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 関門海峡は,北九州市門司区部埼から下関市六連島に至る長さ約15海里の海 峡で,大きく湾曲して見通しが悪く,海峡最狭部の門司埼沖では,可航幅が約500mしかなく,潮流の流速も最強時は9ノットを超えることもあります。この ような航海の難所を1日約600隻もの船舶が往来しており,急速な経済発展を続ける中国や韓国など東アジアへの玄関口として外国船の通峡も多く,まさに海 上交通の要衝となっています。また,関門海峡のほぼ全域が港則法の適用海域となっており,近年,関門航路の延長・拡幅・直線化,彦島導灯の新設,灯浮標の 同期点滅など航路環境が整備され,さらに,右側通航の義務化などによって交通流が整流されたことから,通峡船舶にとって安全性が一段と向上しました。
 そこで今回は,狭水道シリーズの第二弾として,我が国有数の航海の難所であり,源氏と平家の「壇之浦の合戦」でもお馴染みの「関門海峡早鞆瀬戸」にス ポットを当ててみることにしました。
関門海峡東部海域での海難発生状況 
 巌流島以東の関門航路及びその付近海域で発生した衝突・乗揚海難で,平成14〜18年の5年間に海難審判で裁決のあったものは,衝突が10件・20隻, 乗揚が4件・4隻で,衝突船舶20 隻のうち,実に6割に当たる12隻が外国船となっています。
 発生地点別では,早鞆瀬戸で衝突4件・乗揚2件,巌流島北東方の航路屈曲部付近で衝突2件・乗揚2件が発生しています。また,関門海峡東口の部埼沖で は,衝突が4件発生していますが,平成13年9月に関門航路が部埼沖まで延長されて以降は,航路延長部分での衝突は発生していません。

下関市火ノ山から望む早鞆瀬戸




 
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