緑川の流域連携活動 (河川環境を軸とした地域づくり活動の連鎖) |
【背景】 | |
● | 熊本県は、比較的地域づくり活動が盛んな県で、緑川流域でも地域づくり団体や自治体が、地域資源(歴史的資源や水・河川・森などの自然)を活かした地域づくり活動を行なっており、以前より団体間・地域間の交流がみられた。(図1) |
● | 平成4年6月に地元新聞社が開催した「ふるさと環境会議」で、緑川河口の漁業後継者の緑川の水質が良くなれば海も蘇るという発表の中の「有明海のあさりが消えた」発言が、参加者に強い衝撃を与え、山の保全を進めている上流域の団体からの「一度山を見に来ませんか」の申し出が、「海」と「山」を「川」で結ぶ流域連携活動への端緒となった。その後、子供達の交流、団体間交流などの上下流交流を経て、緑川流域の団体や有志に呼びかけ、平成5年6月、「緑川の清流をとりもどす流域連絡会」(35団体/当初は 25団体)が結成された。 |
【内容】 | |
● | 緑川流域の環境の保全と交流を考え図る日として「緑川の日」(当初3月13日、現在4月29日)を取り決め、全体として1万5千人以上の人が参加する流域一斉清掃&交流会を実施している。 |
● | 営林署の協力を得て、「漁民の森」植樹計画が企画され、その後「子供の森」、「流域の森」と輪を広げて行なっている。 |
● | 地域づくり団体間交流の中で、地域づくり活動へのスタッフとしての協力、カヤック等の貸与およびインストラクター派遣などを行なっている。 |
● | 九州脊梁を挟んだ五ヶ瀬川流域との間で流域間の交流を行っている。 |
● | 緑川を題材とした環境教育を実施している甲佐町長の呼び掛けで、流域こども連盟が結成された。 |
【特徴】 | |
● | 流域連絡会は、水質や環境など流域が抱える問題や課題を議論するテーブルとして機能するとともに、それぞれの地域づくり活動を流域という視点からサポートしている。 |
● | 緑川の日実施にあたって、第2回より流域連絡会と流域自治体は連携を図りながら、実行委員会を組織し、川の清掃と緑川流域の交流会やシンポジウムを開催しており、清掃にはクレーン協会や建設業協会、内水面漁協等の業界も参加している。(図2) |
● | 緑川改修期成会の中に環境部会を設置するなど民間団体の流域連携活動を支援するための民主導、官サポートの協力体制が確立されている。 |
![]() 緑川の日流域一斉清掃 |
![]() 子どもの森植樹祭 |
![]() 流域連携フォーラム |
![]() 連携しながら行われるカヌー教室 |
![]() 緑川流域Eボート大会と子ども連盟発足式 |
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