緊急時水循環機能障害リスク検討委員会
昨年発生した新潟県中越地震等の自然災害では、上下水道をはじめとする水循環システムが被災しその機能障害に起因して、飲料水の確保やトイレ問題等市民生活に大きな被害が発生しました。将来起こるとされる南海・東南海・東海或いは首都直下型地震等の自然災害においては、より深刻な被害の発生が懸念されています。また、自然災害のほか、水質事故も水循環システムを通じて流域に大きな被害をもたらす可能性があります。
本検討委員会は、自然災害又は水質事故に起因して、上下水道等の水循環システムの機能に重大な障害が発生した場合に、公衆衛生や市民生活等に及ぼす影響リスクを分析・評価し、あわせてその影響を軽減するための対策を検討するものです。
例えば河川上流側の下水処理場の機能が停止すると、未処理の汚水が河川に流出することにより下流側の水道の機能に影響を及ぼすなど、水循環システムの特徴は、機能障害のリスクが広範に伝搬することにあります。水循環システムの機能障害リスクの評価や対策の検討にあたっては、水循環システムに関与する多くの関係者の総合的な取組みが求められるため、本検討委員会は、水道行政を所管する厚生労働省と下水道、水資源、河川行政を所管する国土交通省とが協力して設置するものです。