Use Cases

LINKSのデータ活用・アプリ開発

統計情報を活用した高精度な観光動態分析の推進

ユースケースの狙い

観光動態分析の高精度化と基準化

各都道府県において実施される「観光地点等入込客数調査」では、月別の観光地点入込客数情報を得ることができますが、観光客の移動経路、交通手段、移動目的等のミクロの観光動態までは把握できていません。また、各都道府県独自の手法で調査・集計を行っていることが多く、統計の定義や集計方法が異なることで、地域間の比較が困難となっています。 このため、位置情報ビッグデータを用いた分析などが進められていますが、市町村単位の狭域エリア、基地局レベルの精度が粗い位置情報、短期間での分析が多く、個々の人流滞在地、滞在地の直前・直後の特定や、旅程全体の立ち寄り地点、周遊順序の分析などを行うことが難しいといった課題も顕在化しています。

(出典)長野県
令和5年観光地利用者統計調査結果 月別利用者数の状況
https://www.pref.nagano.lg.jp/kankoki/sangyo/kanko/toukei/documents/r5kankouti_1.pdf

データ一覧

ファイル名主なデータ項目データ形式年次範囲ファイル数
3 D都市モデル
(建築物)
緯度
経度
CityGML2020~2023年度長野県松本市、岡谷市、諏訪市、伊那市、茅野市、佐久市松本市:12469
岡谷市:375
諏訪市:557
伊那市:3,621
茅野市:15,174
佐久市:1,565
3 D都市モデル
(道路)
緯度
経度
CityGML2020~2023年度長野県松本市、岡谷市、諏訪市、伊那市、茅野市、佐久市同上
3 D都市モデル
(土地利用)
緯度
経度
CityGML2020~2023年度全長野県松本市、岡谷市、諏訪市、伊那市、茅野市、佐久市同上
GPS位置情報固定ID
取得時間
緯度
経度
ログ検知誤差
地域メッシュ
CSV2023~2024年度長野県1
バスプローブデータ等車両ID
時刻
緯度
経度
3次メッシュ番号
CSV2023~2024年度長野県1
ゼンリン地図(建物、敷地、土地形状ポリゴン)緯度
経度
Shapefile2024年度長野県4
観光地点パラメータ調査調査地点
住所(都道府県)
性別
年齢
日帰り‐宿泊
交通費(県内分)円
宿泊費(円)
Excel2023~2024度長野県1
住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査都道府県コード
都道府県名
2024男性人口
2024女性人口
Excel2023年度全国1
鉄道データ鉄道区分
事業者種別
路線名
運営会社
駅名
ジオメトリ等
Shapefile2023年度全国4
JNTO 訪日外客統計国籍
2024年1月

2024年12月
Excel2023年度全国1
観光資源データ観光地名
緯度
経度
地物ID
部分番号
Shapefile2014年度長野県4
バス路線データバス事業者名
その他特記事項
停留所名
Shapefile2022年度長野県7
観光地点等入込客数調査観光地点等コード
中分類
小分類
合計
1月

12月
Excel2023年1月~12月長野県1
訪日外国人位置情報データ端末ID
ログ検知時間
ログ検知メッシュ
国籍
国名
CSV2023~2024年度長野県1
観光地点パラメータ調査原票調査地点
住所(都道府県)
性別
年齢
日帰り‐宿泊
交通費(県内分)円
宿泊費(円)
PDF2023年1月~12月長野県内調査対象観光地12

主な原典情報

①Project PLATEAU ※3D都市モデル(建築物、道路、土地利用)
発行元:国土交通省都市局
参考URL:https://www.mlit.go.jp/plateau/

②ESTRAプローブデータ ※バスプローブデータ等
発行元:矢崎エナジーシステム株式会社
参考URL:https://www.yazaki-group.com/keiso/solution/

③ZENRIN MAPS API ※ゼンリン地図(建物、敷地、土地形状ポリゴン)
発行元:株式会社ゼンリン
参考URL:https://www.zenrin.co.jp/product/category/iot/api/index.html

④観光地点パラメータ調査
発行元:観光庁
参考URL:https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/irikomikyaku.html

⑤住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数調査
発行元:総務省自治行政局住民制度課
参考URL:https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/daityo/jinkou_jinkoudoutai-setaisuu.html

⑥鉄道データ
発行元:国土数値情報
参考URL:https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N02-v3_1.html

⑦訪日外客統計
発行元:日本政府観光局
参考URL:https://www.jnto.go.jp/statistics/data/visitors-statistics/

⑧観光資源データ
発行元:国土数値情報
参考URL:https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-P12-v2_2.html

⑨バスルートデータ ※バス路線データ
発行元:国土数値情報
参考URL:https://nlftp.mlit.go.jp/ksj/gml/datalist/KsjTmplt-N07.html

⑩観光地点等入込客数調査
発行元:観光庁
参考URL:https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/irikomikyaku.html

⑪デジタル観光統計オープンデータ
発行元:公益社団法人 日本観光振興協会
参考URL:https://www.nihon-kankou.or.jp/home/jigyou/research/d-toukei/

システム概要

高精度観光動態分析システム Tourism-analysis

PLATEAUの3D都市モデルと観光統計原票、スマートフォン等のGPS位置情報に基づく人流データを組み合わせ、観光動態を分析するシステムです。 観光統計原票と人流データを組み合わせ、結果の補正・拡大推計を行うことで観光入込客数調査地点数や調査サンプル数の拡大、ODデータ(人流データの起終点データ)から計測した観光客ごとの移動経路・移動手段や立ち寄り先判定など、高精度な観光動態分析を支援します。

1. 観光スポット設定

3D都市モデルの外形線からメッシュを自動生成することで簡便に実施することができます。作成した観光スポットを基に人流データプロバイダーで観光集計データを作成できます。集計データを取りこむことで観光動態分析ができます。

2. 観光スポット別入込客数集計

観光スポット別に人流データの入込客数・観光消費額を集計し表示することができます。観光地への来訪者の性年代や交通手段・居住地・観光スポット訪問前後の立寄り先情報も有しているため、高精度な観光動態分析が可能となります。

3. 市町村内周遊分析

市町村ごとに人流データの滞在ポイントを表示させ、観光客が多く訪れる場所をヒートマップで可視化することができます。また、観光客が多く訪れる場所からどこに多く移動しているかを矢線で表示させることも可能で、観光客の滞在と移動を同一画面上で分析することができます。

有用性検証会の様子

長野県観光スポーツ部山岳高原観光課、企画振興部総合政策課統計室の担当者を対象に、有用性検証会を行いました。観光統計データ分析の精緻化・高度化が図れるか、効果の定量化による観光施策の改善や品質向上に繋がるか等の観点より、システムの使いやすさや業務への有用性について意見交換を行いました。


\ デモ会での利用者の声 /

長野県
観光スポーツ部 山岳高原観光課

入込客数の推定については、地点毎の入込客数推計の手法が統一されているため、既存調査手法と比較して信頼度が高いと感じました。観光庁の統計ではどうしても宿泊ベースの情報しか出てこないので、日帰りも含めて、実際にここに人が集まっているというのがよく観察でき、また前後の動きについても矢印などで視覚的にわかりやすく、施策検討に反映させやすいと感じました!

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