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環境負荷に係る検討について

(2)大気汚染物質の大気環境への影響の地域差
1) 検討手法
大気汚染物質の動態は、地域の気象条件や地形により左右される部分が大きい。このことは、同量の大気汚染物質が排出された場合でも、比較的汚染が進みやすい地域と進み難い地域が存在することを表す。
ここでは、大気汚染物質が高濃度になる現象(高濃度現象)に着目し、これらが起こりやすい気象条件・地形から、各地域の大気汚染に対する相対的脆弱性を検討する。
着目する高濃度現象と、それらが起こりやすい気象条件を下表に示す。

表4.11 高濃度現象が起こりやすい気象条件
高濃度現象 高濃度現象が起こりやすい気象条件・地形
放射性逆転層(注1)の生成(主に冬季の夜間の現象):
放射性逆転層が生成されたとき、日の出後逆転層が崩壊する過程で、上空に漂っていた大気汚染物質が地上に降下する現象(フュミゲーション現象)がおこり、地上付近が高濃度になりやすくなる。
・晴天
・風が弱い
光化学オキシダント(注2)の生成(主に春夏季の日中の現象):
光化学オキシダントは生成反応が進むと、汚染物質そのものの量が増加し、高濃度になりやすくなる。
・日照時間が長い
・気温が高い
・風が弱い
地形性逆転層(注3)の生成:
地形性逆転層が生成されると、大気が蓋をされたような状態になり、大気の拡散が起こり難くなるため、高濃度になりやすくなる。
・盆地等が存在

(注1) 放射性逆転層:
通常大気は上空ほど温度が低いが、上層の方が下層よりも温度が高い状態になっている大気の層を逆転層という。逆転層はその生成原因によっていくつかの種類があるが、それらのうち、晴天日の夜間に地面が放射冷却するため、地面に接する層から順次上層にむかって冷却が進行して生じる逆転層を放射性逆転層という。
(注2) 光化学オキシダント:
大気中の窒素酸化物と炭化水素が太陽光線中の紫外線をうけ、光化学反応を起こして生成される酸化性の大気汚染物質。大部分がオゾンで、他にPAN(Peroxy Acethyl Nitrate)などを含む。一般には、光化学スモッグとも呼ばれる。
(注3) 地形性逆転層:
逆転層のうち、盆地等の地形で冷たい空気が底にたまるため発生するもの。

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