JIS方式のシングル・タイヤ及びISO方式のタイヤの場合は、トルク・レンチを用いるなどによりホイール・ナットを規定トルクで締め付けます。
    • JIS方式のダブル・タイヤの場合は、ホイール・ボルトの半数(1個おき)のアウター・ナットを緩めて、インナー・ナットをトルク・レンチを用いるなどにより規定トルクで締め付けます。
      次に、緩めたアウター・ナットをトルク・レンチを用いるなどにより規定トルクで締め付けます。その後、ホイール・ボルトの残りの半数のアウター・ナット及びインナー・ナットについても同様の措置を講じます。
  • リヤ・シャフトの支持方式が全浮動式のものにあっては、アクスル・シャフトの取付けナット及びボルトに緩みがないかを点検します。
ホイール・ナット及びホイール・ボルトの損傷(大型車において行う点検)       12月 12月
  • リフト・アップなどの状態で、ディスク・ホイールを取り外し、次の点検を行います。
    • ホイール・ボルト及びホイール・ナットについて、亀(き)裂や損傷がないか、ボルトに伸びはないか、著しいさびの発生はないか等を目視などにより点検します。また、ねじ部につぶれ、やせ、かじり等の異状がないかを目視などにより点検します。
    • ディスク・ホイールについて、ボルト穴や飾り穴のまわり及び溶接部に亀(き)裂及び損傷がないか、ホイール・ナットの当たり面に亀(き)裂、損傷及びへたりがないかを目視などにより点検します。また、ハブへの取付面とディスク・ホイール合わせ面に摩耗や損傷がないかを目視などにより点検します。
  • ディスク・ホイールを取付ける際に次の点検を行います。
    • 関係部品の清掃について、ディスク・ホイールのハブへの取付面とディスク・ホイール合わせ面、ホイール・ナットの当たり面、ハブのディスク・ホイール取付面、ホイール・ボルトのねじ部、ホイール・ナットのねじ部等を清掃し、さび、ゴミ、泥、追加塗装等の異物を取り除きます。
    • ホイール・ボルト及びホイール・ナットの潤滑について、JIS方式の場合は、ホイール・ボルト及びホイール・ナットのねじ部並びにホイール・ナットの当たり面に規定の油類を薄く塗布します。ISO方式の場合は、ホイール・ナットねじ部及びホイール・ナットとワッシャとの間にのみ規定の油類を塗布します。(潤滑について自動車製作者の指示がある場合は、その指示する方法で行うこと。)
    • ホイール・ナットの締付けは、当該ディスク・ホイールの中心点を挟んで反対側にある2つのホイール・ナットを交互に、かつ、個々のホイール・ナットが均等に締め付けられるように数回に分けて徐々に締める方法に則り行い、最後にトルク・レンチを用いるなどにより規定トルクで締め付けます。この場合、なるべく奥まで手で回して入れ、円滑に回ることを確認し、ひっかかり等異状がある場合にはホイール・ボルト等を交換します。
    • インパクト・レンチで締め付ける場合は、締付時間、圧縮空気圧力等に留意し、締めすぎないように十分注意を払い、最終的な締付けは、トルク・レンチを用いるなどにより規定トルクで締め付けます。
  • JIS方式のダブル・タイヤの場合は、始めにインナー・ナットについて、上記のリフト・アップなどの状態で、ディスク・ホイールを取り外して行う点検及びディスク・ホイルを取り付ける際に行う点検を行った後、アウター・ナットについて、インナー・ナットと同様に点検を行います。
  • ディスク・ホイールの取付け後、ディスク・ホイールの取付状態に適度な馴染みが生じる走行後(一般的に50〜100km走行後が最も望ましいとされています。)、ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み(3月ごとの点検項目)に示す方法によりホイール・ナットを締め付けます。
リム、サイド・リング及びディスク・ホイールの損傷       12月 12月
  • リム、サイド・リング及びディスク・ホイールに損傷、腐食などがないかを目視などにより点検します。また、サイド・リング付きのディスク・ホイールにあっては、合い口のすき間についても規定値内であるかを点検します。
フロント・ホイール・ベアリングのがた 2年距離 12月 12月 3月距離  
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • タイヤの上下に手をかけて動かし、がたがないかを点検し、がたがあった場合には、ブレーキ・ペダルを踏んで再度点検し、ホイール・ベアリングのがたであるかどうかを点検します。(ブレーキ・ペダルを踏んで再度点検した時にがたがなくなれば、サスペンションなどのがたではなくホイール・ベアリングのがたとなります。)
    • ディスク・ホイールを回転させて、異音がないかを点検します。
    • 必要がある場合には、フロント・ホイール・ベアリングを取り外し、ベアリングなどに摩耗や損傷、泥水などの浸入がないかを点検します。
リヤ・ホイール・ベアリングのがた 2年距離 12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • タイヤの上下に手をかけて動かし、がたがないかを点検し、がたがあった場合には、ブレーキ・ペダルを踏んで再度点検し、リヤ・ホイール・ベアリングのがたであるかを点検します。(ブレーキ・ペダルを踏んで再度点検した時にがたがなくなれば、サスペンションなどのがたではなくホイール・ベアリングのがたとなります。)
    • ディスク・ホイールを回転させて、異音がないかを点検します。
    • 必要がある場合には、リヤ・ホイール・ベアリングを取り外し、ベアリングなどに摩耗、損傷及び泥水などの浸入がないかを点検します。
ホイール・ベアリングのがた         12月
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • タイヤの上下に手をかけて動かすことにより、がたがないかを点検し、がたがあった場合は、ブレーキ・ペダルを踏んで再度点検し、ホイール・ベアリングのがたであるかを点検します。(ブレーキ・ペダルを踏んで再度点検したときにがたがなければ、ホイール・ベアリングのがたとなります。)
    • ディスク・ホイールを回転させて、異音がないかを点検します。
    • 必要がある場合は、ホイール・ベアリングを取り外し、ベアリングなどに摩耗、損傷、泥水の浸入等がないかを点検します。
緩衝装置 リーフ・サスペンション スプリングの損傷   12月 12月 3月 3月
  • リフト・アップなどの状態で、リーフ・スプリングに折損、亀(き)裂などがないかを目視などにより点検します。
取付部及び連結部の緩み、がた及び損傷   12月 12月 12月 12月
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • リーフ・スプリングのUボルト、スプリング・バンドなどに緩み及び損傷がないかをスパナなどにより点検します。
    • スプリング・ブラケットの取付部に緩み及び損傷がないかを点検ハンマなどにより点検します。
    • リーフ・スプリングのピンなどで連結されている部分を点検ハンマ又は手で揺するなどして、軸方向又は直角方向にがたがないかを点検します。
    • 後二軸のトラニオン式などにあっては、トルク・ロッド(ラジアス・ロッド)の連結部にがたがないかを点検ハンマなどにより点検します。
コイル・サスペンション(トーション・バーを含む。) スプリングの損傷       12月  
  • リフト・アップなどの状態で、コイル・スプリングの折損、亀(き)裂などがないかを目視などにより点検します。
取付部、連結部の緩み、がた、損傷   12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • サスペンションの各取付ボルトやナットに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
    • サスペンションの各連結部を手で揺するなどして軸方向又は直角方向にがたがないかを点検します。
    • サスペンション各部に損傷がないか、また、ボール・ジョイントのダスト・ブーツに亀(き)裂や損傷がないかを目視などにより点検します。
サスペンションの取付部と連結部 緩み、がた、損傷 2年        
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • サスペンションの各取付ボルトやナットに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
    • サスペンションの各連結部を手で揺するなどして軸方向又は直角方向にがたがないかを点検します。
    • サスペンション各部に損傷がないか、また、ボール・ジョイントのダスト・ブーツに亀(き)裂や損傷がないかを目視などにより点検します。
エア・サスペンション エア漏れ       3月 3月
  • エンジンを始動させ、タンク内圧力が規定値に達したときエンジンを停止させ、圧力計により空気圧の保持状態からエア漏れがないかを点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、ベローズ、レベリング・バルブ及びパイプの接続部などに石けん水などを塗って、エア漏れがないかを点検します。
ベローズの損傷       3月距離 3月距離
  • リフト・アップなどの状態で、ベローズに損傷がないかを目視などにより点検します。
取付部及び連結部の緩み並びに損傷       3月距離 3月距離
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • ラジアス・ロッド、スタビライザ、リンケージなどの取付部と連結部に緩みがないかをスパナなどにより点検します。
    • 取付部及び連結部に損傷がないかを目視などにより点検します。
レベリング・バルブの機能       12月 12月
  • 車両を水平な場所に置き、エア・タンク内圧力が規定の範囲にあることを確認した後、フロント、リヤのベローズの高さが規定の範囲にあることをスケールなどにより点検します。 (ただし、規定の方法により点検を行うこととされている場合には、その方法により点検します。)
ショック・アブソーバ 油漏れ及び損傷 2年 12月 12月 3月 3月
  • リフト・アップなどの状態で、目視などにより、次の点検を行います。
    • ショック・アブソーバに油漏れ及び損傷がないか。
    • 取付部に損傷がないか。
動力伝達 クラッチ ペダルの遊び、切れたときの床板とのすき間 1年 6月 6月 3月  
  • クラッチ・ペダルを手で抵抗を感じるまで押し、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。このとき、マスタ・シリンダと一体型の倍力装置付きのクラッチにあっては、エンジンを停止しクラッチ・ペダルを数回踏み込んで、タンク内圧力を大気圧にして点検します。
  • レリーズ・フォーク先端を手で動かし、レリーズ・フォーク先端の遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
    (無調整式レリーズ・シリンダの場合は点検は不要です。)
  • アイドリング状態でパーキング・ブレーキを確実に作動させ、さらに、ブレーキ・ペダルを踏んだ状態で1速にシフトしてクラッチ・ペダルを徐々に離し、クラッチがつながる直前のクラッチ・ペダルと床板とのすき間(又は、床いっぱいまでクラッチ・ペダルを踏み込んだ位置からのすき間)が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
作用   6月 6月 3月  
  • アイドリング状態でクラッチ・ペダルを踏み込んだとき、異音がなく、異常に重くないかを点検します。また、1速又は後退(リバース)への変速操作がスムーズにできるかを点検します。
  • クラッチ・ペダルを徐々に離し発進したとき、滑りがなく、接続がスムーズであるかを点検します。
液量   12月 12月 3月  
  • リザーバ・タンクの液量が規定の範囲にあるかを目視などにより点検します。
トランスミッション・トランスファー オイル漏れ、オイル量 1年距離 6月距離 6月距離 3月距離   (オイル漏れの点検)
<M/T車>
  • リフト・アップなどの状態で、トランスミッション及びトランスファ本体周辺(ケースの合わせ目)やオイル・シール部からオイル漏れがないかを目視などにより点検します。
<A/T車>
  • リフト・アップなどの状態で、トランスミッション及びトランスファ本体周辺(ケースの合わせ目)やオイル・シール部からのオイル漏れがないかを目視などにより点検します。また、オイル・クーラ・ホースに亀(き)裂や損傷がないかを点検します。
(オイル量の点検)
<M/T車>
  • リフト・アップなどの状態で、トランスミッション及びトランスファのフィラ・プラグを取り外し、プラグ穴に指を入れるなどしてオイル量を点検します。(オイル漏れがなければ、オイル量は正常と判断して、この点検を省略できます。)
<A/T車>
  • 水平な場所に車両を止め、パーキング・ブレーキを確実に作動させてエンジンを暖機し、アイドリング状態で、ブレーキ・ペダルを踏み込んだ状態でシフト・レバーをゆっくり各レンジにシフトした後Pレンジ(車両によっては、Nレンジ)に戻します。そして、レベル・ゲージによりオイル量を点検します。
  • レンジ操作の際、シフト・レバーに異状な重さやがたがなく、ポジション・インジケータの表示と一致しているかを点検します。
プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフト 連結部の緩み 1年距離 6月距離 6月距離 3月距離  
  • リフト・アップなどの状態で、プロペラ・シャフトのジョイント・フランジ・ヨーク取付ボルト、ナット、センタ・ベアリング・ブラケット取付ボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、ドライブ・シャフトの取付ナットに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
自在継手部(ユニバーサル・ジョイント)のダスト・ブーツの亀(き)裂と損傷 2年 12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、ユニバーサル・ジョイントのダスト・ブーツに亀(き)裂や損傷がないかを目視などにより点検します。また、ブーツからのグリース漏れやブーツ・クランプの緩みがないかを目視などにより点検します。
継手部のがた   12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフトを手で動かし、次の点検を行います。
    • 回転方向に動かすことで、主にスプライン部の摩耗などによるがたがないかを点検します。
    • 上下、左右に動かすことで、主に自在継手部の摩耗などによるがたがないかを点検します。
センタ・ベアリングのがた   12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、センタ・ベアリング付近のシャフトを手で上下、左右方向に動かし、がたがないかを点検します。
デファレンシャル オイル漏れ、オイル量 2年距離 6月距離 6月距離 3月距離  
  • リフト・アップなどの状態で、デファレンシャル周辺からオイル漏れがないかを目視などにより点検します。
  • リフト・アップなどの状態で、フィラ・プラグを取り外してプラグ穴に指を入れるなどしてオイル量を点検します。
    (オイル漏れがなければ、オイル量は正常と判断して、この点検を省略できます。)
電気装置 点火装置 点火プラグ(スパーク・プラグ)の状態 1年距離 6月距離 6月距離 3月距離  
  • スパーク・プラグ(白金プラグ及びイリジウム・プラグを除く。)を取り外し、次の点検を行います。
    • 電極に汚れ、損傷及び摩耗がないか、また、絶縁碍子に焼損がないかを目視などにより点検します。
    • 中心電極と接地電極とのすき間(プラグ・ギャップ)が規定の範囲にあるかをプラグ・ギャップ・ゲージなどにより点検します。
点火時期 1年 6月 6月 3月  
  • エンジン暖機後、規定のアイドリング回転数で、タイミング・ライトなどを用いて、点火時期が適切であるかをクランク・プーリなどの合わせマークを見て点検します。
ディストリビュータのキャップの状態 1年 12月 12月 12月  
  • ディストリビュータのキャップを取り外し、目視などにより、次の点検を行います。
    • キャップ及びロータの汚れがないか。
    • ハイテンション・コードの差込部に緩み、さびなどがないか。
    • キャップ内側各端子(セグメント)に焼損及びさびがないか。
    • キャップの合わせ面がほこりなどで汚れていないか。
    • センタ・ピースに損傷及び摩耗がないか、かつ、スプリングにへたりなどがないか。
バッテリ ターミナル部の接続状態 1年 12月 12月 3月  
  • ターミナル部が、緩みや腐食により接続状態が不良でないかを点検します。
電気配線 接続部の緩み及び損傷 2年 12月 12月 3月 3月
  • エンジン・ルーム内の電気配線について、次の点検を行います。
    • 接続部に緩みがないかを手で動かすなどして点検します。
    • 電気配線に損傷がないか、かつ、クランプに緩みがないかを目視などにより点検します。
    • 電気配線が他部品と干渉するおそれがないかを点検します。
  • 必要に応じ、シャシ各部の電気配線についても点検します。
原動機(エンジン) 本体 低速と加速の状態   12月 12月 3月  
  • エンジンを暖機させた状態で、アイドリング時の回転がスムーズに続くかを点検します。また、回転計を用いて点検する場合は、アイドリング時の回転数が規定の範囲にあるかを点検します。
  • エンジンを徐々に加速したとき、アクセル・ペダルに引っ掛かりがないか、また、エンスト、ノッキングなどを起こすことなくスムーズに回転するかを走行するなどして点検します。
排気の状態 1年 6月 6月 3月   <ガソリン車、LPG車>
  • エンジンを十分に暖機させた状態で、回転計を用いてアイドリング回転数が規定の範囲にあるかを確認した後、排気ガスの色が白煙や黒煙でないかを目視により点検します。また、アイドリング時のCO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)の排出濃度をCO・HCテスタにより点検します。
<ジーゼル車>
  • エンジンを十分に暖機させた状態で、異状な黒煙を排出していないかを目視などにより点検します。
エア・クリーナ・エレメントの状態 1年距離 6月距離 6月距離 3月距離  
  • エレメントを取り外し、汚れ、詰まり、損傷などがないかを目視などにより点検します。
エア・クリーナの油の汚れと量     6月    
  • エア・クリーナのケースを取り外し、オイルの汚れ具合を目視などにより点検します。また、オイルの量が規定の範囲にあるかを目視などにより点検します。
シリンダ・ヘッドとマニホールド各部の締付状態       12月  
  • シリンダ・ヘッド及びマニホールド各部の締付部に緩みがないかをトルク・レンチなどにより点検します。
    (塑性域締め(角度締め)方式の場合には、この点検は不要です。)
潤滑装置 オイル漏れ 1年 6月 6月 3月  
  • リフト・アップなどの状態で、目視などにより、次の点検を行います。
    • シリンダ・ヘッド・カバー、オイル・パン、ドレーン・プラグなどからオイル漏れがないか。
    • オイル・クーラ・ホースなどに劣化によるふくらみや亀(き)裂、損傷がないか。
燃料装置 燃料漏れ 2年 12月 12月 3月  
  • リフト・アップなどの状態で、目視などにより、次の点検を行います。
    • フューエル・タンク、フューエル・ポンプ、ホース、パイプ、キャブレータ、インジェクタ、ノズル・ホルダ、インジェクション・ポンプなどから燃料漏れがないか。
    • フューエル・ホース及びパイプに亀(き)裂及び損傷がないか。
    • ホース及びパイプのクランプの取付けに緩みがないか。
    • クランプのゴム等の劣化等によりホース及びパイプの固定に異状がないか。
冷却装置 ファン・ベルトの緩みと損傷 1年 6月 6月 3月  
  • 定められたプーリ間のベルト中央部を手(約10kg)で押したときのたわみ量が、規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。又は、ベルト・テンション・ゲージ(張力計)を用いてベルトの張力が規定値内にあるかを点検します。
  • ベルトの全周にわたっての内側や側面に、摩耗や損傷、亀(き)裂がないかを目視などにより点検します。
水漏れ 1年 12月 12月 12月  
  • アイドリング状態か、又はラジエータ・キャップ・テスタで加圧した状態で、ラジエータ、ウォータ・ポンプ、ラジエータ・ホース、ヒータ・ホースなどから水漏れがないかを目視などにより点検します。
  • ラジエータ・ホースやヒータ・ホースに劣化や損傷がないか、また、ホースのクランプに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置 ブローバイ・ガス還元装置 メターリング・バルブの状態 2年 12月   12月  
  • エンジンを作動させ、アイドリング状態でメターリング・バルブのインテーク・マニホールド側のホースをつまんだり放したりしたとき、バルブの作動音 (カチカチ音)が発生するかを点検します。又は、メターリング・バルブの片側から通気し、反対側から通気しないことを点検します。
配管の損傷 2年 12月   12月  
  • 目視などにより、次の点検を行います。
    • ホース、パイプなどの配管に劣化や損傷がないか。
    • クランプの取付状態に異状がないか。
燃料蒸発ガス排出抑止装置 配管等の損傷 2年 12月   12月  
  • ホース、パイプなどに損傷がないかを目視などにより点検します。
チャコール・キャニスタの詰まりと損傷 2年 12月   12月  
  • チャコール・キャニスタのフューエル・タンク側のホースを取り外しエアを送り、詰まりがないかを点検します。
  • パージ・コントロール・バルブのフューエル・タンクからきているホース側を強く吹いたとき通気し、吸気側マニホールドからきているホース側を強く吹いたとき通気しないこと、また、大気開放側から強く吹いたとき通気することを点検します。
  • チャコール・キャニスタ本体に損傷がないかを目視などにより点検します。
チェック・バルブの機能 2年 12月   12月  
  • チェック・バルブを取り外すなどして、チェック・バルブの両側から交互にエアを送り、通気状態に差があるかを手を当てるなどして点検します。
一酸化炭素等発散防止装置 触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けの緩みと損傷 2年 12月 12月 12月  
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • 触媒などの排出ガス減少装置本体の取付けに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
    • 触媒本体に損傷がないかを目視などにより点検します。
      (遮熱板に変形や損傷がなければ、この点検を省略できます。)
    • 排気温度警告装置の配線の取付けに異状がないかを目視などにより点検します。
二次空気供給装置の機能 2年 12月 12月 12月  
  • 二次空気供給装置用フィルタの詰まり及び損傷を点検します。また、アイドリング状態で、二次空気供給装置のエア・ホースをエア・クリーナ側で外し、ホースからの空気の吸い込みを点検します。
    (ただし、規定の方法により点検を行うこととされている場合には、その方法により点検します。)
排気ガス再循環装置の機能 2年 12月 12月 12月  
  • エンジン暖機状態で、EGRコントロール・バルブのダイヤフラム部に手を当て、エンジン回転数を変化させたときのダイヤフラムの作動状態を確認します。
    (ただし、規定の方法により点検を行うこととされている場合には、その方法により点検します。)
減速時排気ガス減少装置の機能 2年 12月 12月 12月  
  • ダッシュ・ポットのロッドを指で押したとき抵抗感があり、指を離したとき瞬時に戻ることを確認することにより点検します。
    (ただし、規定の方法により点検を行うこととされている場合には、その方法により点検します。)
配管の損傷と取付状態 2年 12月 12月 12月  
  • ホース及びパイプに損傷、外れなどがないかを目視などにより点検します。
警音器(ホーン)、窓拭(ふき)器(ワイパー)、洗浄液噴射装置(ウィンド・ウォッシャ)、デフロスタ、施錠装置(ステアリング・ロック) 作用   12月 12月 12月   (ホーンの点検)
  • ホーンの音量及び音質を聴くことなどにより点検します。
    (ワイパー及びウィンド・ウォッシャの点検)
  • 次の点検を行います。
    • ウィンド・ウォッシャ液の量が適当か。
    • ウィンド・ウォッシャ液の噴射の向き及び高さが適当か。
    • ワイパーの低速及び高速の各作動が不良でないか。
    • ワイパーの払拭(しょく)状態が不良でないか。
(デフロスタの点検)
  • デフロスタを作動させ、吹き出し口(サイドを含む。)からの空気の吹き出しや風量の切り換えに異状がないかを手を当てて点検します。
(ステアリング・ロックの点検)
  • エンジン・キーを抜いたときステアリング・ロックが確実に作用するかを点検します。
エグゾースト・パイプとマフラ 取付けの緩みと損傷 1年距離 12月距離 12月距離 3月距離  
  • リフト・アップなどの状態で、次の点検を行います。
    • エグゾースト・パイプ及びマフラの取付部、接続部に緩みがないかを手で揺するなどして点検します。
    • エグゾースト・パイプ、マフラ及び遮熱板の取付ボルト、ナットに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
    • ラバー・ハンガーの劣化や損傷、取付状態を点検します。
    • エグゾースト・パイプ、マフラ及び遮熱板に損傷や腐食がないかを点検します。
    • エグゾースト・パイプ及びマフラが他の部分との接触のおそれがないかを点検します。
    • エンジンを始動し、接続部などより排気ガスが漏れていないかを点検します。
マフラの機能 2年 12月 12月 12月  
  • エンジンを始動し、回転数を変化させ、排気音に異状がないかを聴くことなどにより点検します。
エア・コンプレッサ エア・タンクの凝水   6月 6月 3月 3月
  • エア・タンクのドレン・コックを開き、タンクに水がたまっていないかを点検します。
コンプレッサ、プレッシャ・レギュレータとアンローダ・バルブの機能   12月 12月 12月   (エア・コンプレッサの点検)
  • エア・タンクのエアを排出した後、エンジンを始動させ、アイドリング状態で、タンク内圧が規定値になるまでの所要時間を調べることにより点検します。
(プレッシャ・レギュレータ、アンローダ・バルブの点検)
  • エンジン運転状態で、ブレーキ・ペダルを数回踏み、タンク内圧力が下限規定値に低下したときに、自動的にエア・コンプレッサが働き、上限規定値で自動的に停止するかを点検します。
高圧ガスを燃料とする燃料装置等 導管、継手部のガス漏れと損傷       3月  
  • ベーパライザ、導管及び継手部に石けん水などを塗って、ガス漏れがないかを目視などにより点検します。
  • 導管及び継手部に損傷がないかを目視などにより点検します。
ガス容器取付部の緩みと損傷       12月  
  • ガス容器又はコンテナ取付部及びクランプに緩みがないかをスパナなどにより点検します。また、損傷がないかを目視などにより点検します。
車枠(フレーム)、車体(ボディー) 非常口の扉の機能       3月  
  • 非常口の扉がスムーズに開き、確実に閉まるかを点検します。また、開いたときに警報装置が作動するかを点検します。
緩み及び損傷 2年 12月 12月 3月 3月 <乗用車など>
  • リフト・アップなどの状態で、フレーム、クロス・メンバなどのリベット及びボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。また、フレーム、クロス・メンバなどに損傷などがないかを目視などにより点検します。
  • ドア、エンジン・フード、トランク・リッドなどの各ヒンジに緩みがないかを手で動かすなどして点検します。
<貨物車など>
  • リフト・アップなどの状態で、フレーム、サイド・メンバ、クロス・メンバなどのリベット及びボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。また、フレーム各部に損傷などがないかを目視などにより点検します。
  • チルト式キャブにあっては、キャブ・チルト・ロック装置、ヒンジなどの各部に緩み及び損傷がないかを目視などにより点検します。また、機能に異状がないかを点検します。
  • 物品積載装置、巻込防止装置、突入防止装置などの取付ボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。また、物品積載装置、巻込防止装置、突入防止装置などに損傷などがないかを目視などにより点検します。
  • ドア、エンジン・フード、バック
    • ドアなどのヒンジに緩みがないかを手で動かすなどして点検します。また、損傷がないかを目視などにより点検します。
連結装置 カプラの機能及び損傷       12月 12月
  • 平坦な場所で、トレーラなどとの連結及び切離しがスムーズに行えるかを点検します。
  • カプラの取付部に緩みがないかをスパナなどにより点検します。
  • カプラ・ジョー、ジョー・ピン、シャフト及び軸受部に摩耗、損傷及びがたがないかを目視などにより点検します。また、ラバー式カプラの場合には、ラバーに損傷及び摩耗がないかを目視などにより点検します。
  • カプラ・サドル(ベース)の上面に損傷及び摩耗がないかを目視などにより点検します。
キング・ピン及びルネット・アイの摩耗、亀(き)裂及び損傷         12月
  • トレーラのキング・ピン及びキング・ピン・プレートに亀(き)裂、摩耗及び損傷がないかを目視などにより点検します。また、キング・ピン取付部に損傷がないかを目視などにより点検します。
  • ルネット・アイに亀(き)裂、摩耗及び損傷がないかを目視などにより点検します。また、取付部に緩みがないかをスパナなどにより点検します。
ピントル・フックの摩耗、亀(き)裂及び損傷       12月  
  • ピントル・フックに亀(き)裂、摩耗及び損傷がないかを目視などにより点検します。また、取付部に緩みがないかをスパナなどにより点検します。
座席 ※座席ベルト(シート・ベルト)の状態   12月   12月  
  • シート・ベルトに損傷がないかを目視などにより点検します。また、バックルを操作してかみ具合に異状がないかを点検します。
開扉発車防止装置 機能       12月  
  • 乗降口の扉を開いたとき、運転席の警報装置が作動するか、また、扉を閉じた後でなければ発車しないかを点検します。
その他 シャシ各部の給油脂状態 6月 6月 3月 3月  
  • シャシ各部の給油脂の状態が十分であるかを目視などにより点検します。
  • 給油脂部のダスト・ブーツの破損並びにグリース・ニップルの脱落及び緩みを点検します。
  • 自動給脂式のものは、自動給脂装置のスイッチを操作し、パイロット・ランプの点灯により、給脂が十分であるかを目視などにより点検します。
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(2)二輪自動車

点検箇所 点検項目 点検時期
(年又は月ごと)
点検の実施方法
かじ取り装置(ハンドル、フロント、フォーク) ハンドル 操作具合 2年
  • フロント・ホイールを浮かせて、手でハンドルを左右に動かし、左右の動きがスムーズであるかを点検します。
  • ハンドルに対して前輪の曲がり(ひねり)がないかを目視などにより点検します。
  • 走行して、ハンドルが異状に振れたり、取られないか、また、操作が異常に重くないかを点検します。
フロント・フォーク 損傷 2年
  • フロント・フォークに損傷及び曲がりなどがないかを目視により点検します。
  • フロント・フォークを上下に作動させて、フロント・フォークに異音、油漏れなどがないかを点検します。
ステアリング・ステムの取付状態 2年
  • ステアリング・ステムの締付ボルト及びナットに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
ステアリング・ステムの軸受部のがた 1年
  • ホイールを浮かした状態で、手でフロント・フォークの下部を前後に動かし、軸受部にがたがないかを点検し、又はフロント・ブレーキを作動させた状態で、ハンドルを前後、上下に動かし、軸受部にがたがないかを点検します。
  • 必要がある場合には、ステアリング・ステムを取り外し、摩耗、亀(き)裂、曲がりなどがないかを目視などにより点検します。
制動装置(ブレーキ) ブレーキ・ペダル及びブレーキ・レバー 遊び 1年
  • ブレーキ・ペダルを手で抵抗を感じるまで押し、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。なお、ペダルの下に床板を有するものにあってもペダルの遊びを点検します。
  • ブレーキ・レバーを手で抵抗を感じるまで引き、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
  • 油圧式のものにあっては、ブレーキ・レバーの引き具合により、又はペダルの踏みごたえにより、エアが混入していないかを点検します。
ブレーキの効き具合 1年
  • 乾燥した路面を走行して、フロント・ブレーキ及びリヤ・ブレーキを別々に作動させ、効き具合が十分であるかを点検し、又はブレーキ・テスタを用いて、制動力が規定値以上であるかを点検します。
ロッド及びケーブル類 緩み、がた及び損傷 1年
  • ブレーキを作動させ、ロッド及びケーブル類に損傷、曲がりなどがないか、取付部及び連結部に緩み、がた及び損傷がないかをスパナなどにより点検します。
  • ブレーキを作動させたとき、異常に重くないかを点検します。また、割ピン類に欠損がないかを目視などにより点検します。
ホース及びパイプ 漏れ、損傷及び取付状態 1年
  • ブレーキを作動させ、ホース、パイプ及び接続部からブレーキ液の漏れがないかを点検します。
  • ホース、パイプ及び接続部に劣化、損傷などがないかを点検します。また、結合部及びクランプに緩みがないか、ハンドルを左右に切ったとき又は走行中の振動によりホース及びパイプが他の機構部分に干渉しないかを点検します。
マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ及びディスク・キャリパ 機能、摩耗及び損傷 2年
  • ブレーキを作動させ、マスタ・シリンダ及びディスク・キャリパの作動具合を外部からパッドの動きにより点検します。
  • マスタ・シリンダ及びディスク・キャリパに損傷がないかを目視などにより点検します。
  • マスタ・シリンダ及びディスク・キャリパ・アセンブリを分解したときは、ピストン・カップ、ピストン・シール、ブーツなどに摩耗、損傷、腐食、劣化などがないかを目視などにより点検します。
液漏れ 1年
  • マスタ・シリンダ、ディスク・キャリパ及びその周辺から液漏れがないかを目視などにより点検します。
ブレーキ・ドラム及びブレーキ・シュー ドラムとライニングとのすき間 1年距離
  • ブレーキを数回作動させ、シューを安定させた後、ホイールを浮かせて手で回したとき、引きずりがないかを点検します。
シューの摺(しゅう)動部分及びライニングの摩耗 1年距離
  • ブレーキを作動させ、ブレーキ・アームとブレーキ・パネル部のウェア・インジケータ(摩耗限度ライン)により、シューの摺(しゅう)動部分及びライニングに摩耗がないかを目視などにより点検します。ただし、ウェア・インジケータが規定値を超えている場合、又はウェア・インジケータが付いていない場合には、ブレーキ・パネルを取り外し、シューの作動状態に異状がないか、ライニングに異状な摩耗、損傷及び剥(はく)離がないかを目視などにより点検します。また、ライニングの厚みをスケールなどにより点検します。
  • 必要がある場合には、ブレーキ・シューを取り外し、シューの摺(しゅう)動部分の摩耗及び損傷、アンカ・ピンの摩耗及びさび付状態、リターン・スプリングのへたり、ブレーキ・カム面の摩耗並びにセレーション部のねじれを目視などにより点検します。
ドラムの摩耗及び損傷 2年
  • ブレーキを作動させ、ブレーキ・アーム及びブレーキ・パネル部のウェア・インジケータ(摩耗限度ライン)によりドラムの摩耗状況を点検し、かつ、ドラムの外観に損傷がないかを点検します。
  • ブレーキ作動時に異音がある場合、ウェア・インジケータが規定値を超えている場合、又はウェア・インジケータが付いていない場合には、ホイールを取り外しドラム内面に異状な摩耗、損傷などがないかを目視などにより点検します。
ブレーキ・ディスク及びパッド ディスクとパッドとのすき間 1年距離
  • ブレーキを数回作動させパッドを安定させた後、ホイールを浮かせて手で回し、ブレーキの引きずりがないかを点検します。
パッドの摩耗 1年距離
  • キャリパ・ボディーの点検孔からウェア・インジケータ(摩耗限度ライン)によりパッドの厚みを点検します。また、必要に応じてスケールなどにより点検します。
ディスクの摩耗及び損傷 2年
  • ディスクに摩耗及び損傷がないかを目視などにより点検します。
走行装置 ホイール タイヤの状態 1年距離
  • タイヤ・ゲージを用いて、空気圧が規定値であるか点検します。
  • タイヤの全周にわたり、亀(き)裂及び損傷がないか、釘、石及びその他の異物が刺さったり、かみ込んだりしていないか、又は偏摩耗などの異状な摩耗がないかを目視などにより点検します。
  • タイヤの接地面に設けられているウェア・インジケータ(スリップ・サイン)の表示により点検するか、又はタイヤの接地面の全周にわたり、溝の深さが規定値以上あるかをディプス・ゲージなどにより点検します。
ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み 1年
  • アクスル・シャフトとアクスル・ホルダの締付ナット及びボルトに緩みがないか並びにホイール・ナット及びホイール・ボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。また、割ピン類に欠損がないかを目視などにより点検します。
フロント・ホイール・ベアリングのがた 1年距離
  • フロント・フォークを動かないようにして、タイヤの両端に手をかけて動かし、フロント・ホイール・ベアリングにがたがないかを点検します。また、ホイールを浮かせて手で回したとき、スムーズに回転し異音がないかを点検します。
リヤ・ホイール・ベアリングのがた 1年距離
  • タイヤの両端に手をかけて動かし、リヤ・ホイール・ベアリングにがたがないかを点検します。また、ホイールを浮かせて手で回したとき、スムーズに回転し異音がないかを点検します。
緩衝装置 サスペンション・アーム(スイング・アーム) 連結部のがた及びアームの損傷 2年
  • スイング・アーム、リンクなどの連結部に、がたがないかを手で揺するなどして目視などにより点検します。
  • スイング・アームに損傷などがないかを目視などにより点検します。また、スイング・アームの取付ボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
  • ボトム・リンク式のフロント・フォークを採用している場合は、フォーク・ロッカ・アームの連結部にがたがないかを手で揺するなどして点検します。また、フォーク・ロッカ・アームの損傷及び取付部に緩みがないかをスパナなどにより点検します。
ショック・アブソーバ 油漏れ及び損傷 2年
  • フロント・フォーク及びリヤ・ショック・アブソーバに油漏れ及び損傷がないかを目視などにより点検します。
動力伝達装置 クラッチ クラッチ・レバーの遊び 1年
  • クラッチ・レバーを手で抵抗を感じるまで引き、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
作用 2年
  • アイドリング状態で、クラッチ・レバーを一杯に引いたときに異音がないか及び異常に重くないかを点検します。また、変速操作がスムーズにできるか点検します。
  • クラッチ・レバーを徐々に離して発進したとき、滑りがなく、かつ、接続がスムーズであるかを点検します。
  • 自動クラッチにあっては、走行するなどして接続が滑らかであるかを点検します。
トランスミッション 油漏れ及び油量 1年距離
  • トランスミッション周辺から油漏れがないかを目視などにより点検します。
  • 車両を水平な状態にして、エンジンを停止させ、数分後に油量が規定の範囲にあるかをオイル・レベル・ゲージなどにより点検します
プロペラ・シャフト及びドライブ・シャフト 継手部のがた 2年
  • エンジンを止めた状態で、リヤ・ホイールを浮かせて1速の位置に変速した後、ホイールを手で回したとき、異状ながたがないかを点検します。
  • ブーツに亀(き)裂及び損傷がないか目視などにより点検します。
チェーン及びスプロケット チェーンの緩み 1年
  • リヤ・ホイールを浮かせて、ホイールを低速で回しながらチェーンに緩みがないかを点検します。また、チェーンのさび付き、給油脂状態を目視などにより点検します。
  • スプロケット間のチェーンの中央部を上下に動かし、チェーンのたわみが規定の範囲にあるかをスケールなどにより点検します。
スプロケットの取付状態及び摩耗 1年
  • スプロケットの取付ナット及びボルトに緩みがないかをスパナなどにより点検します。
  • スプロケットに摩耗及び損傷がないかを目視などにより点検します。
ドライブ・ベルト 摩耗及び損傷 1年距離
  • アイドリング又は空ぶかしの状態で異音がないかを点検します。
  • 走行して、変速が円滑にできるかを点検します。
電気装置 点火装置 点火プラグ(スパーク・プラグ)の状態 1年距離
  • スパーク・プラグ(白金プラグ及びイリジウム・プラグを除く。)を取り外し、次の点検を行います。
    • 電極に汚れ、損傷及び摩耗がないか並びに絶縁碍(がい)子に焼損がないかを目視などにより点検します。
    • 中心電極と接地電極とのすき間(プラグ・ギャップ)が規定の範囲にあるかをプラグ・ギャップ・ゲージなどにより点検します。
点火時期 1年
  • エンジン暖機後、アイドリング状態でタイミング・ライトなどを用いて、点火時期が適切であるかを規定の合わせマークを見て点検します。
バッテリ ターミナル部の接続状態 1年
  • ターミナル部に、緩み及び腐食がないかを目視などにより点検します。
電気配線 接続部の緩み及び損傷 2年
  • 電気配線の接続部に緩みがないかを手で動かすなどして点検します。
  • ハンドルを動かしたときにフレームとフロント・フォークとの間にかみ込みがないかを目視などにより点検します。
  • 電気配線に損傷がないか及びクランプに緩みがないかを目視などにより点検します。
原動機(エンジン) 本体 低速及び加速の状態 1年
  • エンジンを暖機させた状態で、アイドリング時の回転がスムーズに続くかを点検します。また、回転計を用いて点検する場合は、アイドリング時の回転数が規定の範囲にあるかを点検します。
  • エンジンを徐々に加速したとき、スロットル・グリップに引っ掛かりがないか、かつ、エンスト、ノッキングなどを起こすことなくスムーズに回転するかを走行するなどして点検します。
排気の状態 1年
  • エンジンを十分に暖機させた状態で、回転計を用いてアイドリング回転数が規定の範囲にあるかを点検します。
  • 排気ガスの色が白煙及び黒煙でないかを目視などにより点検します。
  • 以下の項目に異状がないことを確認するか、又はアイドリング時のCO(一酸化炭素)及びHC(炭化水素)の排出濃度をCO・HCテスタにより点検します。
    • 確認項目
    • エンジンオイルの汚れ及び量
    • スロットル・バルブ及びチョークバルブの作動
    • 燃料装置のリンク機構の状態
    • エグゾースト・パイプ、マフラの緩み及び損傷
    • 原動機のかかり具合及び異音
    • キャブレータの同調
    • 原動機本体の弁すき間
    • 低速及び加速の状態
    • 点火時期
    • ブローバイ・ガス還元装置の配管の損傷
    • 一酸化炭素等発散防止装置の配管の損傷及び取付状態
    • 一酸化炭素等発散防止装置の二次空気供給装置の機能
    • マフラの機能
エア・クリーナ・エレメントの状態 1年距離
  • エレメントを取り外し、汚れ、詰まり、損傷などがないかを目視などにより点検します。
潤滑装置 油漏れ 1年
  • シリンダ、クランク・ケース、オイル・パイプ、オイル・ホースなどから油漏れがないかを目視などにより点検します。
  • 2サイクル・エンジンにあっては、オイル・ポンプの取付部、オイル・タンクなどから油漏れがないかを目視などにより点検します。
燃料装置 燃料漏れ 1年
  • フューエル・タンク、フューエル・コック、ホース、パイプ及びキャブレータなどから燃料漏れがないかを、フューエル・コックのすべての切替位置で目視などにより点検します。
  • フューエル・ホース及びパイプに損傷及び劣化がないかを目視などにより点検します。
リンク機構の状態 1年
  • リンク機構がスムーズに動くかをスロットル・グリップの操作により点検します。
スロットル・バルブ及びチョーク・バルブの作動状態 1年
  • スロットル・バルブ及びチョーク・バルブがスムーズに動くかをスロットル・グリップ、チョーク・レバーなどを操作して点検します。
冷却装置 水漏れ 1年
  • アイドリング状態又はラジエータ・キャップ・テスタで加圧した状態で、ラジエータ、ウォータ・ポンプ、ラジエータ・ホースなどから水漏れがないかを目視などにより点検します。
  • ラジエータ・ホースに損傷及び劣化がないか、かつ、ホースのクランプ類に緩みがないかを目視などにより点検します。
ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置 ブローバイ・ガス還元装置 配管の損傷 2年
  • 目視などにより、次の点検を行います。
    • ホース、パイプなどの配管に劣化及び損傷がないか。
    • クランプの取付状態に異状がないか。
一酸化炭素等発散防止装置 二次空気供給装置の機能 2年
  • 二次空気供給装置用フィルタの詰まり及び損傷を点検します。また、アイドリング状態で、二次空気供給装置のエア・ホースをエア・クリーナ側で外し、ホースからの空気の吸い込みを点検します。
    (ただし、規定の方法により点検を行うこととされている場合には、その方法により点検します。)
配管の損傷及び取付状態 2年
  • ホース及びパイプに損傷、外れなどがないかを目視などにより点検します。
エグゾースト・パイプ及びマフラ 取付けの緩み及び損傷 1年
  • エグゾースト・パイプとマフラの接続部及び取付部に緩みがないかをスパナなどにより点検します。
  • 損傷、排気ガスの漏れ及び他の部分との接触のおそれがないかを目視などにより点検します。
マフラの機能 2年
  • エンジンの回転数を変化させて、排気音に異状がないかを聴くことなどにより点検します。
フレーム 緩み及び損傷 1年
  • フレームなどのボルト及びナットに緩みがないかをスパナなどにより点検します。また、フレームなどに損傷などがないかを目視などにより点検します。
その他 シャシ各部の給油脂状態 1年
  • シャシ各部の給油脂状態が十分であるかを目視などにより点検します。
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4 整備の実施の方法

ここでは、「2 日常点検の実施の方法」と「3 定期点検の実施の方法」に基づき点検を行った結果、清掃、調整、交換などの整備が必要となった場合、通常行われることが多いものの代表例について、その実施の方法を説明しています。

 

整備の際に、特に注意を要する事項は、次のとおりです。

  1. 安全な場所を選ぶ。
  2. ユーザー自身が整備を行おうとする場合は、知識、技量の範囲内で行う。
  3. 適切な工具を使用する。
  4. エンジンは停止状態で行う。
  5. 駐車ブレーキ・レバーを十分に引き、車輪に輪止めをかけるなどして、車両を動かないようにして行う。
  6. 自動車をリフト・アップする場合には、適切なジャッキ、スタンド、リフトなどを使用して安全に行う。(自動車に備付けの簡易なジャッキは、タイヤ交換時に使用するものです。)
  7. 廃棄部品や油脂液類は、環境に悪影響を与えないよう適切に処理を行う。
(1)四輪自動車など
装置 整備項目 整備の実施方法 注意事項
制動装置(ブレーキ) ブレーキ液の補給
  • ブレーキ液が不足している場合は、ブレーキ液のリザーバ・タンクのキャップを外し、上限(MAX)までブレーキ液を補給します。
  • 補給後は、キャップを確実に締め付けます。
  • ブレーキ液は、上限(MAX)を超えて補給しないでください。
  • ブレーキ液を補給するときは、タンク内にごみなどが入らないように十分注意してください。
  • ブレーキ液を補給するときは、こぼさないようにしてください。車体にこぼしたときは、拭(ふ)き取ってください。
  • 補給はエンジンが冷えてから行ってください。エンジン温度が高いときに、排気系統へブレーキ液が付くと発煙する危険があります。
  • ブレーキ液は、車両にあった品質のものを使用してください。(ブレーキ液の規格は、リザーバ・タンクのキャップの上面などに表示してあります。)異質のものを混用すると、性能が低下したり、ホースなどのゴム部品の損傷を早めるおそれがあります。
  • ブレーキ液の減り具合が著しいときは、ブレーキ系統の液漏れが考えられます。
走行装置 タイヤの交換
  • 工具、ジャッキ及びスペア・タイヤを取り出します。
  • 駐車ブレーキ・レバーを十分に引き、交換するタイヤとの対角線のタイヤ(例:右後輪を交換する場合は 左前輪)の前後に輪止めをかけます。
  • 交換するタイヤに近いジャッキ・ポイントにジャッキをかけます。
  • ホイール・レンチでホイール・ナットを少し(約1回転)緩めます。
  • タイヤが地面から少し浮くまで静かにジャッキ・アップします。
  • ホイール・ナットを外し、タイヤを交換します。
  • ディスク・ホイールががたつかない程度までホイール・ナットを締め付けます。このとき、ホイール・ナットの大きく斜めになっている部分(テーパ部)とディスク・ホイールのホイール・ナット当たり面が均等に密着するように締め付けます。
  • タイヤが地面に接するまでジャッキを下げ、ホイール・ナットを対角線の順序で2、3回に分けて、徐々に締め付けます。最後の締め付けは確実に行ってください。
    (最後の締め付け方法は、車の種類によって異なりますので、定められた方法で確実に締め付けてください。)
  • ジャッキを外して、工具、ジャッキ及び交換したタイヤを所定の位置に片付けます。
  • 交換したタイヤは早めに修理してください。
  • ジャッキ・アップ中は危険ですからエンジンをかけたり、車の下に潜り込んだり、のぞき込まないようにしてください。
  • 取り出したスペア・タイヤは、ジャッキが外れたときの危険防止のため、ジャッキ近くの車体の下に置きます。
  • 締め付けるときは、レンチを足で踏んだり、パイプなどを使用して必要以上に締め付けないでください。
  • 万一、パンクにより路上でタイヤを交換するときは、交通のじゃまにならず、安全に作業できる平らな地面の硬いところを選びます。
    また、非常点滅表示灯や停止表示器材で後続車に注意を促し、同乗者は 降ろしてください。
  • インナー・ナット付ダブル・タイヤの場合
    • 内側と外側のエア・バルブ位置をずらして 取り付けてください。
    • 内輪を交換したときは、インナー・ナットを完全に締め付けた後、外輪を取り付けてください。
    • 外輪だけを交換するときは、インナー・ナットが確実に締め付けられていることを確認してください。
  • 車によっては、ホイール・ナットが、車両の右側のものは右ねじ、左側のものは左ねじになっているものがありますので、緩めたり締め付けたりするときは、その方向に注意してください。
  • ホイール・ナットの締付けは、当該ディスク・ホイールの中心点を挟んで反対側にある2つのホイール・ナットを交互に、かつ、個々のホイール・ナットが均等に締め付けられるように数回に分けて徐々に締める方法に則り行い、最後にトルク・レンチを用いるなどにより規定トルクで締め付けます。
  • スチール製ディスク・ホイール又はアルミ製ディスク・ホイールの取付けには、それぞれ専用のホイール・ボルト及びホイール・ナットが必要な車の種類があります。このような車両では、アルミ製ディスク・ホイールからスチール製ディスク・ホイール又はスチール製ディスク・ホイールからアルミ製ディスク・ホイールに交換する場合は、専用のホイール・ボルト及びホイール・ナットに交換してください。
電気装置 バッテリ・ターミナル部の清掃
  • ターミナル部に汚れや腐食があるときは清掃します。なお、ターミナル部が腐食して白い粉が付いているときは、ぬるま湯を湿した布で拭(ふ)くとよく落ちます。
  • ターミナル部の腐食が著しいものは、ターミナル部を取り外し、ワイヤ・ブラシ、サンド・ペーパで磨きます。
  • 清掃、締付後は、ターミナル部にグリースを薄く塗っておきます
  • バッテリの整備を行うときは、必ずエンジンを停止させてください。
  • 作業中、バッテリの+−端子が工具などによりショートすると危険ですから注意してください。
  • 清掃のときは、バッテリ槽内に異物が入らないように注液口のキャップを締めておいてください。
  • ターミナルからバッテリ端子を取り外す場合は、アース側の端子から外してください。また、取り付ける場合は、アース側の端子を最後に取り付けてください。
  • ターミナル部に緩みが生じないよう確実に締め付けてください。
バッテリ液の補給
  • バッテリ液が不足している場合は、キャップを外し、各槽とも上限(UPPER―LEVEL)まで精製水を補給します。
  • 補給後はキャップを確実に締め付けます。
バッテリ液は、腐食性が大きく皮膚炎を起こしたり、金属を腐食させるなど非常に危険なので、人体、衣服、車体などに付着しないよう取扱いには十分注意してください。
(メンテナンス・フリー・バッテリ(密封型)の場合は、バッテリにはってある注意書きに従ってください。)
ヒューズの交換
  • 灯火装置(前照灯、制動灯など)
  • 方向指示器
  • 窓拭(ふき)器(ワイパー)
  • 洗浄液噴射装置(ウィンド・ウォッシャ)など
  • エンジン・スイッチを切り、故障状況から、点検すべきヒューズをヒューズ・ボックスの表示に従い確認し、ヒューズが切れていないかを点検します。
  • ヒューズが切れている場合は、ヒューズ・ボックスの表示に従い、指定されている容量のヒューズと交換します。
  • 指定容量を超えるヒューズ、針金、銀紙などは、配線の加熱、焼損の原因になるので使用しないでください。
  • 交換してもすぐにヒューズが切れる場合は、他の原因が考えられます。
原動機(エンジン) エア・クレーナ・エレメントの清掃、交換
  • クリップ、ナットなどの締付金具を外し、カバーを取り外します。
  • 乾式ろ紙タイプの場合は、ろ紙を傷つけないよう軽くたたくか、又はエレメントの内側から圧縮空気を吹きつけ、塵などを吹き飛ばしてください。
    なお、湿式ろ紙タイプの場合は、清掃すると目詰まりを引き起こすおそれがあるので清掃しないでください。
  • エレメントを交換する際は、エレメントの取付方向、カバーの取付方向が定められているものは、その方法に従ってください。
  • カバーを取り付け、クリップ、ナットなどの締付金具を確実に締め付けます。
  • カバーを取り外したとき、ナットをキャブレータ内などに落としたりしないようにしてください。
  • 取り外したカバー、ナットをエンジン・ルーム内に置いたままでエンジンをかけると、けがをしたり部品が破損するおそれがあります。
エンジン・オイルの補給
  • オイル・フィラ・キャップを外し、オイルを補給します。
  • オイル補給後、オイルの量が規定の範囲にあるかをオイル・レベル・ゲージで確認します。
  • オイル・フィラ・キャップを確実に取り付けます。
  • 作業は平坦な場所で行います。
  • オイルは、車両にあった品質のものを使用してください。
  • 補給するときは、オイル・フィラからごみなどが入らないようにしてください。
  • オイルの量は規定の範囲の上限(MAX)を超えないようにしてください。
  • オイルをこぼしたときは、完全に拭き取ってください。
ジーゼル車の燃料フィルタの水抜き 燃料フィルタ又は水分離器の底に水がたまった場合には、下に受け皿を置き、水抜き用プラグを緩めて排水します。
なお、プライミング(手動)ポンプを操作して燃料を送ると早く排水できます。
周囲に付着した燃料をよく拭(ふ)き取ってください。
ジーゼル車の燃料系統のエア抜き
  • 燃料フィルタ又は噴射ポンプのエア・プラグをスパナなどの工具により緩めます。
  • エア・プラグから出る燃料中の気泡がなくなるまでプライミング・ポンプを操作し、混入したエアを抜きます。
    なお、燃料系統にエアが入ると、エンジンが始動しにくくなります。
  • エア抜き後は、プライミング・ポンプとエア・プラグを固定します。
  • エア・プラグ、燃料フィルタなどから燃料漏れがないかを確認します。
  • 周囲に付着した燃料をよく拭(ふ)き取ってください。
冷却水の補給 (リザーバ・タンク付きの車両)
  • 冷却水が不足している場合は、リザーバ・タンクのキャップを外し、タンクの上限(FULL)まで冷却水を補給します。
  • 通常は、ラジエータ・キャップを外さないでください。
    ただし、リザーバ・タンクに冷却水がないときは、ラジエータのキャップを外し、ラジエータの口元いっぱいまで補給します。
  • 補給後はキャップを確実に取り付けます。
(リザーバ・タンクなしの車両)
  • ラジエータ・キャップを外し、冷却水を規定の量まで補給します。
  • 補給後はラジエータ・キャップを確実に取り付けます。
  • 冷却水は上限(FULL)を超えて入れないでください。
    冷却水の温度が高いとき、急にラジエータ・キャップを外すと蒸気や熱湯が吹き出し危険です。水温が下がってから、布きれなどでキャップを包み静かに開けてください。
  • 冷却水の減り具合が著しいときは、ラジエータ本体、ホースなどからの水漏れが考えられます。
冷却水の交換 (冷却水の抜き方)
  • ラジエータ・キャップを外し、次にドレン・プラグを外し、冷却水を抜きます。
  • リザーバ・タンクの冷却水も同時に抜きます。
(冷却水の入れ方)
  • ラジエータのドレン・プラグを確実に締め付けます。
  • 室内のヒータの温度調整レバーを「HOT」の位置にします。
  • リザーバ・タンク付きの車両の場合は、冷却水をラジエータの口元まで入れ、次にリザーバ・タンクの上限(FULL)まで入れます。
    また、リザーバ・タンクなしの車両の場合は冷却水をラジエータの規定の量まで入れます。
  • 補給後はキャップを確実に取り付けます。
  • エンジンを始動させ、しばらくたってからエンジンを停止させ、ラジエータ・キャップを外して冷却水の減り具合を確認し、減り具合が著しいときは、冷却水を補給します。
  • 補給後はラジエータ・キャップを確実に取り付けます。
  • 冷却水の温度が高いとき、急にラジエータ・キャップを外すと蒸気や熱湯が吹き出し危険です。水温が下がってから、布きれなどでキャップを包み静かに開けてください。
  • ロング・ライフ・クーラント、不凍液などは、車両にあった品質のものを使用してください。
その他 洗浄液噴射装置の洗浄液(ウィンド・ウォッシャ液)の補給 ウィンド・ウォッシャ液の原液の希釈割合は気温によって異なるので、次の割合を参考にして希釈した洗浄液をタンクに補給します。
使用地域・季節 希釈割合 凍結温度
通常 原液1に水2 -10℃程度
寒冷地の冬季 原液1に水1 -20℃程度
極寒冷地の冬季 原液のまま -50℃程度
タンクが空のままウィンド・ウォッシャを使用すると、モーターが破損することがあります。
窓拭(ふき)器(ワイパー)のブレードの交換 ワイパーのアームを起こし、ブレード取付部を外してブレードを交換します。
  • 車の種類により左右のブレードの長さが異なる場合がありますので、取り外す前に長さを確認しておいてください。
  • 収納型ワイパー(コンシールド・タイプ)の場合は、ワイパーを作動させ、アームが上方に向いたときエンジン・スイッチを切り、作動を停止させてから作業します。
    なお、アームを起こしたまま作動させると車体に傷を付けることがあります。
  • ブレードを取り外したとき、アームを倒すとガラスに傷を付けることがあります。
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(2)二輪自動車
装置 整備項目 整備の実施方法 注意事項
制動装置(ブレーキ) ブレーキ液の補給
  • ブレーキ液が不足している場合は、ブレーキ液のリザーバ・タンクのキャップを外し、上限(MAX)までブレーキ液を補給します。
  • 補給後は、キャップを確実に締め付けます。
  • ブレーキ液は、上限(MAX)を超えて補給しないでください。
  • ブレーキ液を補給するときは、タンク内にごみなどが入らないように十分注意してください。
  • ブレーキ液は、車両にあった品質のものを使用してください。異質のものを混用すると性能が低下することがあります。
  • ブレーキ液の減り具合が著しいときは、ブレーキ系統の液漏れが考えられます。
フロント・ブレーキ・レバー、リヤ・ブレーキ・レバーの遊びの調整(ディスク・ブレーキを除く。)
  • ブレーキ・ケーブルのブレーキ・レバー側又はブレーキ・パネル側のアジャスタにより遊びを調整します。
  • 調整後は、ブレーキ・レバーを手で抵抗を感じるまで引き、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより確認します。
  • 遊びを確認する箇所と遊びの量は車の種類により異なりますので、自動車製作者が指定する方法により確認してください。
 
リヤ・ブレーキ・ペダルの遊びの調整(ディスク・ブレーキを除く。)
  • ブレーキ・パネル部のアジャスタにより遊びを調整します。
  • 調整後は、ブレーキ・ペダルを手で抵抗を感じるまで押し、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより確認します。
  • 遊びを確認する箇所と遊びの量は車の種類により異なりますので、自動車製作者が指定する方法により確認してください。
緩衝装置 リヤ・ショック・アブソーバの調整 スプリングの強弱をアジャスタにより調整します。 アジャスタによる調整は、左右の不揃(そろ)いがないよう位置又は数字などを合わせて行ってください。
動力伝達装置 クラッチ・レバーの遊びの調整(油圧式を除く。)
  • クラッチ・ケーブルのクラッチ・レバー側又はクラッチ側のアジャスタにより遊びを調整します。
  • 調整後は、クラッチ・レバーを手で抵抗を感じる位置まで引き、遊びの量が規定の範囲にあるかをスケールなどにより確認します。
  • 遊びを確認する箇所と遊びの量は車の種類により異なりますので、自動車製作者が指定する方法により点検してください。
 
電気装置 バッテリ・ターミナル部の清掃
  • ターミナル部に汚れや腐食があるときは清掃します。
    なお、ターミナル部が腐食して白い粉が付いているときは、ぬるま湯を湿した布で拭(ふ)くとよく落ちます。
  • ターミナル部の腐食が著しいものは、ターミナル部を取り外し、ワイヤ・ブラシ、サンド・ペーパで磨きます。
  • 清掃、締付後は、ターミナル部にグリースを薄く塗っておきます。
  • バッテリの整備を行うときは、必ずエンジンを停止させてください。
  • 作業中、バッテリの+−端子が工具などによりショートすると危険ですから注意してください。
  • 清掃のときは、バッテリ槽内に異物が入らないように注液口のキャップを締めておいてください。
  • ターミナルからバッテリ端子を取り外す場合は、アース側の端子から外してください。
    また、取り付ける場合は、アース側の端子を最後に取り付けてください。
  • ターミナル部に緩みが生じないよう確実に締め付けてください。
バッテリ液の補給
  • バッテリ液が不足している場合は、キャップを外し、各槽とも上限(UPPER―LEVEL)まで精製水を補給します。
  • 補給後はキャップを確実に締め付けます。
バッテリ液は、腐食性が大きく皮膚炎を起こしたり、金属を腐食させるなど非常に危険なので、人体、衣服、車体などに付着しないよう取扱いには十分注意してください。
(メンテナンス・フリー・バッテリ(密封型)の場合は、バッテリにはってある注意書きに従ってください。)
ヒューズの交換
  • 灯火装置(前照灯、制動灯など)
  • 方向指示器
  • エンジン・スイッチを切り、故障状況から、点検すべきヒューズをヒューズ・ボックスの表示に従い確認し、ヒューズが切れていないかを点検します。
  • ヒューズが切れている場合は、ヒューズ・ボックスの表示に従い、指定されている容量のヒューズと交換します。
  • 指定容量を超えるヒューズ、針金、銀紙などは、配線の加熱、焼損の原因になるので使用しないでください。
  • 交換してもすぐにヒューズが切れる場合は、他の原因が考えられます。
原動機(エンジン) エア・クリーナ・エレメントの清掃、交換
  • クリップ、ナットなどの締付金具を外し、カバーを取り外します。
  • 湿式ウレタン・タイプの場合は、洗浄油で洗って乾燥させた後オイルに浸し、固くしぼって取り付けます。
    また、乾式ろ紙タイプの場合は、ろ紙を傷つけないよう軽くたたくか、又はエレメントの内側から圧縮空気を吹き付け、塵などを吹き飛ばしてください。
    なお、湿式ろ紙タイプの場合は、清掃すると目詰まりを引き起こすおそれがあるので清掃しないでください。
  • エレメントを交換する際は、エレメントの取付方向、カバーの取付方向が定められているものは、その方法に従ってください。
  • カバーを取り付け、クリップ、ナットなどの締付金具を確実に締め付けます。
湿式ウレタン・タイプの場合は、車両にあった品質のオイルを使用してください。
エンジン・オイルの補給
  • オイル・フィラ・キャップを外し、オイルを補給します。
  • オイル補給後、オイルの量が規定の範囲にあるかをレベル・ゲージで確認します。
  • オイル・フィラ・キャップを確実に取り付けます。
  • 作業は平坦な場所で行います。
  • オイルは、車両にあった品質のものを使用してください。
  • 補給するときは、オイル・フィラからごみなどが入らないようにしてください。
  • オイルの量は規定の範囲の上限(MAX)を超えないようにしてください。
  • オイルをこぼしたときは、完全に拭(ふ)き取ってください。
冷却水の補給 (リザーバ・タンク付きの車両)
  • 冷却水が不足している場合は、リザーバ・タンクのキャップを外し、タンクの上限(FULL)まで冷却水を補給します。
  • 通常は、ラジエータ・キャップを外さないでください。
    ただし、リザーバ・タンクに冷却水がないときは、ラジエータのキャップを外し、ラジエータの口元いっぱいまで補給します。
  • 補給後はキャップを確実に取り付けます。
(リザーバ・タンクなしの車両)
  • ラジエータ・キャップを外し、冷却水を規定の量まで補給します。
  • 補給後はラジエータ・キャップを確実に取り付けます。
  • 冷却水は上限(FULL)を超えて入れないでください。
    冷却水の温度が高いとき、急にラジエータ・キャップを外すと蒸気や熱湯が吹き出し危険です。水温が下がってから、布きれなどでキャップを包み、静かに開けてください。
  • 冷却水の減り具合が著しいときは、ラジエータ本体、ホースなどからの水漏れが考えられます。
冷却水の交換 (冷却水の抜き方)
  • ラジエータ・キャップを外し、次にドレン・プラグを外し、冷却水を抜きます。
  • リザーバ・タンクの冷却水も同時に抜きます。
(冷却水の入れ方)
  • ラジエータのドレン・プラグを確実に締め付けます。
  • リザーバ・タンク付きの車両の場合は、冷却水をラジエータの口元まで入れ、次にリザーバ・タンクの上限(FULL)まで入れます。
    また、リザーバ・タンクなしの車両の場合は、冷却水をラジエータの規定の量まで入れます。
  • 給水後はキャップを確実に取り付けます。
  • エンジンを始動させ、しばらくたってからエンジンを停止させ、ラジエータ・キャップを外して冷却水の減り具合を確認し、減り具合が著しいときは、冷却水を補給します。
  • 補給後はラジエータ・キャップを確実に取り付けます。
  • 冷却水の温度が高いとき、急にラジエータ・キャップを外すと蒸気や熱湯が吹き出し危険です。水温が下がってから、布きれなどでキャップを包み、静かに開けてください。
  • ロング・ライフ・クーラント、不凍液などは、車両にあった品質のものを使用してください。
その他 ドライブ・チェーンの給油
  • リヤ・ホイールを浮かした状態で、ホイールを手でゆっくり回しながら、チェーンやスプロケットに付着した泥、汚れをブラシなどで落とし、洗浄油で洗浄します。
  • 乾燥後、リヤ・ホイールを手でゆっくり回しながら給油を行います。
    なお、グリス封入式ドライブ・チェーンの場合は、洗浄は行わないでください。
  • オイルは、車両にあった品質のものを使用してください。
  • オイルがチェーン各部によく行きわたるようにチェーン・ローラの両側に給油してください。
  • 給油後は、余分なオイルは拭(ふ)き取ってください。
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5 その他

点検整備記録簿

点検整備記録簿は、点検の結果と整備の概要を記録、保存して、自動車の維持管理に役立てるためのものです。

点検整備記録簿は、自動車に備え付けることになっており、その保存期間は、自家用乗用自動車などにあっては2年間、その他の自動車にあっては1年間となっています。なお、自動車の維持管理を適切に継続していくためにも、この記録簿を可能な限り長期間保存し、自動車の「生涯記録簿」として活用されることが望まれます。

点検整備記録簿の記載事項と記載要領は次のとおりです。

記載事項及び記載要領
(1)「点検の年月日」 点検を実施した年月日を記載します。
(2)「点検の結果」、「整備概要」
  • それぞれの点検項目について、下表に示す作業区分に従ってチェック記号を用いるなどして、点検の結果及び必要となった整備の概要を記載します。
  • 整備の概要については、交換した主な部品(ブレーキ液、ブレーキ・ホースなど)や測定結果(ブレーキ・ライニング、ブレーキ・パッドの厚みなど)なども必要に応じ記載します。
  • 点検整備の際に分解を伴った場合には、チェック記号を〇で囲むなどして記録しておきます。
(3)「整備を完了した年月日」 整備を完了した年月日を記載します。
(4)「車台番号」、「自動車登録番号又は車両番号」 自動車に備え付けの自動車検査証又は軽自動車届出済証を見て記載します。
(5)「点検時の総走行距離」 積算距離計(オドメータ)を見て点検時における自動車の総走行距離の数値を記載します。
(6) 点検又は整備を実施した者の氏名又は名称及び住所」 点検又は整備を実施した者の氏名(法人は会社名)と住所を記載します。
なお、ユーザー自身が点検又は整備を実施した場合には、住所の記載は省略できます。
また、点検と整備を実施した者が異なるときは、両者を記載します。
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(作業区分)
作業区分 意味 作業例 チェック記号の例
点検 点検の結果、異状がなかった。
整備作業 交換 点検の結果、交換した。(部品、油脂、液類の交換作業を示す。)
  • ブレーキ・ライニングの交換
  • ホイール・ベアリングの交換
×
修理 点検の結果、修理した。(摩耗、損傷などのため部品を修復する作業を示す。)
  • 電気配線の損傷の修復
  • タイヤのパンク修理
調整 点検の結果、調整した。(機能維持のため、遊び、すき間、角度などを基準値に戻す作業を示す。)
  • ブレーキ・ドラムとライニングとのすき間調整
  • クラッチ・ペダルの遊び調整
締付 点検の結果、締め付けた。(緩んだ箇所を増し締めする作業を示す。)
  • ホイール・ナットの増し締め
  • リーフ・スプリングのUボルトの増し締め
清掃 点検の結果、清掃した。(粉塵、油などによる汚れを取り除く作業を示す。)
  • ブレーキ・ドラム内の汚れの清掃
  • バッテリのターミナル部の清掃
給油 点検の結果、給油した。(油脂、液類を補給する作業を示す。)
  • エンジン・オイルの補給
  • シャシ各部の給油脂
ページトップ
  • 参入時のチェック
  • 事後チェック
  • 運行管理者について
  • 運転者に対する教育
  • 運転者の労務管理等
  • 運転者の健康管理
  • 点検・整備の推進
  • 事故報告制度
  • 関係法令の解釈及び運用規定