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河川局


河川審議会管理部会議事要旨について


1.日 時  平成12年5月30日(火)  10:00〜12:00

2.場 所  建設省4FC,D会議室

3.出席者  
(委  員)松原管理部会長、有馬委員、碓井委員、小澤委員、近藤委員、高橋委員、殿塚委員
(専門委員)市田専門委員、岸専門委員、重川専門委員、森下専門委員、山岡専門委員、横山専門委員
(事務局)竹村河川局長、高橋河川局次長、渡辺河川計画課長ほか

4.議 題
  河川における市民団体等との連携方策のあり方について

5.議事要旨
  事務局から答申素案のたたき台が示され、これに対する以下のような意見等が出された。


(市民団体等のアマチュア性に関する意見等)
 「アマチュア」という語句については、まずその意味を明確にしてから用いるべき。「アマチュア」と「プロ」の違いは、能力や専門性にあるのではなく、その目的、意識や価値観にある。「アマチュア」は「プロ」に比べ能力が劣っているという意味で用いられるべきはない。

 「アマチュア」「ボランタリー」とも各人がそれぞれ異なったイメージを持っているはず。したがって、お金を支払った場合、支払わなかった場合について、その都度公開して、国民に議論してもらうことがよいのではないか。そのような中で、一定のルールが確立されるのではないか。

 行政側もアマチュアリズムの精神を持たなくてはならず、市民活動マインドというものがなければ、市民団体等との連携等の活動はできないのではないか。

 学術的な組織や企業などが行う判断基準による区別ではなく、例えば、魚の調査を行う能力は大学の研究者より市民の方が上かもしれない、そういった能力をアマチュアリズムと言うのではないか。


(税制上の優遇措置及び助成制度についての意見)
 寄付金についての税制上の優遇措置が必要であることについては、市民団体側が要求しているのは認識しているが、むしろ河川整備基金の充実に重きをおいた記述とすべき。

 税制上の優遇措置については、河川審議会の答申できちんと記述すべき。

 寄付金についての税制上の優遇措置が必要であることについては、このこと自体に関する議論を十分に行ったわけではないので、更に議論が必要であることを加えて記述しておくべき。

 税制上の優遇措置と助成制度はその実現性等の観点から、次元の異なる話なので並列に扱う文脈としない方がよい。

 税制上の優遇措置と助成制度は、次元の異なる話ではあるが、政策手段として一括して記述すべき。(上記意見に対する逆の意見)

 「寄付金や助成金をめぐる制度の充実」と記述する方法もあるのでは。

 これまでの連携における課題として、市民団体等に業務を委託する仕組みが整っていないことが挙げられているが、加えて助成金の仕組みも整っていないことを明記すべき。

 市民団体等に関する税制上の優遇が必要であることについては、建設省から要望することもできるのではないか。


(市民団体等に支払われる対価に関する意見等)
 市民団体の活動の現地視察では、市民団体の活動に対し行政側が負担すべき対価について殆ど支払っていないことで市民団体に負担になっているように思われた。

 ボランティア活動は自主的に社会的貢献活動を行うものであり、これに対しお金が支払われるかどうかということは、活動がボランタリーであるか否かということとは全く別の話である。したがって、「適切な対価が支払われるべき」と断定するのは、誤解を招く恐れがある。

 知識やノウハウを活用した活動に対して「適正な対価が支払われるべき」というのは、確かに行きすぎた表現ではあるが、ボランティアだから無償であるという誤解をしている自治体が多いという行政側の思いも理解できる。

 ボランティア活動の何に対して対価を支払うのかということを明記しないと、現場の行政担当者にも混乱が生じる。依頼したら対価を支払う、役割分担してもらえれば経費も分担するといった流れの文章にすると、「適切な対価を支払う」という文章も自然に受け入れられるはず。現在行っている積算方法のように、人工に対して支払うという考え方はおかしい。

 ボランティアが無償であるという考え方がある限り、ボランティア活動が決して広がりを見せることはない。したがって、「適正な対価を支払う」という考え方は答申に活かされるべき。

 行政が市民活動に対して、人工による方式ではなくどのような方式でお金を支払うかということについては、今一つのコンセンサスが得られれば、世の中全体がその方向に向かっていくのではないか。したがって、今は、河川審議会として一つの新しい提案をすることに意味があるのではないか。

 お金を支払うための方法については、同じ方法でもある地域では許されて、他の地域では通らないという状況がある。したがって、今は、各地域において事例を積み上げていくことがよいのではないか。

 「適正な対価が支払われる」ことは重要ではあるが、市民団体の立場からすると、お金を支払われることにより、自らの活動が「発注されたお仕事」になってしまい、本来自主的な活動であったにも関わらず、多くの回数出てくる人が、少ない回数しか出てこない人を責めるということも起こる。このコントロールが重要な課題となってくる。

 「活動に対する対価を支払う」前提として、「知識、ノウハウを活用した活動を依頼する場合」と明記してあるが、これは、市民団体に大いに専門知識を提供していただいたくための対価という意味であるので理解できるが、「支払うべき」というよりも「確保されるべき」とした方がよい。

委託においては発注者の求めていることを満足するような努力をするべきである。したがって、委託に対する支払いは当然なされるべきであり、企業と対等であってもよい。しかし、委託は市民活動のほんの一部であり、市民団体は、この委託をこなしつつも、他で自主的な活動により新しいを行い、これにより成長していくべき。委託のみをこなしていては、いっこうに成長しない。


(連携の評価のシステムに関する意見等)
 連携についての評価システムについては、連携の当事者である市民団体や行政ではない第三者による評価がなされることが重要。

 中身が分かっていない第三者による評価はなかなか受け入れがたいものであるため、評価そのものは日頃実際に活動している自らで行うべき。したがって、連携の評価システムにおいては、公平な自己評価ができるようなチェックリスト必要であり、このチェックリストの作成を第三者が行うとよい。

 連携の評価を流域外の実状を知らない第三者が行うのは望ましくない。流域共有の公共財産の受け手である流域住民が評価要因を決定するというやり方もある。


(その他)
 「流域共有の公共財産」は大変いいキャッチフレーズであり、「はじめに」でもこの考え方を基に連携を進めようとしていることをもっと分かりやすく明記すべき。

 「はじめに」の「地域住民の河川への参加が重要」「川に参加する方法」という記述は、それぞれ、「地域住民の河川関連活動等への参加」「地域の暮らしの中に川を取り戻していく方法」とした方が分かりやすい表現となる。

 資料中「はじめに」の最後の段落の記述「市民団体等そのもの及びその活動は、……進化の途上にあるため、……」については、「そのもの」を削除する方がよい。

 連携のあり方として、「地域の特性に合った方法を確立すべき」という記述を加えてみてはどうか。

 市民団体等が市民と行政のインターフェースの機能を発揮できる前提として、行政が自らの情報を積極的に提供することが不可欠。発揮する能力があるということと、実際にできるということは別の問題である。


(今後の進め方について)
 この答申素案のたたき台については、本日の議論では、骨格についてはおおよそ賛同が得られていることから、部会長一任のもと、修正を行い、各委員に必要な確認を頂いた後、答申素案とし、河川審議会長名で一般に広く意見聴取する。さらに、これを踏まえ、最終的な答申案を作成することとする。



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