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移転費用についての東京都試算と国会等移転審議会試算の対比

第一段階費用について

項目 国会等移転審議会試算
【移転費用】
国会等移転審議会試算
【うち公的負担額】
東京都試算 備考
概要 4兆円
  • 施設整備費 2兆5千億円
  • 基盤整備費 1兆円
  • 用地取得費 2千億円
  • 広域交通インフラ 3千億円
2兆3千億円
  • 施設整備費 1兆3千億円
  • 基盤整備費 8千億円
  • 用地取得費 1千億円
  • 広域交通インフラ 1千億円
・当初10年間で人口10万人規模
・開発面積1,800ha(ヘクタール)
・1年当たりの公的負担額は2,300億円程度

全体費用について

項目 国会等移転審議会試算 東京都試算 備考
概要 12兆3千億円(最大ケース)
(うち公的負担額は4兆4千億円)
20兆1千億円
(うち公的負担額は10兆6千億円)
差額:7兆8千億円
・人口56万人(数十年後)
・開発面積 8,500ha(ヘクタール)
(1) 施設整備費 8兆6,000億円 10兆5,920億円 差額:約2兆円
1 首都機能施設 ・1兆1,000億円 ・1兆6,028億円 ・差額:約5千億円
国会議事堂 ・1,200億円
国会議事堂の延床面積(現状9.2万m²(平方メートル))を移転後は3割増とし、100万円/m²(平方メートル)の単価を適用
・5,460億円
国会議事堂の延床面積を現状で42万m²(平方メートル)、移転後は3割増とし、その全てに対して100万円/m²(平方メートル)の単価を適用
・いわゆる「国会議事堂」の現状の延床面積は、衆議院分館及び別館、参議院分館及び別館も併せて9.2万m²(平方メートル)である
国会図書館、議員会館等 ・2,100億円
国会図書館、議員会館を含むその他の立法機能の施設について、延床面積(現状32.5万m²(平方メートル))を移転後は3割増とし、50万円/m²(平方メートル)の単価を適用
・1,145億円
審議会試算では国会図書館、議員会館が計上漏れとし、この分を加算
・42万m²(平方メートル)に相当するのは、国会図書館、議員会館等も含めた立法機能施設全体の現状の延床面積であり、東京都試算では国会図書館、議員会館が二重計算となっている
中央省庁 ・6,400億円
最近の建築事例に基づき50万円/m²(平方メートル)の単価を適用
・7,353億円
中央合同庁舎第2号館(21階建)の事例に基づき57万円/m²(平方メートル)の単価を適用
・審議会試算では、移転後の中央省庁の容積率について200%と低層を想定しており、建築単価は高層事例よりも低く見込まれる
2 公益施設 ・5,000億円 ・6,355億円 ・差額:約1千億円
学校、福祉施設等 ・5,000億円
施設類型に応じて鉄筋コンクリート構造の単価を適用
・6,355億円
各施設類型ごとに鉄骨鉄筋コンクリート構造の単価を適用
・全国的には鉄筋コンクリート構造が一般的な中で、東京都試算では、より単価の高い鉄骨鉄筋コンクリート構造を適用
3 供給処理施設 ・1兆1,000億円 ・1兆5,642億円 ・差額:約5千億円
上水道 ・880億円
過去の整備事例から必要な施設、単価を想定
・3,300億円
東京都内における実績をもとに審議会試算の単価設定を見直すとともに、高度浄水処理施設等の整備費を追加
・東京都試算では、上水道の導水管等の敷設におけるシールド工法など、過密都市東京における高コストな整備手法を適用
・高度浄水処理施設は水源の水質に応じて必要か否か判断されるべきもの
4 その他 ・6兆円 ・6兆7,895億円 ・差額:約8千億円
準首都機能・随伴機能施設     建築単価の設定や必要とする施設の内容及び整備量の想定が異なっている
サービス関連産業施設      
住宅      
情報通信施設      
文化施設等      
(2) 基盤整備費 2兆5,000億円 5兆4,856億円 差額:約3兆円
宅地造成等 ・1兆6,000億円
多くの開発事例から面積当たり単価を想定し、算定
・3兆3,232億円
多摩ニュータウンの実績を適用し、工種ごとに積算
・東京都試算での多摩ニュータウンのみの実績に基づいた単価設定は妥当か
地区内公共交通機関 ・2,700億円
新交通システムの整備延長を30kmと想定し、過去の全国における都市モノレール及び新交通システムの整備事例から整備単価を90億円/kmと想定
・8,556億円
新交通システムの整備延長を71.3kmと想定し、東部丘陵線(愛知県)の整備単価(120億円/km)を適用
・東京都試算の整備延長の71.3kmは、過去の事例の最長路線(30.2km)を大幅に上回るもの
・東京都試算の整備単価は、一部に地下構造を含んだ高めの単一事例に基づくもの
河川改修 ・1,200億円
排出される雨水はすべて調整池に貯留するものと仮定し、算定
・4,250億円
時間雨量50mm対応の河道改修、25mm対応の洪水調整池の整備に加え、貯留浸透施設の整備を想定
・東京都試算では、短時間の豪雨への対応が課題とされている都市河川流域での治水対策の考え方をそのまま適用している
その他地区外幹線道路等 ・5,750億円 ・8,818億円  
(3) 用地取得費 9,000億円(単価は11,000円/m²(平方メートル))
・用地費単価について東京から300km圏内(東京圏の1都3県を除く16県)の公共事業における実績から算定
  山林・原野:約3,000円/m²(平方メートル)
  宅地見込地・田畑:約16,000円/m²(平方メートル)
・開発地の構成を「山林・原野:宅地見込地・田畑 = 2:1」と仮定し、用地費単価を約7,000円/m²(平方メートル)と想定
・用地費:補償費 = 65:35(実績より)
3兆5,700億円(単価は42,000円/m²(平方メートル))
・用地費単価について、岐阜県内の都市計画事業の用地費実績(21,000円/m²(平方メートル):平成9年度)を適用
・用地費:補償費 = 1:1と想定
差額:約2兆7千億円
・東京都試算が採用した岐阜県内の用地取得実績では、取得面積の地目は宅地及び農地が7割を占め、山林・原野が過半を占める候補地周辺の現況とは大きく異なる
・岐阜県内の実績では、用地費:補償費 = 1:0.42となっているが、東京都試算ではこれを1:1と想定しており、補償費を実績よりも高めに設定
(4) 広域交通インフラ整備費 3,000億円 4,252億円 差額:約1千億円
新幹線、高速道路、空港 新幹線、高速道路について、既存路線と新都市を連絡する支線の整備を想定
(それぞれ25km、30km)
新幹線、高速道路について、候補地の地元の新都市構想をもとに整備キロ数を延長
(それぞれ平均で35km、42km)
審議会答申時の再試算によれば、候補地ごとにモデル試算との差額が、-500億円 〜 +1,000億円であり、地域によって幅がある

(注1)「東京都試算」の欄については、公表資料「首都移転の再検証について」に加え、国土交通省首都機能移転企画課が東京都に確認した内容をもとに整理
(注2)本表においては、試算内訳の中の主要項目についてのみ記述してある
(注3)国会等移転審議会試算の合計値については、四捨五入の結果、内訳数値の和と一致しない場合がある

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