1994年の米国の国際かんがい排水委員会等における、米国内務省開拓局ビアード長官(当時)の「アメリカにおけるダム建設の時代は終わった」との発言が波紋を呼び、また、米国の民間団体(アメリカンリバーズ)の調査によると、米国では既に500近くのダムが撤去されているといわれている。
しかしながら、平成12年3月に出された「公共事業の個別事業内容・実施状況等に関する予備的調査についての報告書」(衆議院調査局)によると、「米国連邦政府および州政府においてダム建設を全面的に中止・休止したわけではなく、西部の州においては現在も州政府により大型ダムを建設中である」とされており、また、世界大ダム会議(ICOLD*12)が1999年9月にまとめた資料によると、カリフォルニア州などの水需給の逼迫している地域などで、42ダムが工事中であることが確認されている。
エドワーズダムをはじめ撤去されたとされる施設のうちの9割以上が、高さ15m未満の、我が国では通常「堰」と呼ばれているものである。
我が国でも、農業用水の取水用の堰などについて、老朽化、取水位置の統合等の理由で、326施設が撤去(平成13年4月調べ)されている。
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【代表的なダム撤去事例(エドワーズダム(堤高7.3m)、米国)】(撤去前)
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*12 ICOLD:International Commission
on Large Dam |