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河川局


 
河川審議会管理部会議事要旨について

1.日 時  平成12年3月2日(木)  15:00〜17:00

2.場 所  建設省4F会議室

3.出席者
(委 員)松原管理部会長、有馬委員、石川委員、小澤委員、桑原委員、近藤委員、残間委員、杉戸委員、高橋委員、殿塚委員
(専門委員)市田専門委員、岸専門委員、重川専門委員、森下専門委員、山岡専門委員、横山専門委員
(事務局)竹村河川局長、高橋河川局次長、渡辺河川計画課長ほか

4.議 題
  河川における市民団体等との連携方策のあり方について

5.議事要旨
   建設省河川局が本年1月に、市民団体等に実際に対応している現場行政担当者(建設省各地方建設局河川担当工事事務所及び都道府県の土木部河川課等の河川を担当している部局)に対して行ったアンケート調査(以下「行政アンケート」という)のとりまとめ結果、及び今後の審議の進め方(案)について、事務局より説明を行い、続いて委員から以下のような意見等が出された。

 「連携」という語句は、行政に協力的なNGOを選別し、量産するというような使い方がなされるべきではなく、様々な団体間での広い意味でのコミュニケーションという意味に使われていくべき。

 広い意味でのコミュニケーションにおいては、関係者の共通の理解を得るために、考え方が異なる多くの人々との長年にわたる議論が必要であり、大変な時間と労力を伴うもの。今後コミュニケーションをうまく図っていくためには、失敗事例を徹底的に研究してみるとよい。

 「連携」については、今後ともその方法に関する議論、検討が必要であるが、何かできそうなことが見つかれば、実験的にやってみてはどうか。

 行政、市民団体双方において、インターフェースを有している人々には、多くの人々の議論をまとめ、進行させていく力が必要であるが、現在は個人的資質に頼っているところが大きい。このため、今後は、インターフェースのためのトレーニング等バックアップシステムが必要。

 市民団体は、目的や規模等さまざまな側面において多様性を有する。市民団体との連携に関する具体方策を検討する際には、この多様性を考慮すべき。どのような状況でどのような対応をとると失敗するかということについて、事例を調査するとよい。

 行政アンケートの結果として、「マスコミにより、市民団体=善、行政=悪という扱いを受ける場合が多く、行政を必要以上に警戒させている」という回答が紹介されているが、市民団体等と接するにあたっては、マスコミを毛嫌いすることなく、できるだけ情報をオープンにすることが重要。

 この検討において対象とする「市民団体等」については、農協のような既存の団体を排除するものではなく、あくまでも川の問題を活動テーマとしている団体を対象とすべき。

 市民団体や市民活動は、まだ完成されたものではなく、発展途上にあるので、いろいろの試行錯誤が必要。行政は市民団体を温かい目で見てほしい。

 河川法の目的に「環境」が新たに位置づけられ、河川行政においてなすべきことが増える一方で、行政の規模の縮小という話がある。川のことをよく理解するパートナーとしての市民団体がいないことには、河川行政を推進していくことが難しいのではないか。したがって、新しい形で公共を担う市民団体をどう育てるかということが、この検討における重要なテーマ。

 日本社会では、市民がお互いに支え合って公的な仕事を行うことに対してお金を支払うという風習がない。このような状況の中から立ち上がってくる河川行政のパートナーになるかもしれない市民組織をどう育てていくかということが難しい問題。

 行政アンケートの結果では、市民団体等との連携を進めるにあたっての問題点として、人手がないということが紹介されているが、市民団体に任せることにより、安価で迅速にできるという認識は誤解であり、この認識は市民団体との連携において大きな足かせとなる。

 市民団体との連携の背景として、河川が流域全体の共有財産という認識の広まりが挙げられる、したがって、河川についての共通の将来像を、時間をかけて作り上げることが必要。

 例えば震災において被災者を支援していたボランティアが、防災対策の重要性を認識することにより防災教育を担うようになるなど、市民団体は、活動の目的や組織の大きさ等、その形態を自由に変えることが可能であり、これこそが、行政にはない市民団体のよさといえる。

 行政とは異なり自由な立場にいる市民団体は、川を自由にさまざまな視点から見ることにより、防災や治水に関係のない活動を目的としていても、おのずと防災や治水上非常に有益な提案ができ、大きな力となってもらえる。

 行政の担当者には、どのように手を取り合えばよいか分からない人も少なくないようであるが、市民団体のメンバーがそれぞれ、どのような思いで自分の時間を使い、活動しているのかということについての理解不足が原因ではないか。したがって、行政職員も市民団体の活動を体験してみることが得策。

 市民団体を取り巻く情勢はすさまじい勢いで変化しており、行政、市民団体が担うべき役割も刻々と変化するものなので、あまり固定的な感覚ではなく、ダイナミズムの中で考えることが必要。

 途上国に先進国の住民運動のリーダーが多く入っているように、日本にもいずれは外国の市民団体が入ってくるはず。したがって、市民団体に対する行政の対応策も、国際的な評価に耐えうるものであるべき。

 川に関して市民団体の得意とするところは、地域に密着していることである。例えば、数百kmにわたる川辺の環境を行政の職員が全てカバーすることは不可能であるが、市民団体は数団体により小刻みに把握している。このような特性を活かし、どのような仕事であれば市民団体に任せられるかということを具体的にまとめてみてはどうか。



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