異文化を理解できるグローバル人材の育成
インターネットでの情報収集や世界中の人からのSNSによる情報発信によって、グローバル化はデジタル世界の中で急速に発展しました。一方、2019年に起こった新型コロナウイルス感染症拡大によって、人々がリアルな海外を体験する機会が大きく損なわれたのも事実です。しかし社会が落ち着きを取り戻したとき、次世代を担う人材に求められるのは国際感覚と異文化理解です。これらを身につけるのに実際の海外体験に勝るものはありません。海外の文化に触れ、現地の人々の暮らしを見る。じかに触れ、見るもの全てが若い感性に大きな刺激と影響を与えます。
高校生をはじめとした若い世代が海外体験をすることで広い視野を得ることにつながり、大きく成長できるチャンスとなります。
海外教育旅行への期待や効果
実際に海外教育旅行を実施している高校の先生方に、海外教育旅行への期待やその結果として得られる効果について伺うと、以下のような様々な内容が実感されています。
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- 異文化理解、異文化体験、多様性の実感が得られる
- 本場での語学体験をする
- 国際交流の実体験をする
- 自分が外国人になることで、それまでのあたり前を覆す
- 社会に出る前に国際経験を身につける
- グローバル社会で生きる上で「世界」を実感する
- アジアの発展を見る、実感する
- グローバルな視野を養う
- 視野を広げる
- 情報と実際の違いを知る
- 将来を生き抜く力を身につける
- 海外旅行を経験をさせる
(海外に対する心理的不安を緩和する) - キャリア学習(学外の第三者との交流)
- 「課題学習」の場やテーマを海外に求める
調査結果にみる意義
“はじめての海外”がグローバル社会の一員としての第一歩になる貴重な機会
海外教育旅行実践校の高校生約2,000名に行ったアンケート調査によると、約半数の生徒は今回の「海外教育旅行」が「初めて(1回目)」の渡航経験でした。なかでも、地方の高校や公立校では7割以上の生徒が「初めて」と回答する例も少なからずみられ、「海外教育旅行」は生徒たちが海外に直接触れるきっかけづくりになっています。また、高校における海外教育旅行が“はじめての海外旅行”であった約1,000名に、今後の海外への渡航についてたずねたところ、86%と多くの生徒が渡航意向を示しており、海外教育旅行の経験が、海外への興味関心を高め、グローバル社会の一員としての第一歩を踏み出すことにもつながることが示唆されました。
「異文化体験」「世界の同世代等との交流」や「独自プログラム」などその意義を生徒自身が実感
高校生が出発前に楽しみにしていたことは「買い物や写真撮影」「観光」「食事」「(同じ)学校の仲間との親睦」など、非日常への期待でした。実際に海外教育旅行に参加した生徒たちは、先生方が期待するような有意義な体験、例えば、「街中の散策」などを通じて触れる異文化体験や「現地の学校等との交流・体験」を有意義な活動としてあげました。またその他にも各々の学校が掲げるテーマに沿って、「語学研修」やその他(キャリア教育、平和学習、SDGs、PBL《課題解決型学習》など)の独自プログラムについても、生徒自身が有意義であると受けとめています。