Use Cases

LINKSのデータ活用・アプリ開発

自動車事故データ分析の高度化(2025年度)

ユースケースの狙い

自動車事故報告書データの拡充とテキスト分析高度化による交通安全施策支援

昨年度の実証では、自動車事故報告書のデータ化とジオコーディング、属性別集計グラフ化、表面テキストのキーワード検索機能を開発しました。一方で、対象が東京運輸支局の2023年データのみに限定され、複数単語での検索や単語登場頻度推移などテキスト分析の深掘りが不十分、という課題が明らかになりました。
こうした課題を踏まえ、対象範囲を全国の運輸支局へ広げ、データの拡充と別表附属書類のデータ化を進めることを目指しました。
LINKS VedaおよびLINKS BIを用いた実証では、「自動車運送事業用自動車事故統計年報の作成等に資する分析・可視化」と「自動車事故報告書の記載内容のテキスト分析」の2つのテーマについて検証を行いました。

(出典)昨年度の実証時の分析システム画面(Project LINKS 公式サイトより)
https://www.mlit.go.jp/links/use-cases/3230.html

LINKS Veda&BI 

Project LINKSでは、専門知識がないユーザーでもデータを簡単に構造化しチャット機能や可視化アプリケーションで利用できるノーコードのシステム「LINKS Veda」および可視化ツール「LINKS BI」を開発し、行政情報の再構築を行っています。
「LINKS Veda」は、国土交通省が行政手続等を通じて保有するワードやエクセル、PDF、紙などの「非構造データ」を「構造データ」として再構築するためのソリューションです。LLM(大規模言語モデル)を用いて自然言語を解析し、非構造データから意味情報を抽出。指定されたカラムに格納することで、テーブルなどに構造化されたデータを自動生成します。
また、「LINKS BI」は、LINKS Vedaで作成したデータをそのまま投入し、チャットによる分析指示を可能とする「対話型BI」を実装することで、ユーザーが欲しいアウトプットを手軽に作成することが可能となります。

▲LINKS Veda&LINKS BIの活用の流れ

「LINKS BI」は、以下に示す機能を有しており簡単に分析結果を可視化できます。

①過去のチャット履歴…これまでに行った分析の履歴を一覧で確認
②現在のチャット履歴…現在の分析テーマに関するAIとのやり取りを表示
③チャット入力欄…AIに対して指示や質問を入力するための欄
④分析結果の表示…テーブルやグラフなどの可視化結果を表示

▲LINKS BIの画面構成イメージ

使用するデータ

元データ名自動車事故報告書
データ作成方法
・内容
紙のデータをLINKS Vedaにより構造化
データ構造化後の主な項目自動車の使用者の氏名又は名称
 〇〇交通株式会社
発生日時
 2024-09-13T16:20:00
当時の状況_大分類
 [車両状況,乗客対応,報告・記録・点検状況]
営業所及び運行等の状況_当時の運行計画
 〇〇バスセンター→15:23発 〇〇経由 〇〇行
当時の状況_車両の故障に起因する場合の故障箇所
 燃料装置
年次2023年度、2024年度
範囲全国
レコード数8,657
原典情報国土交通省 関東運輸局 神奈川運輸支局 事故報告書様式
https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/s_kanagawa/seibi_about12.html

本UCのアウトプット例

1.「自動車運送事業用自動車事故統計年報」の作成等に資する分析・可視化

「自動車運送事業用自動車事故統計年報(以下、統計年報)」とは、自動車事故報告規則に基づき自動車運送事業者(バス/トラック/ハイヤー/タクシー)から報告された事故の統計をまとめた年報です。今回、全国の運輸支局から自動車事故報告書のデータを収集・構造化し、LINKS BIで必要な機能を実装することで、本統計年報に掲載されている、事業用自動車の重大事故の業態別死者数及び重傷者数割合、事業用自動車の運転手の年齢と事故件数の関係を分析・可視化します。これにより、統計年報に必要なグラフ作成の効率化と事故実態の把握に活用できます。

2.自動車事故報告書の記載内容のテキスト分析

自動車事故報告書の表面テキストや附属資料をデータ化し、複数単語での検索やキーワード出現頻度の時系列分析を可能にすることで、飲酒運転や居眠りなど事故の特性を抽出し、再発防止策の検討や事故分析の高度化に活用できます。

検証会の様子

国土交通省職員を対象に有用性検証会を通じて、実際に手を動かして体験することで理解が深まり、膨大なデータの迅速な可視化・グラフ化や業務活用の可能性が高く評価されました。一方で、精度面に留意しつつ用途を見極め、分析設計を十分に検討することが効果的な活用に重要とされました。


\ 利用者の声 /

国土交通省職員

膨大な事故データから短時間でグラフや分析表を作成できる点は非常に有用で、統計整理や内部資料づくりの効率化につながると感じました。人手で全件確認するのは現実的ではないものの、概況把握や一次分析の段階では十分実用的な補助ツールだと思います。

自分では作成が難しい分析表を比較的簡単に作れる点に可能性を感じました。一方で、どの列やカテゴリを見るか、どのキーワードを抽出条件にするかで結果の質が大きく変わるため、対話しながら試行錯誤してデータ理解を深める使い方が適していると感じました。

国土交通省職員

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