我が国における自動車保有台数は約7,900万台に達し、まさに日々の生活と社会・経済活動に欠くことのできないものとなっています。また、近年、自動車は電子制御を用いた新技術の採用により益々高度化しており、より便利なものになっております。一方、交通事故や環境問題は依然として大きな社会問題になっており、安全で環境負荷の小さい車社会の確立が求められているところです。
自動車は数多くの様々な部品で構成された機械であるため、使用に伴い、また時間の経過によって劣化・摩耗が進み、その構造や装置の性能が低下しますので、点検整備を怠れば、故障や排出ガスの増加、燃料の浪費等を招きかねません。例えば、タイヤの空気圧が不足すれば安全上のトラブルを引き起こすおそれがあるだけでなく、燃費の悪化にもつながります。自動車を常に良好な状態で使用するためには、ユーザーの皆さんが責任をもって常日頃から自動車の状態を把握し、適切に維持することが重要です。
点検整備の実施に当たり、ユーザーの皆さんは自動車の使用状況(走行距離や悪路、雪道などの使用環境)や構造・装置の種類に応じて、自動車メーカーなどが公表している点検整備の情報(自動車に備え付けられているいわゆるメンテナンスノートなど)を参考とし、必要があれば専門的な知識を有する技術者に相談するなどにより、各々の自動車にふさわしい適切な点検整備を実施することが求められています。また、点検整備に伴って不要となる使用済みバッテリー、廃タイヤなどの廃棄物については、それらの処理が可能な事業者に依頼するなど適正に処理することも必要です。
この手引は、ユーザーの皆さん一人一人が自動車の点検整備についての理解を深め、使用する自動車に対して責任をもって「日常点検整備」及び「定期点検整備」を確実かつ適切に実施していただけるよう、一般的な自動車についてその標準的な使用を前提とした「日常点検」及び「定期点検」の実施方法並びにこれらの点検に伴い必要となる整備の実施方法の指針を示したものです。
今世紀にふさわしい、安全で環境負荷の小さい車社会が形成されるよう、ユーザーの皆さんがこの手引を積極的に活用され、自動車を安全かつ快適に使用することが期待されます。
(注)
対象となる主な自動車 | 自動車登録番号標又は車両番号標(例) | ||
---|---|---|---|
分類番号 | 塗色など | ||
自家用乗用など | 自家用乗用自動車 | 3、30〜39、300〜399、5、50〜59、500〜599、7、70〜79、700〜799 | 白地に緑文字又は黄地に黒文字 |
貨物の運送の用に供する自家用の検査対象軽自動車 | 40〜49 | 黄地に黒文字 | |
特種の用途に供する自家用の検査対象軽自動車 | 80〜89 | 黄地に黒文字 | |
貨物軽自動車運送事業の用に供する検査対象軽自動車 | 40〜49 | 黒地に黄文字 | |
二輪の小型自動車 | |||
二輪の軽自動車 | |||
自家用貨物など | 車両総重量が8トン未満の貨物の運送の用に供する自家用の普通自動車及小型自動車 | 1、10〜19、100〜199、4、40〜49、400〜499、6、60〜69、600〜699 | 白地に緑文字 |
乗車定員が10人以下の専ら幼児の運送を目的とする自家用の普通自動車、小型自動車 | 3、30〜39、300〜399、5、50〜59、500〜599、7、70〜79、700〜799 | 白地に緑文字 | |
乗車定員が10人以下で車両総重量が8トン未満の特種の用途に供する自家用の普通自動車、小型自動車 | 8、80〜89、800〜899 | 白地に緑文字 | |
乗車定員が10人以下で車両総重量が8トン未満の自家用の大型特殊自動車 | 9、90〜99、900〜999、0、00〜09、000〜099 | 白地に緑文字 | |
乗車定員が10人以下の乗用の普通自動車、小型自動車及び検査対象軽自動車であるレンタカー | 3、30〜39、300〜399、5、50〜59、500〜599、7、70〜79、700〜799 | 白地に緑文字又は黄地に黒文字であって、平仮名文字が「れ」、「わ」のもの | |
貨物の運送の用に供する検査対象軽自動車であるレンタカー | 40〜49 | 黄地に黒文字であって、平仮名文字が「わ」のもの | |
事業用など | 自動車運送事業(貨物軽自動車運送事業を除く。)の用に供する自動車 | 緑地に白文字 | |
貨物の運送の用に供する普通自動車及び小型自動車であるレンタカー | 1、10〜19、100〜199、4、40〜49、400〜499、6、60〜69、600〜699 | 白地に緑文字であって、平仮名文字が「れ」、「わ」のもの | |
乗車定員が11人以上の自家用自動車(いわゆる自家用のバスなど) | 2、20〜29、200〜299、8、80〜89、800〜899 | 白地に緑文字 | |
乗車定員が10人以下で車両総重量が8トン以上の自家用自動車(いわゆる自家用の大型貨物自動車など) | 1、10〜19、100〜199、8、80〜89、800〜899、9、90〜99、900〜999、0、00〜09、000〜099 | 白地に緑文字 |
日常点検は、ユーザーの皆さんが、日頃自動車を使用していく中で、自分自身の責任において行う点検です。この点検は、ユーザーの皆さん自身が運転席にすわったり、エンジン・ルームをのぞいたり、また、自動車の周りを回りながら自動車の状態をみることによって容易に実施可能なものを中心としています。
「自家用乗用など」に分類される自動車のユーザーの皆さんは、走行距離や運行時の状態などから判断した適切な時期に、例えば、行楽や帰省などの高速道路を利用した長距離走行の前や、洗車・給油を行うときなどを一つの目安に実施することが必要です。なお、全ての点検項目をまとめて実施する必要はありません。タイヤの点検などは機会あるごとに行うのがよく、使用期間の長いバッテリーなども注意を払うのがよいでしょう。
また、「自家用貨物車など」と「事業用など」に分類される自動車については、一日一回、その運行の前に実施することが必要です。『これは大型トラックやバス、タクシーなどの自動車は、多くの人や物を運搬し、公共性が高いことなどから、より確実な点検を実施していただくためのものです。』特に安全上重要な装置であるタイヤ、ブレーキ等に関しては、大型車を対象として、機構に応じたより丁寧な点検を適切な時期に実施することが必要です。
ここでは、以上の点を踏まえて標準的な点検の実施の方法について説明しています。
点検箇所 | 点検項目 | 点検の実施の方法 | ||
---|---|---|---|---|
運行中の異状箇所 | 当該箇所の異状 |
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運転席での点検 | ブレーキ・ペダル | 踏みしろ、ブレーキのきき |
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駐車ブレーキ・レバー(パーキング・ブレーキ・レバー) | 引きしろ(踏みしろ) |
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原動機(エンジン) | ※かかり具合、異音 |
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※低速、加速の状態 |
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ウィンド・ウォッシャ | ※噴射状態 |
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ワイパー | ※拭(ふ)き取りの状態 |
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◎空気圧力計 | 空気圧力の上がり具合 |
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◎ブレーキ・バルブ | 排気音 |
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エンジン・ルームの点検 | ウィンド・ウォッシャ・タンク | ※液量 |
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|
ブレーキのリザーバ・タンク | 液量 |
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バッテリ | ※液量 |
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||
ラジエータなどの冷却装置 | ※水量 |
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||
潤滑装置 | ※エンジン・オイルの量 |
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△ファン・ベルト | ※張り具合、損傷 |
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車の周りからの点検 | 灯火装置、方向指示器 | 点灯・点滅具合、汚れ、損傷 |
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タイヤ | 空気圧 |
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□取付けの状態 |
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亀(き)裂、損傷 |
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異状な摩耗 |
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※溝の深さ |
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◎エア・タンク | タンク内の凝水 |
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◎(ブレーキ・ペダル) | ※(踏みしろ、ブレーキのきき) |
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(注)
定期点検は、一般的な構造・装置の自動車に関し標準的な使用を前提として、定期的に行う必要のある点検を定めたものです。「自家用乗用など」に分類される自動車には、1年点検と2年点検の2種類があります。「自家用貨物など」に分類される自動車には、6月点検と12月点検の2種類が、また、「事業用など」に分類される自動車には、3月点検と12月点検の2種類があります。ここでは、標準的な点検の実施の方法を説明しています。
なお、特種な構造・装置の自動車や、走行距離が多いなど使用の状況が厳しい場合(いわゆるシビアコンディション)には、表に示されていない点検(メーカーなどが発行する点検整備の情報を参考として行う点検)が必要となります。
点検の際に、特に注意を要する事項は、次のとおりです。
注意
「リフト・アップなどの状態で」 | ジャッキ・アップしスタンドで保持することにより、又はリフトやピットどを使用して、自動車の下部を点検しやすい状態にすることをいます。 |
「スパナなどにより点検する」 | スパナ、レンチ、検ハンマなどの工具を使用して点検することをいいます。 |
「スケールなどにより点検する」 | スケール、ノギス、ダイヤル・ゲージなどの測定器により、測定・点することをいいます。 |
「規定・・・」 | 自動車製作者の定める方法、範囲又は値などをいいます。 |
「< >」 | 点検の対象となる構造・装置などを示します。 |
(1)四輪自動車など
点検箇所 | 点検項目 | 点検時期 (年又は月ごと) |
点検の実施方法 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
自家用乗用など | 自家用貨物など | 大型特殊 | 事業用など | 被牽引自動車 | ||||
かじ取り装置(ステアリング) | ハンドル | 操作具合 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
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ギヤ・ボックス | オイル漏れ | 12月 |
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取付けの緩み | 2年距離 | 12月 | 12月 | 12月 |
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ロッド、アーム類(ステアリング・リンケージ) | 緩み、がた、損傷 | 2年距離 | 12月 | 12月 | 3月距離 |
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ボール・ジョイントのダスト・ブーツの亀(き)裂と損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
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|||
ナックル | 連結部のがた | 12月 | 12月 | 3月距離 |
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かじ取り車輪 | ホイール・アライメント | 2年距離 | 12月 | 12月 |
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パワーステアリング装置 | ベルトの緩みと損傷 | 1年 | 6月 | 6月 | 3月 |
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||
オイル漏れ、オイル量 | 2年 | 12月 | 12月 | 3月距離 |
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取付けの緩み | 2年距離 | 12月 | 12月 | 12月 |
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制動装置(ブレーキ) | ブレーキ・ぺダル | 遊び、踏み込んだときの床板とのすき間 | 1年 | 6月 | 12月 | 3月 |
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|
ブレーキの効き具合 | 1年 | 6月 | 12月 | 3月 | 3月 |
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駐車ブレーキ機構 | 引きしろ(踏みしろ) | 1年 | 6月 | 12月 | 3月 | 3月 |
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|
ブレーキの効き具合 | 1年 | 6月 | 12月 | 3月 | 3月 |
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||
ホース及びパイプ | 漏れ、損傷及び取付状態 | 1年 | 6月 | 6月 | 3月 | 3月 |
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リザーバ・タンク | ブレーキ液の量 | 12月 | 12月 | 3月 |
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マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ、ディスク・キャリパ | 液漏れ | 1年 |
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機能、摩耗、損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 | (摩耗、損傷の点検)
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ブレーキ・チャンバ | ロッドのストローク | 3月 | 3月 |
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機能 | 12月 | 12月 |
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ブレーキ・バルブ、クイック・レリーズ・バルブ、リレー・バルブ | 機能 | 12月 | 12月 | 12月 |
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|||
リレー・エマージェンシ・バルブ | 機能 | 12月 |
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倍力装置(ブレーキ・ブースタ) | エア・クリーナの詰まり | 12月 | 12月 | 12月 |
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機能 | 12月 | 12月 | 12月 | <真空又は空気倍力式>
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ブレーキ・カム | 摩耗 | 12月 | 12月 |
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ブレーキ・ドラム、ブレーキ・シュー | ドラムとライニングとのすき間 | 1年距離 | 6月 | 6月 | 3月 | 3月 | <自動調整方式>
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|
シューの摺(しゅう)動部分及びライニングの摩耗 | 1年距離 | 12月 | 12月 | 3月距離 | 3月距離 |
|
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ドラムの摩耗及び損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 | 12月 |
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||
バック・プレート | バック・プレートの状態 | 12月 | 12月 |
|
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ブレーキ・ディスク及びパッド | ディスクとパッドとのすき間 | 1年距離 | 12月 | 12月 | 3月距離 | 3月距離 |
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|
パッドの摩耗 | 1年距離 | 12月 | 12月 | 3月距離 | 3月距離 |
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ディスクの摩耗及び損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
||
センタ・ブレーキ・ドラム、ライニング | ドラムの取付けの緩み | 12月 | 12月 | 3月 |
|
|||
ドラムとライニングとのすき間 | 12月 | 12月 | 3月 |
|
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ライニングの摩耗 | 12月 | 12月 | 12月 |
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ドラムの摩耗と損傷 | 12月 | 12月 | 12月 |
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二重安全ブレーキ機構 | 機能 | 12月 | 12月 | 12月 | <油圧式二重安全ブレーキ機構(セフティ・シリンダ式)>
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走行装置 | ホイール | タイヤの状態 | 1年距離 | 12月距離 | 12月距離 | 3月距離 | 3月距離 |
|
ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み | 1年距離 | 6月 | 6月 | 3月 | 3月 |
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||
ホイール・ナット及びホイール・ボルトの損傷(大型車において行う点検) | 12月 | 12月 |
|
|||||
リム、サイド・リング及びディスク・ホイールの損傷 | 12月 | 12月 |
|
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フロント・ホイール・ベアリングのがた | 2年距離 | 12月 | 12月 | 3月距離 |
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リヤ・ホイール・ベアリングのがた | 2年距離 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
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ホイール・ベアリングのがた | 12月 |
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緩衝装置 | リーフ・サスペンション | スプリングの損傷 | 12月 | 12月 | 3月 | 3月 |
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|
取付部及び連結部の緩み、がた及び損傷 | 12月 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
コイル・サスペンション(トーション・バーを含む。) | スプリングの損傷 | 12月 |
|
|||||
取付部、連結部の緩み、がた、損傷 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
||||
サスペンションの取付部と連結部 | 緩み、がた、損傷 | 2年 |
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エア・サスペンション | エア漏れ | 3月 | 3月 |
|
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ベローズの損傷 | 3月距離 | 3月距離 |
|
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取付部及び連結部の緩み並びに損傷 | 3月距離 | 3月距離 |
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レベリング・バルブの機能 | 12月 | 12月 |
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ショック・アブソーバ | 油漏れ及び損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 3月 | 3月 |
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|
動力伝達 | クラッチ | ペダルの遊び、切れたときの床板とのすき間 | 1年 | 6月 | 6月 | 3月 |
|
|
作用 | 6月 | 6月 | 3月 |
|
||||
液量 | 12月 | 12月 | 3月 |
|
||||
トランスミッション・トランスファー | オイル漏れ、オイル量 | 1年距離 | 6月距離 | 6月距離 | 3月距離 | (オイル漏れの点検) <M/T車>
<M/T車>
|
||
プロペラ・シャフト、ドライブ・シャフト | 連結部の緩み | 1年距離 | 6月距離 | 6月距離 | 3月距離 |
|
||
自在継手部(ユニバーサル・ジョイント)のダスト・ブーツの亀(き)裂と損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
継手部のがた | 12月 | 12月 | 12月 |
|
||||
センタ・ベアリングのがた | 12月 | 12月 | 12月 |
|
||||
デファレンシャル | オイル漏れ、オイル量 | 2年距離 | 6月距離 | 6月距離 | 3月距離 |
|
||
電気装置 | 点火装置 | 点火プラグ(スパーク・プラグ)の状態 | 1年距離 | 6月距離 | 6月距離 | 3月距離 |
|
|
点火時期 | 1年 | 6月 | 6月 | 3月 |
|
|||
ディストリビュータのキャップの状態 | 1年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
バッテリ | ターミナル部の接続状態 | 1年 | 12月 | 12月 | 3月 |
|
||
電気配線 | 接続部の緩み及び損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 3月 | 3月 |
|
|
原動機(エンジン) | 本体 | 低速と加速の状態 | 12月 | 12月 | 3月 |
|
||
排気の状態 | 1年 | 6月 | 6月 | 3月 | <ガソリン車、LPG車>
|
|||
エア・クリーナ・エレメントの状態 | 1年距離 | 6月距離 | 6月距離 | 3月距離 |
|
|||
エア・クリーナの油の汚れと量 | 6月 |
|
||||||
シリンダ・ヘッドとマニホールド各部の締付状態 | 12月 |
|
||||||
潤滑装置 | オイル漏れ | 1年 | 6月 | 6月 | 3月 |
|
||
燃料装置 | 燃料漏れ | 2年 | 12月 | 12月 | 3月 |
|
||
冷却装置 | ファン・ベルトの緩みと損傷 | 1年 | 6月 | 6月 | 3月 |
|
||
水漏れ | 1年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置 | ブローバイ・ガス還元装置 | メターリング・バルブの状態 | 2年 | 12月 | 12月 |
|
||
配管の損傷 | 2年 | 12月 | 12月 |
|
||||
燃料蒸発ガス排出抑止装置 | 配管等の損傷 | 2年 | 12月 | 12月 |
|
|||
チャコール・キャニスタの詰まりと損傷 | 2年 | 12月 | 12月 |
|
||||
チェック・バルブの機能 | 2年 | 12月 | 12月 |
|
||||
一酸化炭素等発散防止装置 | 触媒反応方式等排出ガス減少装置の取付けの緩みと損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
||
二次空気供給装置の機能 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
排気ガス再循環装置の機能 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
減速時排気ガス減少装置の機能 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
配管の損傷と取付状態 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
警音器(ホーン)、窓拭(ふき)器(ワイパー)、洗浄液噴射装置(ウィンド・ウォッシャ)、デフロスタ、施錠装置(ステアリング・ロック) | 作用 | 12月 | 12月 | 12月 | (ホーンの点検)
|
|||
エグゾースト・パイプとマフラ | 取付けの緩みと損傷 | 1年距離 | 12月距離 | 12月距離 | 3月距離 |
|
||
マフラの機能 | 2年 | 12月 | 12月 | 12月 |
|
|||
エア・コンプレッサ | エア・タンクの凝水 | 6月 | 6月 | 3月 | 3月 |
|
||
コンプレッサ、プレッシャ・レギュレータとアンローダ・バルブの機能 | 12月 | 12月 | 12月 | (エア・コンプレッサの点検)
|
||||
高圧ガスを燃料とする燃料装置等 | 導管、継手部のガス漏れと損傷 | 3月 |
|
|||||
ガス容器取付部の緩みと損傷 | 12月 |
|
||||||
車枠(フレーム)、車体(ボディー) | 非常口の扉の機能 | 3月 |
|
|||||
緩み及び損傷 | 2年 | 12月 | 12月 | 3月 | 3月 | <乗用車など>
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連結装置 | カプラの機能及び損傷 | 12月 | 12月 |
|
||||
キング・ピン及びルネット・アイの摩耗、亀(き)裂及び損傷 | 12月 |
|
||||||
ピントル・フックの摩耗、亀(き)裂及び損傷 | 12月 |
|
||||||
座席 | ※座席ベルト(シート・ベルト)の状態 | 12月 | 12月 |
|
||||
開扉発車防止装置 | 機能 | 12月 |
|
|||||
その他 | シャシ各部の給油脂状態 | 6月 | 6月 | 3月 | 3月 |
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(2)二輪自動車
点検箇所 | 点検項目 | 点検時期 (年又は月ごと) |
点検の実施方法 | ||
---|---|---|---|---|---|
かじ取り装置(ハンドル、フロント、フォーク) | ハンドル | 操作具合 | 2年 |
|
|
フロント・フォーク | 損傷 | 2年 |
|
||
ステアリング・ステムの取付状態 | 2年 |
|
|||
ステアリング・ステムの軸受部のがた | 1年 |
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|||
制動装置(ブレーキ) | ブレーキ・ペダル及びブレーキ・レバー | 遊び | 1年 |
|
|
ブレーキの効き具合 | 1年 |
|
|||
ロッド及びケーブル類 | 緩み、がた及び損傷 | 1年 |
|
||
ホース及びパイプ | 漏れ、損傷及び取付状態 | 1年 |
|
||
マスタ・シリンダ、ホイール・シリンダ及びディスク・キャリパ | 機能、摩耗及び損傷 | 2年 |
|
||
液漏れ | 1年 |
|
|||
ブレーキ・ドラム及びブレーキ・シュー | ドラムとライニングとのすき間 | 1年距離 |
|
||
シューの摺(しゅう)動部分及びライニングの摩耗 | 1年距離 |
|
|||
ドラムの摩耗及び損傷 | 2年 |
|
|||
ブレーキ・ディスク及びパッド | ディスクとパッドとのすき間 | 1年距離 |
|
||
パッドの摩耗 | 1年距離 |
|
|||
ディスクの摩耗及び損傷 | 2年 |
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|||
走行装置 | ホイール | タイヤの状態 | 1年距離 |
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|
ホイール・ナット及びホイール・ボルトの緩み | 1年 |
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|||
フロント・ホイール・ベアリングのがた | 1年距離 |
|
|||
リヤ・ホイール・ベアリングのがた | 1年距離 |
|
|||
緩衝装置 | サスペンション・アーム(スイング・アーム) | 連結部のがた及びアームの損傷 | 2年 |
|
|
ショック・アブソーバ | 油漏れ及び損傷 | 2年 |
|
||
動力伝達装置 | クラッチ | クラッチ・レバーの遊び | 1年 |
|
|
作用 | 2年 |
|
|||
トランスミッション | 油漏れ及び油量 | 1年距離 |
|
||
プロペラ・シャフト及びドライブ・シャフト | 継手部のがた | 2年 |
|
||
チェーン及びスプロケット | チェーンの緩み | 1年 |
|
||
スプロケットの取付状態及び摩耗 | 1年 |
|
|||
ドライブ・ベルト | 摩耗及び損傷 | 1年距離 |
|
||
電気装置 | 点火装置 | 点火プラグ(スパーク・プラグ)の状態 | 1年距離 |
|
|
点火時期 | 1年 |
|
|||
バッテリ | ターミナル部の接続状態 | 1年 |
|
||
電気配線 | 接続部の緩み及び損傷 | 2年 |
|
||
原動機(エンジン) | 本体 | 低速及び加速の状態 | 1年 |
|
|
排気の状態 | 1年 |
|
|||
エア・クリーナ・エレメントの状態 | 1年距離 |
|
|||
潤滑装置 | 油漏れ | 1年 |
|
||
燃料装置 | 燃料漏れ | 1年 |
|
||
リンク機構の状態 | 1年 |
|
|||
スロットル・バルブ及びチョーク・バルブの作動状態 | 1年 |
|
|||
冷却装置 | 水漏れ | 1年 |
|
||
ばい煙、悪臭のあるガス、有害なガス等の発散防止装置 | ブローバイ・ガス還元装置 | 配管の損傷 | 2年 |
|
|
一酸化炭素等発散防止装置 | 二次空気供給装置の機能 | 2年 |
|
||
配管の損傷及び取付状態 | 2年 |
|
|||
エグゾースト・パイプ及びマフラ | 取付けの緩み及び損傷 | 1年 |
|
||
マフラの機能 | 2年 |
|
|||
フレーム | 緩み及び損傷 | 1年 |
|
||
その他 | シャシ各部の給油脂状態 | 1年 |
|
ここでは、「2 日常点検の実施の方法」と「3 定期点検の実施の方法」に基づき点検を行った結果、清掃、調整、交換などの整備が必要となった場合、通常行われることが多いものの代表例について、その実施の方法を説明しています。
整備の際に、特に注意を要する事項は、次のとおりです。
装置 | 整備項目 | 整備の実施方法 | 注意事項 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
制動装置(ブレーキ) | ブレーキ液の補給 |
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|
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走行装置 | タイヤの交換 |
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電気装置 | バッテリ・ターミナル部の清掃 |
|
|
||||||||||||
バッテリ液の補給 |
|
バッテリ液は、腐食性が大きく皮膚炎を起こしたり、金属を腐食させるなど非常に危険なので、人体、衣服、車体などに付着しないよう取扱いには十分注意してください。 (メンテナンス・フリー・バッテリ(密封型)の場合は、バッテリにはってある注意書きに従ってください。) |
|||||||||||||
ヒューズの交換
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|
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|||||||||||||
原動機(エンジン) | エア・クレーナ・エレメントの清掃、交換 |
|
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エンジン・オイルの補給 |
|
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ジーゼル車の燃料フィルタの水抜き | 燃料フィルタ又は水分離器の底に水がたまった場合には、下に受け皿を置き、水抜き用プラグを緩めて排水します。 なお、プライミング(手動)ポンプを操作して燃料を送ると早く排水できます。 |
周囲に付着した燃料をよく拭(ふ)き取ってください。 | |||||||||||||
ジーゼル車の燃料系統のエア抜き |
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冷却水の補給 | (リザーバ・タンク付きの車両)
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冷却水の交換 | (冷却水の抜き方)
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その他 | 洗浄液噴射装置の洗浄液(ウィンド・ウォッシャ液)の補給 | ウィンド・ウォッシャ液の原液の希釈割合は気温によって異なるので、次の割合を参考にして希釈した洗浄液をタンクに補給します。
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タンクが空のままウィンド・ウォッシャを使用すると、モーターが破損することがあります。 | ||||||||||||
窓拭(ふき)器(ワイパー)のブレードの交換 | ワイパーのアームを起こし、ブレード取付部を外してブレードを交換します。 |
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装置 | 整備項目 | 整備の実施方法 | 注意事項 |
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制動装置(ブレーキ) | ブレーキ液の補給 |
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フロント・ブレーキ・レバー、リヤ・ブレーキ・レバーの遊びの調整(ディスク・ブレーキを除く。) |
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リヤ・ブレーキ・ペダルの遊びの調整(ディスク・ブレーキを除く。) |
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緩衝装置 | リヤ・ショック・アブソーバの調整 | スプリングの強弱をアジャスタにより調整します。 | アジャスタによる調整は、左右の不揃(そろ)いがないよう位置又は数字などを合わせて行ってください。 |
動力伝達装置 | クラッチ・レバーの遊びの調整(油圧式を除く。) |
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電気装置 | バッテリ・ターミナル部の清掃 |
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バッテリ液の補給 |
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バッテリ液は、腐食性が大きく皮膚炎を起こしたり、金属を腐食させるなど非常に危険なので、人体、衣服、車体などに付着しないよう取扱いには十分注意してください。 (メンテナンス・フリー・バッテリ(密封型)の場合は、バッテリにはってある注意書きに従ってください。) |
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ヒューズの交換
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原動機(エンジン) | エア・クリーナ・エレメントの清掃、交換 |
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湿式ウレタン・タイプの場合は、車両にあった品質のオイルを使用してください。 |
エンジン・オイルの補給 |
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冷却水の補給 | (リザーバ・タンク付きの車両)
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冷却水の交換 | (冷却水の抜き方)
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その他 | ドライブ・チェーンの給油 |
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点検整備記録簿
点検整備記録簿は、点検の結果と整備の概要を記録、保存して、自動車の維持管理に役立てるためのものです。
点検整備記録簿は、自動車に備え付けることになっており、その保存期間は、自家用乗用自動車などにあっては2年間、その他の自動車にあっては1年間となっています。なお、自動車の維持管理を適切に継続していくためにも、この記録簿を可能な限り長期間保存し、自動車の「生涯記録簿」として活用されることが望まれます。
点検整備記録簿の記載事項と記載要領は次のとおりです。
(1)「点検の年月日」 | 点検を実施した年月日を記載します。 |
(2)「点検の結果」、「整備概要」 |
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(3)「整備を完了した年月日」 | 整備を完了した年月日を記載します。 |
(4)「車台番号」、「自動車登録番号又は車両番号」 | 自動車に備え付けの自動車検査証又は軽自動車届出済証を見て記載します。 |
(5)「点検時の総走行距離」 | 積算距離計(オドメータ)を見て点検時における自動車の総走行距離の数値を記載します。 |
(6) 点検又は整備を実施した者の氏名又は名称及び住所」 | 点検又は整備を実施した者の氏名(法人は会社名)と住所を記載します。 なお、ユーザー自身が点検又は整備を実施した場合には、住所の記載は省略できます。 また、点検と整備を実施した者が異なるときは、両者を記載します。 |
作業区分 | 意味 | 作業例 | チェック記号の例 | |
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点検 | 点検の結果、異状がなかった。 | − | レ | |
整備作業 | 交換 | 点検の結果、交換した。(部品、油脂、液類の交換作業を示す。) |
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× |
修理 | 点検の結果、修理した。(摩耗、損傷などのため部品を修復する作業を示す。) |
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△ | |
調整 | 点検の結果、調整した。(機能維持のため、遊び、すき間、角度などを基準値に戻す作業を示す。) |
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A | |
締付 | 点検の結果、締め付けた。(緩んだ箇所を増し締めする作業を示す。) |
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T | |
清掃 | 点検の結果、清掃した。(粉塵、油などによる汚れを取り除く作業を示す。) |
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C | |
給油 | 点検の結果、給油した。(油脂、液類を補給する作業を示す。) |
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L |