2.河川における市民団体等との連携に向けた展開
以下のような社会情勢や河川行政の方向性から、社会全体からみて市民団体等に |
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(1)我が国の社会における市民団体等の活動の高まり |
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1)各人の意見主張、社会貢献の欲求の高まり | ||
多様な価値を認め合う社会へと移行している中、各人が自らの考えを主張し、社会に貢献することを望むようになってきている。 |
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2)個性豊かな特色ある地域社会形成の機運の高まり | ||
地域共有の財産である川や自然、歴史、文化等を大切にした地域づくりを、地域の人々自らが取り組む機運が高まっている。 |
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3)多様なニーズに対応するための非営利セクターの必要性 | ||
河川の分野に限らず社会のニーズは多様化しており、行政のみでは行き届きにくいきめ細かで多様なサービス等を担う、公益的非営利セクターの必要性が顕在化している。 |
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(2)社会の変化に対応した河川行政の新たな展開 |
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近年の河川行政の展開においては、以下のように、従前の河川管理の枠組みを超えた地域ぐるみの展開が必要となっている。 |
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1)流域住民、河川利用者のニーズの的確な把握 | ||
平成9年の河川法改正により、河川整備計画の策定の際に住民意見等の聴取・反映手続きが法制化された。また、自然体験の場、環境教育の場、いや |
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2)治水施策等の流域への展開 | ||
災害対策においては、氾濫時に被害を最小限にとどめる危機管理や雨水貯留・浸透による流出抑制等、流域での対応を含めた効果的な治水・利水対策等が必要となっている。また、河川を活かした都市の再構築を図るべく、まちづくりと一体となった川づくりが重要となっている。 |
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3)多様な分野の知識の必要性 | ||
河川法の目的に環境の整備と保全を位置づけた平成9年の河川法改正に即した河川管理、川に関する歴史や文化の保存・伝承等に配慮した河川管理等を展開していくためには、河川工学のみならず | ||
4)学校教育を含む学習活動 | ||
将来を担う子供達が川とふれあう場を確保していくことにより、川を活かした学習活動が活性化していくことに寄与するとともに、川への関心を喚起し、人々のつながりの裾野を広げていく。このことも踏まえ、川のもつ優れた特徴を活かし、学校教育を含め、関係機関や地域との密接な連携のもとに「川に学ぶ」環境を育むべきである。 |