平成22年版日本の水資源について
〜 持続可能な水利用に向けて 〜
平成22年8月
国土交通省 土地・水資源局水資源部
は じ め に
- 我が国では、これまで大都市圏を中心とする水需要の急増に対応するために、水資源開発を積極的に推進し、それにより水資源に関連する施設整備が相当程度進捗してきました。さらに、近年、水需要は横ばい若しくは減少傾向となり、水需要に供給が追いつかない状況からは脱却しつつあります。
- しかし、最近では、少雨化や降水量の変動の増大、少雪化によって水利用の安定性が低下してきており、昨年も、西日本では、水需要が増大する時期に少雨となり、給水制限が実施されるなどの渇水が発生しました。特に、四国の水瓶である早明浦ダムは、3年連続となる取水制限が実施されるなど、生活用水において減圧給水や断水が実施され、市民生活への影響が生じています。
- このような水量の安定的な確保に関する課題に加え、新たに、安全でおいしい水や豊かな環境等に対する国民の意識の高まりや、施設の老朽化を背景とした事故・水質悪化のリスクの増大、震災時における水供給力の低下等の課題が顕在化していると指摘されています。
- 一方、世界に目を向けると、水問題に対する関心は世界的に高まっているものの、現状では「2015年までに、安全な飲料水と基礎的な衛生施設を継続的に利用できない人々の割合を半減する」という国際目標を達成するには、なお努力が必要であり、国際社会の更なる取り組みが求められています。
- 今年の「日本の水資源」第I編では、「持続可能な水利用に向けて」をテーマに、我が国における水資源の現状と課題等を紹介し、今後、国内外で取り組むべきであると考えられる事項を整理しました。第II編では、日本の水資源と水需給の現況について整理しました。
- 「日本の水資源」は、国土交通省土地・水資源局水資源部が関係機関の調査結果等を基に我が国の水需給や水資源開発の現況、今後早急に対応すべき水資源に関わる課題について総合的に取りまとめたもので、昭和58年から毎年公表しております。本書を通じて、多くの国民の皆様に我が国と世界の水資源の実態をご理解いただくとともに、基礎資料として活用していただき、あわせて水資源行政に一層のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
日本の水資源 概要版(PDF版)
概要版
日本の水資源 本編(PDF版)
第I編 持続可能な水利用に向けて
第II編 日本の水資源と水需給の現況
第1章 水の循環と水資源の賦存状況 、 参考資料
第2章 水資源の利用状況 、 参考資料
第3章 水資源開発と水供給の現状 、 参考資料
第4章 地下水の保全と適正な利用 、 参考資料
第5章 水資源の有効利用 、 参考資料
第6章 渇水、災害、事故等の状況 、 参考資料
第7章 健全な水循環系の構築 、 参考資料
第8章 水源地域対策 、 参考資料
第9章 水資源に関する理解の促進
第10章 水資源に関する国際的な取り組み 、 参考資料
第11章 平成21年度の水資源をめぐる動き
用語の解説
担当:国土交通省 水資源部 水資源計画課 総合水資源管理戦略室(代表:5253-8111)
室長 村井 禎美(内線 31-251)
課長補佐 林 雅知(内線 31-233)
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