5.今後とるべき具体的方策
我が国においては、欧米の市民団体等の活動に比べその歴史が浅く、行政側の対応体制も全くといっていいほど確立されていない。したがって、即座に優れた連携の形態が確立されるものではないが、よりよい連携に向け、着実に進展していくためには、現在でも実施が可能なことについては着実に実行するべきであり、実施例がないものについては、まず試行的にでも実施し、状況をフォローアップしながら、連携内容を充実させていくことが重要である。なお、その際、全国画一的な連携形態ではなく、地域の特性や実状に応じた多様な連携形態としていくことも重要である。 このような中、当面は以下のような方策を講じるべきである。 |
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(1)新たな連携形態の導入 |
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1)市民団体等からの連携計画の提案制度の導入 | ||
河川における連携が広範に普及していくために、連携のための計画を公募し、実現の可能性等を踏まえ、提案を採用する制度を試行的に実施する。 |
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2)自主運営型システムの導入 | ||
行政は広報活動やアンケート調査等を依頼する場合、 |
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3)ビオトープ、植栽等の計画、整備から管理までを依頼するシステムの導入 | ||
自然環境等地域の特性を踏まえたきめ細かな川づくりを行うため、一定区域におけるビオトープ、植栽等の計画、整備から管理までを一括して依頼するシステムを導入する。 |
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4)企業等とも連携した方式の導入 | ||
行政が活動のためのフィールドや情報等を、企業が社会貢献の一環として連携活動のための資金をそれぞれ提供し、これらを基に市民団体等が例えば一定区域の植栽管理を行うといった、三者の |
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(2)連携を支える仕組みの導入 |
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1)評価システムの導入 | ||
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2)取り決め、ルールの確立 | ||
市民団体等と行政の共同作業の場合においては、双方が責任をもってその役割を確実に果たすことができるよう、お互いの責任と役割分担を明らかにする取り決めを設けるものとする また、透明性を確保しつつ、適切な実行力を有する市民団体等と公平に連携するためのルールを確立するとともに、知識、ノウハウを活用した活動を依頼する場合には、適切な費用負担を行うにあたってのルールを設ける |
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3)情報流通システムの確立 | ||
市民団体等と行政が円滑にコミュニケーションを深めるため、意見交換の場を設置するとともに、先駆的な活動事例や河川に関する広範なデータ等を把握、提供するシステムを構築し、市民団体等間、行政間及び双方で共有する。 |
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(3)連携に必要な人材の確保のためのシステムの導入 |
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1)市民活動等のコーディネーターを養成する仕組みの導入 |
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市民団体等の |
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2)専門的知識・経験を活かすための人材バンク等のシステムの整備 | ||
市民団体等と行政が協力して、環境のモニタリング、危険行為の監視、河川における環境教育や安全な遊びの誘導等を行う者を登録する制度を設ける。特に行政権限に密接に関わることについては、責任の問題や実効性についても検討する。 |
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(4)連携を円滑に行うための行政側の体制整備等 |
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より効率的に連携が図られるよう、行政は以下のような対応策を講じるべきである。 |
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・ | 市民、市民団体等の対応部署の常設 |
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・ | 職員 |
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・ | 市民活動用の交流の |
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・ | 河川整備基金等の助成制度の充実等、財政基盤の確保 |
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・ | 関係省庁や地元自治体との連携の充実 |