東日本大震災からの観光復興

最終更新日:2024年3月22日

 東日本大震災の発災から12年を経て、地震・津波被災地域では、住まいやまちづくり、交通インフラ等の整備がおおむね完了するとともに、原子力災害被災地域においても避難指示解除が進む中、被災地は、国内外からより多くの観光旅行者を受け入れることができる段階に入った。東北の観光振興については、東北6県の外国人延べ宿泊者数を令和2年に150万人泊とする政府目標を1年前倒しの令和元年に上回ることができたが、福島県においては、震災前と比べた外国人延べ宿泊者数の伸び率が、原子力災害による風評の影響等により、東北全体の水準に達しておらず、全国的なインバウンド増加の効果を十分享受できていなかったと考えられる。そのため、福島県の観光復興に向けて、福島の復興の姿に触れるホープツーリズムや、福島浜通り地域等ならではの観光コンテンツの創出に向けて令和4年5月末に「福島浜通り地域等15市町村の交流人口拡大に向けたアクションプラン」を福島県ととりまとめ、「酒・グルメ(食)」や「スポーツ・サイクル」等の各テーマにおける国・福島県・市町村等を交えた取組の具体化を進めている。また、新たな魅力創出に向けた映像・芸術文化に関するコンテンツ強化を支援する。さらに、その受入環境の整備のほか、海外の旅行会社への商品造成の働きかけや海外の旅行博への出展、インフルエンサーの招請といったプロモーションの強化等を支援する。
 加えて、政府は、令和3年4月に「東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所における多核種除去設備等処理水の処分に関する基本方針」を決定し、2年程度後にALPS処理水を海洋放出することとしており、その風評への対策として、国内外に対し、科学的根拠に基づく正確な情報発信を行うとともに、国際原子力機関(IAEA)によるレビューやモニタリングの実施など安全性の確保を徹底する。また、海の魅力を高め、国内外からの誘客と観光旅行者の定着を図るために行う、海水浴場等の受入環境整備、海の魅力を体験できるコンテンツの充実、海にフォーカスしたプロモーション、ビーチ等の国際環境認証の取得に向けた取組等を支援する。
 さらに、東日本大震災の記憶と教訓を後世に残すとともに、防災学習・防災研修の機会を提供する観点や被災地の復興を世界にアピールする観点から、三陸沿岸を含み青森県から福島県をつなぐ1,025kmの「みちのく潮風トレイル」も活用しつつ、各地の震災遺構や伝承館等を含む広域的な観光ルートへの誘客を促進するため、情報発信の強化等に取り組む。
 関係省庁及び地方公共団体の連携を強化し、風評対策を講じつつ、こうした取組を通じて、被災地の観光復興を加速化していく。
 ※「観光立国推進基本計画」より

観光庁では東日本大震災からの観光復興を目的として、「福島県における観光関連復興支援事業」と「ブルーツーリズム推進支援事業」 の2つの事業に取り組んでいます。

福島県における観光関連復興支援事業

【計数なし】R6福島県における観光関連復興支援事業

福島県では教育旅行や延べ宿泊者数の回復に課題が残ることから、同県における観光復興を最大限に促進するため、同県が実施する風評被害対策及び震災復興に資するホープツーリズム等の滞在コンテンツの充実・強化や国内外へのプロモーション等に対して支援を行っています。

ブルーツーリズム推進支援事業

05_ブルーツーリズム推進支援事業_ポンチ絵

ALPS処理水の海洋放出による風評への対策として、海の魅力を高めるブルーツーリズムの推進を目的として、海水浴場等の受入環境整備やプロモーションの実施等に対して支援を行っています。

観光政策・制度

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