(2)課題解決の考え方 |
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1)共同の活動における取り決め | ||
市民団体等と行政が共同で活動を行う場合は、連携の対象団体が多数挙げられるため、機会が公平に保たれるよう公開性を保ちつつ、お互いの責任と役割の分担を明確にしておくことが必要である。 特に、本来河川管理者が責任を持つべきものは別として、河川管理上の役割の一部を市民団体に委ねる場合には、契約等の取り決めによりその内容を定めるべきである。 |
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2)情報共有の必要性 | ||
市民団体等の活動及び双方の連携が円滑に行えるようにするためには、市民団体等の活動に役立つ他の活動事例や行政のもつ情報が市民団体間、行政間及び双方で共有されるべきである。 このための情報流通システムが確立されるべきであるが、情報流通のみならず、双方のコミュニケーションが必要であるため、行政に対する住民の意見、相談や市民団体等との意見交換の場としての機能も必要である。 |
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3)市民団体等の活動資金の適切な確保 | ||
市民団体等の活動には、最低限事務的な経費等は必要であるため、活動資金を確保することが不可欠である。このためには、我が国全体の仕組みの中で、寄付金についての税制上の優遇や助成制度の充実等が必要と考えられるが、河川においても河川整備基金等による助成制度の充実が図られるべきである。 |
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4)知識、ノウハウを活用した活動を依頼する場合のルールの確立 | ||
地域固有の自然環境に関する知識を活用した動植物のモニタリングや個々のボランティア活動のコーディネート等、知識、ノウハウを活用した活動を依頼する場合には、ボランタリーな活動であるが故に無償であるという誤解が存在するが、これにとらわれることなく、適正な対価が支払われるべきである。適正な対価を支払う仕組みとして、業務の委託が挙げられるが、この場合、成果を含め業務の始まりから終わりまで一貫した公開による透明性を保つことを基本とし、適切な実行力を有する市民団体等と公平に連携するためのルールが確立されるべきである。 |
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5)行政側の体制等の整備 | ||
行政と市民団体等との連携の大きな問題として、人事異動により行政が不連続であることや、行政側の個人の資質に依存し組織全体としてのノウハウが確立されていないことがある。 こうした課題を解決するため、連携に関する業務が行政の片手間ではなく、新たな行政目的そのものとして対応することが必要となっている。 このため、住民、市民団体等の対応の専門の窓口となり、対話を継続し、的確に行政対応を行うための行政側の組織、体制を整備することが不可欠である。また、市民団体等の活動が行いやすいよう、連携や交流のための場の設置や行政からの水質測定機器等の器材の貸与といった物的支援も必要である。 |