落下物・安全対策について

落下物・安全対策について

羽田空港は、2020年3月29日より新飛行経路の運用を開始しました。
引き続き、騒音対策、落下物・安全対策を徹底してまいります。
以下のアイコンより、具体的な対策の取組状況についてご覧いただけます。

我が国の航空事故に関して

航空機の運航の安全性を確保するため、何重もの安全対策を積み重ね、事故の発生を防ぐあらゆる取り組みを行っています。

航空機の墜落に限らず、さまざまな航空事故や事故に結びつく恐れのあった事案については、専門家が原因を徹底的に調査し、二度と同様の事故を起こさないよう更なる安全性の向上を図ってきました。加えて、そのような事態の予兆があった場合も航空会社に報告を求め、安全対策に活用しています。

この結果、航空事故の発生件数は減少傾向にあります。また、昭和60年以降、我が国の航空会社による乗客死亡事故は発生していません。

なお、大型機の事故は年に数件発生していますが、その多くは、乱気流に伴う客室乗務員等搭乗者の負傷等の事例です。

羽田空港周辺では、昭和57年に着陸機が滑走路手前の海上に墜落した事故以降、墜落事故は発生していません。

我が国における航空事故の推移図

小型機の事故について
小型機については、調布市の住宅地への小型プロペラ機墜落などの事故を受け、操縦士や整備士に対する安全講習会の開催などの追加的な措置をとるとともに、有識者委員会における検討等を踏まえた総合的な安全対策を推進しています。
羽田空港では、こういった航空機の使用を想定しておりませんが、今後も、高水準の安全性を確保していきます。

航空機の安全確保

航空機の運航は3つの要素で支えられています。
過去の事故からの教訓や新たな技術を踏まえ、より安全であるための対策を少しずつ積み重ねる中で、各要素について何重もの安全対策がとられてきました。
これら安全対策の現場での確実な実施に加え、各要素が相互に連携することでさらに高水準の安全が実現されるよう、関係者一同日々努力しています。

安全の確保を最優先に、関係者一同、
緊張感を持って日々の安全対策にあたっています。

離着陸時の安全確保

天候不良や機材トラブルなどが発生しても、安全な離着陸を行うための対策を実施しています。

航空機の安全確保

航空分野では、仮に1つの系統に不具合が生じても、別の系統がバックアップをすることで安全な飛行を維持できるようにという設計思想に基づき、各種のシステムを構築しています。

1.航空機の安全性

旅客機は、仮に故障や操作ミスが発生しても致命的な事態に至らないよう、機器の信頼性を高めるとともに多重化を図る設計がされています。その上で、国が安全基準に基づき設計を確認し、さらに1機ごとに検査を実施しています。加えて、機体の整備は国が能力を認定した整備工場で行われ、継続的に安全性を確認しています。エンジンが1基故障しても、残りのエンジンを使用して安全に離着陸が可能です。機体を制御するための方向舵等を操作する系統の一部に損傷が生じた場合でも、操縦系統の多重化や分散配置を図ることで、機体の制御が可能です。

2.パイロットの安全性

パイロットは、厳しい教育・訓練を受け必要な資格を取得し、不断の訓練と体調管理でその技能を維持しなければなりません。また、定期的に全身にわたり詳細な身体検査を受けています。旅客機のコックピットでは、2名のパイロットが乗務する体制で相互にチェックとバックアップを行うことで、航空機を安全に飛行させています。
航空機を操作する際は相互に指さし復唱するなど、ミスをなくす作業工程を徹底させています。万が一、2名のうち1名が操縦ができない状態になったとしても、残りの1名だけで安全に着陸できるよう、あらかじめ手順を定め、想定した訓練も積んでいます。同時に体調不良にならないよう、食事の内容を別々にするといったところまでリスク回避に努めています。

3.地上部の安全性

地上からの支援に関しても、何重にも安全性を確保し、万が一の場合にも機能喪失することがないように設計されています。
羽田空港では、現在の管制塔の機能が失われた場合には、旧管制塔がバックアップとして機能するような体制を整えています。仮に停電が発生しても、バックアップ電源を使用することで、航空灯火や管制システムは必要な機能を発揮します。

航空機の安全対策の強化

外国の航空会社に対しては、所属国の航空当局が、国際基準に基づき、安全監督を実施しています。国際基準を満たしていなければ、我が国の空港に乗り入れることはできません。外国航空機を含め、安全監督等に引き続き万全を尽くすとともに、航空会社に対して安全対策の徹底を要請していきます。

落下物対策について

「たとえば、どんなものが考えられるのでしょうか」

部品や氷が航空機から落下する可能性が指摘されています。

「落下物が実際に起こらないようどのような取り組みを行っていますか」

落下物に繋がりうる事例について、原因究明を行い、これに応じた対策を地道に積み重ねることで、未然防止に着実に成果をあげてきました。

「これまでにどのような問題が起きたのでしょうか」

2008~2019年度の発生件数は、24件(うち、成田空港周辺では22件(部品17件、氷塊5件)、関西空港周辺では1件(部品)、熊本空港周辺では1件(部品)、羽田空港周辺では0件)となっています。

最近では、下記のような事案が発⽣したこともあり、更なる落下物対策に取り組んでいます。

最近の航空機関係の事案について

2017年9⽉7、8⽇ 全⽇本空輸 パネル脱落
9⽉7⽇19時7分に厦⾨(アモイ)から成⽥国際空港に到着した全⽇本空輸936便は、到着後の点検で、左の主翼の上にある⾮常⽤の脱出スライドが収納されている場所のパネル(重さ約3kg)が脱落していることが判明( 9⽉27⽇に茨城県稲敷市の⼯場内で発⾒)。脱出⽤スライド及びパネル等が⼀体となった装置を交換した。その後、当該機は、9⽉8⽇17時41分頃、⼤連発成⽥国際空港⾏全⽇本空輸904便として到着後、点検で同じパネルの脱落が確認された。

2度⽬の事案を踏まえ、全⽇本空輸で機体の詳細点検を⾏ったところ、緊急時にスライドを展開するための⾼圧空気が漏れていることを確認しました。同社からは、この⾼圧空気の漏れによりパネルのロックが解除され脱落したものと推定していると報告を受けており、同社及び海外部品製造会社が調査中です。
これを受け、成⽥国際空港事務所から全⽇本空輸および成⽥国際空港に就航している航空会社に対し、航空機からの落下物防⽌対策の徹底についての要請を⾏いました。
また、国内航空会社が運航する同型機については留め具の交換等の対策を実施済みであり、⽇本に乗り⼊れる他の外国の航空会社に対しても、2019年3⽉に適⽤される落下物防⽌対策基準によってこれらの対策が義務付けられます。

2017年9⽉23⽇ KLMオランダ航空 パネル脱落
9⽉23⽇午前10時57分頃、関⻄国際空港を離陸し上昇中のKLMオランダ航空868便から重さ約4.3kgの胴体のパネルが脱落し、⼤阪市内を⾛⾏中の乗⽤⾞に衝突し、当該乗⽤⾞が損傷した。

2018年11⽉29⽇に運輸安全委員会より報告書が公表され、パネルを固定する留め具が⾦属疲労により破損し、パネルと胴体の隙間から⼊り込んだ空気の圧⼒及び振動によってパネルが脱落したと推定されています。
国⼟交通省では、KLMオランダ航空より当該パネルの脱落を防⽌するため、2017年12⽉までに当該留め具を改良型のものに交換したとの報告を受けております。また、国内航空会社が運航する同型機についても、留め具の交換等の対策を実施済みです。
また、⽇本に乗り⼊れる他の外国の航空会社に対しても、同様の措置を講ずるよう推奨したほか、2019年3⽉に適⽤される落下物防⽌対策基準によってこれらの対策が義務付けられます。

2018年5⽉24⽇ ⽇本航空 エンジン部品の⾶散
5月24日15時55分ごろ、日本航空所属のボーイング767-300型機が熊本空港を離陸し上昇中、左側エンジンに不具合が発生し、当該エンジンから飛散したとみられる金属片によって熊本県上益城郡益城町内における車両や建物の窓ガラスが損傷した。

令和2年7月30日に公表された運輸安全委員会の調査報告書によれば、高圧タービン2段目ブレードに疲労により発生した亀裂が進展し破断し、その後段のブレード等を破損したことが判明しました。
国土交通省では、本事案の発生を受けて、同型エンジンを使用している本邦航空会社に対し高圧タービンブレードの一斉点検を指示するなどの対策を講じていましたが、運輸安全委員会からの調査報告書の公表を受けて、本邦航空会社及び我が国に乗り入れる外国航空会社に対し、対策が講じられた新しい型式のブレードへの交換を新たに義務付けるべく、落下物防止対策基準の改正作業を進めています。
なお、日本航空を含む同型エンジンを使用している本邦航空会社は、全基に対し新しい型式のブレードへの交換を実施済みです。

落下物には至らないものの、部品欠落(※1)についても情報収集を強化し、落下物の未然防止に活かすため、2017年11月、国際線が多く就航する空港について、外国航空会社も含めた全ての航空会社から航空機の部品欠落情報が報告されるよう、報告制度を拡充しました。

本制度により、2019年度に報告された部品欠落件数は928個(※2)です。その多くは100g未満、半数以上は10g未満となっています。

※1)部品欠落とは、到着後の点検において、航空機の部品がなくなっていることが確認されたものを指します。
※2)羽田空港における空港管理者による駐機中の機体チェックにおいて発見された欠落部品(84個)を含む。

■ 2019年度における部品欠落の重量別・部品別割合 (詳細は、こちらのページをご覧ください)

■ 新飛行経路の運用にあたっては、世界に類を見ない落下物防止のための基準を策定するなど、落下物対策に取り組んでいます。