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環境負荷に係る検討について

各高濃度現象に対応した、各地域の大気汚染に対する脆弱性の検討手法を以下に示す。

(1)放射性逆転層の生成のしやすさからの検討手法

  • 放射性逆転層の生成しやすい冬季(11月〜2月)についてのデータを集計する。
  • “夜間雲量*1 が7以下である日数”(以下「晴天日数」と呼ぶ)を地域別に集計し、各地域における晴天日数*2により各地域の脆弱性を検討する。
  • “日平均風速が1m/s以下である日数”(以下「微風日数」と呼ぶ)を地域別に集計し、各地域における“微風日数が平均的な値*3 より大きな値を取る観測地点数”の割合により、各地域の脆弱性を検討する。

(2)光化学オキシダントの生成のしやすさからの検討手法
光化学オキシダントの生成しやすい春夏季(4月〜9月)についてデータを集計する。

  • 各地域における“微風日数が平均的な値*3より大きな値を取る観測地点数”の割合により、各地域の脆弱性を検討する。
  • “日照時間2時間以上である日数”(以下、「長日照日数」と呼ぶ)、および“日最高気温が25℃以上である日数”(以下、「高気温日数」と呼ぶ)を地域別に集計し、各地域における長日照日数*2、および各地域における“高気温日数が平均的な値*3より大きな値を取る観測地点数”の割合により各地域の脆弱性を検討する。

(3)地形性逆転層の生成のしやすさからの検討手法

  • 各地域の地図より盆地の存在を読み取り、特に脆弱性が高い可能性があり、注意を要する地点として抽出する。

2) 検討結果
気象データおよび地図情報からみた、各地域の大気汚染に対する相対的脆弱性を表4.12に示す。
「放射性逆転層の生成」面から見た冬季における相対的脆弱性は「宮城県」が高く、その他「茨城県」「岐阜県」がやや高かった。
「光化学オキシダントの生成」面からみた春夏季における相対的脆弱性は「愛知県」が高く、「岐阜県」がやや高かった。
「地形性逆転層の生成」面からみた地形からの相対的脆弱性は「宮城県」「福島県」「岐阜県」「畿央地域」が脆弱性が高かった。
なお、評価に用いた気象観測データの集計結果を表4.13に、観測地点を図4.6に示す。

*1 放射性逆転層:通常大気は上空ほど温度が低いが、上層の方が下層よりも温度が高い状態になっている大気の層を逆転層という。逆転層はその生成原因によっていくつかの種類があるが、それらのうち、晴天日の夜間に地面が放射冷却するため、地面に接する層から順次上層にむかって冷却が進行して生じる逆転層を放射性逆転層という。
*2 光化学オキシダント:大気中の窒素酸化物と炭化水素が太陽光線中の紫外線をうけ、光化学反応を起こして生成される酸化性の大気汚染物質。大部分がオゾンで、他にPAN(Peroxy Acethyl Nitrate)などを含む。一般には、光化学スモッグとも呼ばれる。
*3 地形性逆転層:逆転層のうち、盆地等の地形で冷たい空気が底にたまるため発生するもの。

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