(4)個別公共事業の評価
平成15年度においても、引き続き河川局所管事業について新規事業採択時評価や再評価等を実施し、公共事業の効率的な執行及び事業実施における客観性・透明性を確保。
|
新規事業採択時評価
「国土交通省所管公共事業の新規事業採択時評価実施要領」に基づき、以下のいずれかに該当する事業について新規事業採択時評価を実施。
評価に当たっては、費用対効果分析を含む総合的な評価を行い、河川事業及びダム事業の費用対効果分析については、平成12年5月に改定した「治水経済調査マニュアル(案)」等に基づき実施。 |
|
事業費を新たに予算化しようとする事業 |
|
ダム事業の実施計画調査費を新たに予算化しようとする事業 |
|
|
再評価
「国土交通省所管公共事業の再評価実施要領」に基づき、以下のいずれかに該当する事業について再評価を実施。 |
|
事業採択後5年間を経過した時点で未着工の事業 |
|
事業採択後10年間を経過した時点で継続中の事業 |
|
ダム事業の実施計画調査費が予算化後5年間が経過している事業 |
|
再評価実施後5年間が経過している事業 |
|
社会的状況の急激な変化、技術革新等により再評価実施主体等が再評価の必要があると判断した事業 |
|
|
事後評価
事後評価基本方針(案)に基づき、平成11年度より一部の事業を対象として試行に取組んでいた事後評価について、平成15年度からは、本格的に実施。
|
評価結果等の公表
原則として、年度予算の支出負担行為の実施計画が承認された後、評価結果等についてインターネット等を通じて公表。ただし、個別箇所で予算内示をされる事業(ダム事業等)については、概算要求書の財務省への提出時及び政府予算案の閣議決定時に公表。
(詳細については、こちら を参照)
|
ダム事業の評価結果等
T.新規事業採択時評価
○事業段階の移行に伴うもの
【直轄・公団事業】 |
事業名
事業主体 |
水系名
河川名 |
位置 |
総事業費
(億円) |
便益(B) |
費用
(C)
(億円) |
B/C |
その他の指標
による評価 |
総便益
(億円) |
便益の
主な根拠 |
したら
設楽ダム建設事業
中部地方整備局 |
豊川水系
豊川 |
愛知県北設楽郡設楽町 |
2,000 |
3,095 |
浸水戸数:10,600戸
浸水農地面積:2,800ha |
1,118 |
2.8 |
・平成6年には、新城市等で91戸の浸水被害が発生しているなど、過去10年間に6回の浸水被害が発生している。
・平成6年には131日間、最大60%の取水制限を実施しているなど、過去10年間(H4〜H13)に12回の渇水被害が発生している。
・当該事業の実施により、石田地点で7,100m3/sの洪水流量を6,100m3まで調節する。
・当該事業の実施により、渇水が頻発しており、また今後水需要が見込まれる東三河地域に水道用水約0.8m3/sの確保等を図る。 |
こいしわらがわ
小石原川ダム建設事業
水資源開発公団 |
筑後川水系
小石原川 |
福岡県甘木市 |
1,960 |
1,527 |
浸水戸数:1,884戸
浸水農地面積:1,258ha |
1,336 |
1.1 |
・平成6年には、筑後川流域及び福岡都市圏において330日間、最大82%の取水制限が実施されるなど過去10年間において4回の渇水被害が発生しており、平成14年も7月以降、取水制限が継続中である(12月現在)。
・福岡県南地区は、水道普及率が76%と低く、現況の水源による取水は限界に達しており、新たな水源が強く望まれている。
・昭和28年には、旧朝倉郡内で死者23名、家屋流出92戸の浸水被害が発生するなど過去49年間において7回の浸水被害が発生している。
・当該事業の実施により、水需要の増加が見込まれる福岡県南地域の水道用水として、0.65トン/秒(56,160トン/日)を確保する。
・当該事業の実施により、ダム地点で320m3/sの洪水流量のうち、270m3/sを洪水調節する。 |
|
【補助事業】 |
事業名
事業主体 |
水系名
河川名 |
位置 |
総事業費
(億円) |
便益
(B) |
費用
(C)
(億円) |
B/C |
その他の指標
による評価 |
総便益
(億円) |
便益の
主な根拠 |
おとこがわ
男川ダム建設事業
愛知県 |
矢作川水系
鳥川 |
愛知県額田郡額田町 |
173 |
579 |
浸水戸数:11,941戸
浸水農地面積:308ha |
131 |
4.4 |
・昭和46年には、岡崎市、額田町で2,780戸の浸水被害が発生するなど、過去10年間に6回の浸水被害が発生している。
当該事業の実施により、ダム地点で160m3/sの洪水流量を30m3/sまで調節する。
・平成13年には、断水被害が発生し給水車が出動するなど、過去10年間に3回の渇水対策を実施。(特にH12,13連続、今年も渇水対策実施)
渇水が頻発し、また今後の水需要増が見込まれる額田市に対し、当該事業の実施により、水道用水最大約2,500m3/日を供給できる。 |
わじきがわ
和食川総合開発事業
高知県 |
和食川水系
和食川 |
高知県安芸郡芸西村 |
136 |
205 |
浸水戸数:391戸
浸水農地面積:231ha |
109 |
1.9 |
・平成元年8月には、高知県安芸郡芸西村で73戸の浸水被害が発生しているなど、過去10年間に4回の浸水被害が発生している。
当該事業の実施により、治水基準点堀切橋地点で424m3/sの洪水流量を380m3/sまで調節する。
・平成8年1月には、最大100%の10日間の取水制限を実施しているなど、過去10年間に5回の渇水被害が発生している。
渇水が頻発し、また今後の水需要増が見込まれる芸西村に対し、当該事業の実施により、水道用水0.0116m3/s(1,000m3/日)を供給できる。 |
|
U.再評価
○再評価実施状況 |
事業区分 |
再評価実施箇所数 |
再評価結果 |
5年
未着工 |
10年
継続中 |
準備計
画5年 |
再々
評価 |
その他 |
計 |
継続 |
中止 |
評価
手続き中 |
|
うち見直
し継続 |
河川事業 |
直轄・公団事業 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
補助事業等 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ダム事業 |
直轄・公団事業 |
|
1 |
1 |
4 |
10 |
16 |
10 |
|
6 |
|
補助事業等 |
|
1 |
|
1 |
8 |
10 |
4 |
|
6 |
|
砂防事業等 |
直轄事業 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
補助事業等 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
海岸事業 |
直轄事業 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
補助事業等 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
合 計 |
|
2 |
1 |
5 |
18 |
26 |
14 |
|
12 |
|
※1 平成15年度概算要求に向けた再評価において、既に実施した13事業(うち中止4事業)を含む。 |
※2 再評価対象基準 |
5年未着工: |
事業採択後一定期間(5年間)が経過した時点で未着工の事業 |
10年継続中: |
事業採択後長期間(10年間)が経過した時点で継続中の事業 |
準備計画5年: |
準備・計画段階で一定期間(5年間)が経過している事業 |
再々評価: |
再評価実施後一定期間(5又は10年間)が経過している事業 |
その他: |
社会経済情勢の急激な変化、技術革新等により再評価の実施の必要が生じた事業 |
|