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河川局

I.平成14年度河川局関係予算の概要

第2 概算要求の主要事項



1.重点事項



1−1 循環型経済社会の構築など環境問題への対応

 21世紀を迎え、ますます高まる環境問題に適切に対応するため、自然共生型事業の推進、おいしい安全な水の確保、リサイクルの徹底等環境にやさしい事業を推進する。

<1>自然共生型事業の推進
          [事業費:2,317億円、国費:1,451億円]

 生物の良好な生息・生育環境を有する河川・海岸環境等を保全・再生するため、湿地の復元や魚がすみやすい流域づくり等の自然環境の再生を目的とした事業を実施するとともに、ダム湖周辺の山林の保全、改変面積の最少化等自然環境への配慮を徹底したダムの整備、自然環境に配慮した多自然型川づくり、既設のダム容量の活用や雨水の貯留・浸透による河川の水量の確保、山地から海まで流域一貫した総合的な土砂管理などの良好な自然環境の保全・再生を目指した自然共生型の河川、ダム、砂防、海岸事業を推進する。

  • 平成14年度は、釧路川(北海道)、日野川(鳥取県)等約610箇所で実施

 

○生物の良好な生息・生育環境を有する河川・海岸環境等の再生
 直線河川の蛇行化や乾燥化した湿地の再生、NPO等と一体となった樹林帯等の整備、エコ・コースト事業、白砂青松の創出等により、生物の良好な生息・生育環境を有する河川・海岸環境等の再生を図る。


 【蛇行河川の復元(釧路川(北海道))】 
【荒廃山地の緑化
(足尾地区(栃木県))】
【ウミガメが上陸・産卵しやすい砂浜の保全・再生(羽根坂本(はねさかもと)海岸 】
s
自然再生事業の創設

・事業内容
 河川の蛇行復元や河畔林の整備、乾燥化傾向のある湿地の冠水頻度を増加させることなどにより生物の良好な生息・生育環境を有する自然河川やウェットランドの再生を積極的に推進するため、自然再生事業を創設する。

・科目及び補助率等

【現行】
(目)直轄河川環境整備事業費
   ・水環境整備事業
   ・河道整備事業
   ・河川利用推進事業
  【負担率:1/2】
【整理後】
(目)直轄河川環境整備事業費
   ・水環境整備事業
   ・自然再生事業
   ・河川利用推進事業
(目)都市河川改修費補助
 (目細)河川環境整備事業費補助
     ・河川浄化事業
     ・河道整備事業
     ・河川利用推進事業
     ・河畔整備事業
  【補助率:1/3】
(目)都市河川改修費補助
(目細)河川環境整備事業費補助
    ・河川浄化事業
    ・自然再生事業
    ・河川利用推進事業
    ・河畔整備事業

【掘削等により冠水頻度を増加させ、ウエットランドを再生(渡良瀬遊水池(栃木県等))】
(乾燥化した湿地)
(整備後イメージ)

○環境配慮を徹底した多様な自然共生型事業の推進
 自然環境に配慮した多自然型川づくりや調整池のビオトープ化・緑化、カヌー等の遊びも考慮した船通し施設や魚道の設置・改良、周辺山林の保全、自然改変の最少化、ミティゲーション等による重要種の保全等環境配慮を徹底したダムの整備、ダムからの放流による魚類等の生息に適した流量の確保等により良好な自然環境の保全・再生を目指した自然共生型事業を推進する。

【多自然型川づくり (茂漁川(北海道))】

【自然共生型ダム (飯田ダム(茨城県))】

ダム水環境改善事業の拡充

・事業内容
 ダム・堰等の下流における水環境の改善を図る施設整備のみを対象としたダム 水環境改善事業で、ダム管理費の一部を補助できるように拡充し、既存ダム容量 を河川の維持流量の確保のために使用する。
・科目及び補助率等
 (目)直轄ダム周辺環境整備事業費
  (事項)ダム水環境改善事業 【負担率:1/2】


対策前

対策後

流域貯留浸透事業の拡充

・事業内容
 降雨を出来るだけ地下に浸透させることにより、地下水を涵養し湧水を復活さ せるなど、健全な水循環の再生を図るため、特定河川の流域に係る流域貯留浸透 事業の規模要件を拡充し、貯留浸透施設の設置を促進する。
(1)貯留浸透施設等の設置に関する工事について、容量等を「500m3以上」から「300m3以上」に拡充
(2)既存調整池等の改良工事について、容量等を「3,000m3以上」から「1,000m3以上」に拡充
・科目及び補助率等
 (目)都市河川改修費
  (目細)流域対策施設整備事業費
   (事項)流域貯留浸透事業 【補助率:1/3】


○流域一貫となった土砂管理の推進
 土砂管理上の問題が顕在化している流域において、源流部から河川、海岸までを流砂系としてとらえ、ダムの排砂バイパスの設置や、荒廃地への植林、堆積土砂の養浜等への活用を行うことで、適正な土砂の流下を促し、美しい山河や自然豊かな砂浜を保全・再生する。



貯水池保全事業の拡充

・事業内容
 本事業は、貯砂ダム等の設置工事に対し補助を行うものであったが、新たに、補助ダムに堆積した土砂の除去を補助対象に追加し、これにより発生するダム容 量を、河川の維持流量の確保のために活用することにより、河川の水環境を改善する。
・科目及び補助率等
  (目)堰堤改良費補助
   (事項)貯水池保全事業 【補助率:1/3】


※堆積土砂を除去することにより環境改善容量を確保する。

【高滝ダム(千葉県)】

<2>おいしい安全な水の確保
        [事業費:261億円、国費:129億円]

 富栄養化等により、特に水質汚濁の著しい河川や湖沼、ダム貯水池における水質浄化対策を実施する。特に、緊急に水環境改善が必要な河川や湖沼については、「清流ルネッサンスII」により、流域における取組みと一体となって河川事業及び下水道事業を進め、水質の改善、水量の確保を図る。

  • 特に汚濁の著しい河川約600km等において、2003年までに水辺利用が可能な水質を達成
  • 汚濁が著しいダム貯水池等については、2005年までに水質浄化対策を完了
  • 平成14年度は、綾瀬川(埼玉県)、霞ヶ浦(茨城県)等約50箇所で実施

【清流ルネッサンスIIのイメージ】


<3>リサイクル・リユースの徹底
       [事業費:412億円、国費:245億円]

 富栄養化等により、特に水質汚濁の著しい河川や湖沼、ダム貯水池における水質浄化対策を実施する。特に、緊急に水環境改善が必要な河川や湖沼については、「清流ルネッサンスII」により、流域における取組みと一体となって河川事業及び下水道事業を進め、水質の改善、水量の確保を図る。

  • 流木や間伐材、土木工事から発生する汚泥、コンクリート殻等を建設資材として積極的に活用することにより、環境負荷の少ない河川、海岸等の整備を推進する。また、河川やダムに漂流する流木のリサイクルを推進する。

【間伐材を利用した護岸整備 【間伐材を利用した斜面対策
(新河岸川(埼玉県))】 (礼文起登臼2地区(北海道))】
【なぎさリフレッシュ事業(請戸海岸(福島県))】
 

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