旅行・観光サテライト勘定(TSA:Tourism Satellite Account)

最終更新日:2024年3月22日

国際基準に基づき、わが国の観光産業が及ぼす経済効果、雇用効果等を推計しています。

統計の目的

観光は非常に裾野の広い産業であり、個々の産業に関する統計は整備されているものの、それらからは全貌を把握することが困難です。TSAは、これらの需要側、供給側の各種統計を統合し、分析の基盤を提供しています。TSAは観光産業の直接的な経済効果、雇用効果の大きさを明らかにするとともに、TSAを基礎資料として産業連関分析を行うことで、生産波及効果を含めた、経済効果、雇用効果の大きさを明らかにすることが可能となります。

統計の沿革

(a)旅行・観光サテライト勘定(TSA:Tourism Satellite Account)
 旅行・観光サテライト勘定(TSA)とは、SNAのサテライト勘定のひとつであり、UN Tourism(世界観光機関:World Tourism Organization)が国際基準『TSA Recommended Methodological Framework 2008』(TSA:RMF08)を示しています。

(b)国民経済計算(SNA)
 国民経済計算は、我が国の経済の全体像を国際比較可能な形で体系的に記録することを目的に、国連の定める国際基準(SNA)に準拠しつつ、統計法に基づく基幹統計として、国民経済計算の作成基準及び作成方法に基づき作成されています。一国全体のマクロの経済状況を生産、分配、支出、資本蓄積といったフロー面や資産、負債といったストック面から体系的に明らかにしたものです。

(c)サテライト勘定
 サテライト勘定とは、93 SNAにおいて取り入れられた勘定です。SNA(サテライト勘定に対して中枢体系という)は生産、分配、支出といったそれぞれの勘定が密接な関係をもって定義され、その経済活動量を計測しているのに対し、サテライト勘定はある特定の経済活動を経済分析目的や政策目的のために中枢体系の経済活動量と密接な関係を保ちながら別勘定として推計する勘定です。わが国では、これまで「環境保護活動」、「介護・保育」、「NPO活動」、「無償労働」等についてサテライト勘定が作成されています。

(d)わが国における作成の沿革
 観光庁では、旧国土交通省観光部時代の2000年度~2002年度において、TSAの導入を検討し、その成果を踏まえ、2003年度から『旅行・観光消費動向調査』を実施し、これをベースとしたTSAを、集約表という形をとって試算し、公表を行ってきました。その後、2006年に観光立国推進基本法が成立し、2007年に観光立国推進基本計画が策定され、試作段階にあったTSAを本格的に導入することが盛り込まれたことを受けて、2009年からSNAを用いたTSAの作成及び公表を行っています。その後、SNAにおける平成23 年基準(2008SNA)改定を踏まえてTSAの作成方法ならびに公表様式の見直しを図りました。現在、UN Tourismが推奨する全10表のうち、第1表~第8表、第10表を作成公表しています。

統計表(平成27年基準)

【第1表~第8表、参考表(参考表は2018年以降のみ)】(年別に集計表を掲載しています)
【第10a表~第10d表】

観光統計・白書

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