まちづくりの効果の算出手法
まちづくりの効果は、傾向スコアマッチングという手法を用いて算出しています。
傾向スコアマッチングとは?
傾向スコアマッチングの考え方を知るために、次のような疑問を考えてみましょう。
テストの成績が良い?
このことを調べるために、図書館によく行く子どもとあまり行かない子どもの2つのグループに分けて、テストの点数を比べてみます。
子ども
行かない子ども
このように、この点差を単純に図書館に行くかどうかの差としてしまうのは誤りです。
例えば図書館によく行く子どもとあまり行かない子どもの特徴として、次のような可能性があるかもしれません。
子ども
行かない子ども
勉強が好きな子どもはテストの点数が高いかもしれないし、自主学習をしている子どもはテストの点数が低いかもしれません。
図書館によく行く層と勉強が好きな層が被っていた場合、テストの点の差がどちらの影響であるか判断できません。
つまり、「図書館によく行くかどうか」ではないほかの要素が関係している可能性があります。
分析の考え方
このような知りたい要因以外の影響を取り除く考え方が「因果推論」であり、今回はその中で傾向スコアマッチングと呼ばれる手法をご紹介します。
先ほどの例では、「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった要素のせいで、「図書館によく行く」ことがテストの成績向上に影響するか判断できませんでした。
従って、「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった要素を揃えてあげれば、「図書館に行く」ことの影響が調べられます。
子ども
80点
行かない子ども
70点
「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった知りたい
「要因」以外の条件を揃える
図書館によく行く/あまり行かない
という要因のみを比較できる
このように、「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった様々な要素を「傾向スコア」としてスコア化し、そのスコアが近い対象を比較相手に選ぶ手法を傾向スコアマッチングと呼びます。
今回の例では、傾向スコアマッチングによって条件を揃えた結果、「図書館によく行く子ども」は「図書館にあまり行かない子供」よりもテストの成績が10点高いことがわかりました。
※本記載は例示であり、根拠に基づく数値ではありません。
今回の分析への応用
景観・歴史まちづくりを行っている自治体はとそうでない自治体を比較するうえで、それ以外の様々な要素による影響が考えられます。
今回の分析では、その要素を4つに分類し、10個の指標を用いて傾向スコアを算出しています。
| 分類(4つの要素) | 指標 |
|---|---|
| 人口動態 | 人口 |
| DID人口 | |
| 人口密度 | |
| 昼間人口 | |
| 交通状況 | 1人当たり乗用車数 |
| 産業構成 | 第三次産業従業者割合 |
| 財政状況 | 財政力指数 |
| 経常収支比率 | |
| 1人当たり地方交付税 | |
| 公債費比率 |
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