算出手法

まちづくりの効果の算出手法

まちづくりの効果は、傾向スコアマッチングという手法を用いて算出しています。

傾向スコアマッチングとは?

傾向スコアマッチングの考え方を知るために、次のような疑問を考えてみましょう。

?
図書館によく行く子どもは
テストの成績が良い?

このことを調べるために、図書館によく行く子どもとあまり行かない子どもの2つのグループに分けて、テストの点数を比べてみます。

図書館によく行く
子ども
テストの平均点
80点
比較
図書館にあまり
行かない子ども
テストの平均点
60点
?
図書館に行く子供は、行かない子どもよりも20点高い?

このように、この点差を単純に図書館に行くかどうかの差としてしまうのは誤りです。
例えば図書館によく行く子どもとあまり行かない子どもの特徴として、次のような可能性があるかもしれません。

図書館によく行く
子ども
勉強が好きな割合:70% 自主学習をしている割合:40%
図書館にあまり
行かない子ども
勉強が好きな割合:30% 自主学習をしている割合:60%

勉強が好きな子どもはテストの点数が高いかもしれないし、自主学習をしている子どもはテストの点数が低いかもしれません。
図書館によく行く層と勉強が好きな層が被っていた場合、テストの点の差がどちらの影響であるか判断できません。
つまり、「図書館によく行くかどうか」ではないほかの要素が関係している可能性があります。

分析の考え方

勉強が好きな子ども
テストの点が高い
自主学習をしている子ども
テストの点が低い

このような知りたい要因以外の影響を取り除く考え方が「因果推論」であり、今回はその中で傾向スコアマッチングと呼ばれる手法をご紹介します。

先ほどの例では、「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった要素のせいで、「図書館によく行く」ことがテストの成績向上に影響するか判断できませんでした。
従って、「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった要素を揃えてあげれば、「図書館に行く」ことの影響が調べられます。

図書館によく行く
子ども
勉強が好きな割合:70% 自主学習をしている割合:40%
テストの平均点
80点
図書館にあまり
行かない子ども
勉強が好きな割合:70% 自主学習をしている割合:40%
テストの平均点
70点

「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった知りたい
「要因」以外の条件を揃える

図書館によく行く/あまり行かない
という要因のみを比較できる

このように、「勉強が好き」や「自主学習をしている」といった様々な要素を「傾向スコア」としてスコア化し、そのスコアが近い対象を比較相手に選ぶ手法を傾向スコアマッチングと呼びます。

今回の例では、傾向スコアマッチングによって条件を揃えた結果、「図書館によく行く子ども」は「図書館にあまり行かない子供」よりもテストの成績が10点高いことがわかりました。

?
図書館に行く子供は、行かない子どもよりも10点高いことがわかった!

※本記載は例示であり、根拠に基づく数値ではありません。

今回の分析への応用

景観・歴史まちづくりを行っている自治体はとそうでない自治体を比較するうえで、それ以外の様々な要素による影響が考えられます。
今回の分析では、その要素を4つに分類し、10個の指標を用いて傾向スコアを算出しています。

分類(4つの要素) 指標
人口動態 人口
DID人口
人口密度
昼間人口
交通状況 1人当たり乗用車数
産業構成 第三次産業従業者割合
財政状況 財政力指数
経常収支比率
1人当たり地方交付税
公債費比率
全1724市区町村
傾向スコアによって歴史的風致向上計画
の認定都市と似ている自治体を抽出
歴史的風致向上計画の認定都市
  • 北海道小樽市
  • 宮城県多賀城市
  • 秋田県横手市
  • ......
類似
比較対象の自治体
  • 北海道小樽市に類似する
    自治体A
  • 宮城県多賀城市に類似する
    自治体B
  • 秋田県横手市に類似する
    自治体C
  • ......
分析結果を見る →