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河川局


全国の109の一級水系にまつわる和歌・俳句一覧




地域 水系名 河川名 代表的な和歌・俳句 歌枕 歌人・俳人
北海道 天塩川 天塩川 蝦夷人のみそぎなしたる天塩川今宵ぞ夏のとまりをばしる   松浦武四郎
網走川 網走川 北国の日筋きびしく差す下に能取網走の湖二つ見ゆ   宮柊二
石狩川 石狩川 野の末にほのかに霧ぞたなびける石狩川の流れなるらむ   若山牧水
空知川 空知川雪に埋もれて鳥も見えず岸辺の林に人ひとりゐき   石川啄木
釧路川 釧路川 パン食ひてさびしきものか釧路川の水はくろしとひとり見てをり   橋本徳寿
十勝川 十勝川 水縞をあらはに鮭の十勝川   上村占魚
東北 米代川 米代川 材木や米代川の秋の風   石井露月
雄物川 雄物川 秋風の油虹なす雄物川   加藤楸邨
北上川 北上川(衣川) やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに   石川啄木
衣川 身に近き名をぞたのみし陸奥の衣の川と見てや流れむ 衣川 よみ人しらず
雨の洲の卯の花かなし衣川 水原秋櫻子
緒絶川 白玉のをだえの橋の名もつらしくだけて落つる袖の涙に 緒絶橋 藤原定家
最上川 最上川 最上川上れば下る稲舟のいなにはあらずこの月ばかり 最上川 よみ人しらず
五月雨をあつめて早し最上川 芭蕉
名取川 名取川 名取川瀬々のうもれ木あらはればいかにせむとかあひ見そめけむ 名取川 よみ人しらず
陸奥にありといふなる名取川なき名とりては苦しかりけり 壬生忠岑
阿武隈川 阿武隈川 阿武隈に霧たちくもり明けぬとも君をばやらじ待てばすべなし 阿武隈川 よみ人しらず
つばくらめちヽと飛びかひ阿武隈の岸の桃の花今さかりなり 若山牧水
関東 久慈川 久慈川 久慈川は幸くありまて汐舟に真かぢしヾぬきわは帰りむ   丸子部佐壮
那珂川 那珂川 雨の世に舟を浮へて青柳の木の間を渡る風の涼しさ   徳川斉昭
利根川 利根川 逢はずして行かば惜しけむまくらがの許我(こが)漕ぐ船に君も逢はぬかも   よみ人しらず
利根川の川原を行けばさよ千鳥石踏む路にをちかへり鳴く 公朝
烏川 上野佐野の舟橋取り放し親は放くれど我は離るがへ 佐野船橋 よみ人しらず
荒川 隅田川 名にしおはばいざ言問はむ都鳥わが思ふ人はありやなしやと 隅田川 在原業平
春雨や鼠のなめる角田川 一茶
多摩川 多摩川 たまがはにさらすてづくりさらさらに何ぞこの子のここだ愛(かな)しき   よみ人しらず
鶴見川 鶴見川 麦秋の麦倒れたり鶴見川   水原秋櫻子
相模川 相模川 夕月夜さすや川瀬の水馴れ棹なれてもうとき波の音かな   源実朝
富士川 富士川 吹きおろす雪かと見れば白妙に真砂ぞなびくふじの河風   藤原為家
富士川や岩の逆まく雪解水 素丸
笛吹川 兄川にならぶ弟川ほそぼそと青山峡をながれてくだる 差出磯 窪田空穂
北陸 阿賀野川 阿賀川 阿賀川も紅葉も下に見ゆるなり   河東碧梧桐
阿賀野川 芽立つ中渦いそぐなり阿賀野川   水原秋櫻子
信濃川 千曲川 山焼くや夜はうつくしきしなの川   一茶
信濃川 雪捨てて波もたたまず信濃川   篠田悌二郎
黒部川 黒部川 山風や黒部の川のしぶきより低き岩瀬に人のあるかな   与謝野晶子
常願寺川 常願寺川 落鮎の常願寺川真くらがり   森澄雄
神通川 神通川 大橋に神通川の秋を見て飽かで猶行く川上の橋   与謝野寛
庄川 庄川 雄神川(庄川)紅にほふ娘子らし葦付取ると瀬に立たすらし   大伴家持
小矢部川 小矢部川 朝床に聞けば遥けし射水川(小矢部川)朝漕ぎしつつ唄う船人   大伴家持
九頭竜川 九頭竜川 夏刈りの玉江の葦をふみしだき群れゐる鳥のたつ空ぞなき 玉江 源重之
叔羅川瀬を尋ねつつ我が背子は鵜川立たさぬ心なぐさに 大伴家持
中部 狩野川 狩野川 水晶の枕のごとし峠より俯してわが見る伊豆の狩野川   与謝野晶子
安倍川 安倍川 安倍川の引水はやし天の川   介我
大井川 大井川 馬方は知らじ時雨の大井川   芭蕉
五月雨の大井越えたるかしこさよ 蕪村
天竜川 諏訪湖 諏訪の海のこほりの上野通ひぢは神の渡りてとくるなりけり 諏訪海 源顕仲
諏訪の海に夏のこほりをしくものは秋はづかしき夜半の月影 慈円
木曽川 木曽川 なかなかに言ひもはなたで信濃なる木曽路の橋のかけたるはなぞ   源頼光
長良川 鵜飼の火絶対不変長良川   山口誓子
豊川 豊川 月数めばいまだ冬なりしかすがに霞たなびく春立ちぬとか 志賀須賀渡 大伴家持
矢作川 矢作川 矢矧川うへのにたてるかば桜いつか軒ばにならむとすらむ   藤原親隆
庄内川 庄内川 雇はれに美濃のをとめら河を越ゆ尾張田植うる檜笠携ふ   三田澪人
鈴鹿川 鈴鹿川 鈴鹿川八十瀬渡りて誰がゆゑか夜越えに越えむ妻もあらなくに   よみ人しらず
雲出川 雲出川 雲づがはせきいれてまける苗代は秋の空こそかねて見えけれ   藤原俊成
櫛田川 櫛田川 世の中に沈むとならば櫛田川流れ失せぬるわが身ともがな   源俊頼
宮川 宮川 流れ出でて御跡垂れます瑞垣は宮川よりや度会の標   西行
五十鈴川 神風や五十鈴の川の宮柱幾千代すめと立て始めけむ 五十鈴川 藤原俊成
君が代は尽きじとぞ思ふ神風や御裳濯川の澄まむかぎりは 御裳濯川 源経信
近畿 由良川 由良川 由良のとをわたる舟人かぢをたえ行方も知らぬ恋のみちかな 由良 曾禰好忠
淀川 琵琶湖 鳰の海や霞のをちにこぐ船のまほにも春のけしきなるかな 鳰海 式子内親王
ささ波の志賀の唐崎幸くあれど大宮人の船待ちかねつ 唐崎 柿本人麻呂
白波の打出の浜の秋霧に晴れずもの思ふ鳰鳥ぞ鳴く 打出浜 藤原高遠
瀬田川 ひき渡す瀬田の長橋霧はれて隈なく見ゆる望月の駒 瀬田橋 藤原顕季
野洲川 うち渡る野洲の川原に鳴く千鳥さやかにみえぬあけぐれの空 野洲川 源頼政
宇治川 宇治川は淀瀬なからし網代人舟呼ばふ声をちこち聞こゆ 宇治川 よみ人しらず
もののふの八十氏川の網代木にいさよふ波の行方知らずも 八十氏川 柿本人麻呂
木津川 都いでて今日みかの原泉川川風寒し衣かせ山 泉川 よみ人しらず
鴨川 石川や瀬見の小川の清ければ月も流れをたづねてぞすむ 瀬見小川 鴨長明
桂川 大堰川ゐ堰の音のなかりせば紅葉を敷けるわたりとや見む 大堰川 藤原顕季
淀川 淀川の淀むと人は見るらめど流れて深き心あるものを 淀・淀川 よみ人しらず
芥川 はつかにも君をみしまのあくた川あくとや人のおとづれもせぬ 芥川 よみ人しらず
大和川 飛鳥川 明日香川しがらみ渡し塞(せ)かませば流るる水ものどにかあらまし 飛鳥川・明日香川 柿本人麻呂
世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる よみ人しらず
竜田川 ちはやぶる神世も聞かず竜田川から紅に水くくるとは 竜田 在原業平
初瀬川 初瀬川ふる川野辺に二本ある杉年をへてまたもあひ見む二本ある杉 初瀬 よみ人しらず
富雄川 斑鳩や富雄川の冬の月絶えずや千代の影にすむらむ 富雄川 順徳院
佐保川の清き川原に鳴く千鳥かはづと二つ忘れかねつも 佐保川 よみ人しらず
紀の川 紀の川 あさもよひ紀の川上を見わたせば金の御岳に雪降りにけり   顕昭
吉野川 見れどあかぬ吉野の川の常滑の絶ゆることなくまたかへりみむ 吉野川 よみ人しらず
吉野川岸の山吹咲きにけり峰の桜は散りはてぬらん 藤原家隆
新宮川(熊野川) 新宮川 忘れても汲みやしつらん旅人の高野のおくの玉川の水 高野玉川 空海
苦しくも振りくる雨か三輪の崎佐野の渡に家もあらなくに 佐野渡 長忌寸奥麻呂
駒とめて袖うち払ふかげもなし佐野のわたりの雪の夕暮   藤原定家
円山川 円川 日没を円山川に見てもなほ夜明めきたり城の崎これは   与謝野晶子
加古川 加古川 加古川の川口にある松原を漕ぎさかる海の浪のうへゆ見つ   斎藤茂吉
中国 千代川 千代川 瀬の曲りなぞりて雛の流れゆく   山口誓子
揖保川 揖保川 あさましや室は浮津と聞きしかど沈みぬる身の泊りなりけり   源俊頼
天神川 天神川 山深く年ふる我もあるものをいづちか月の出でて行くらむ   智縁上人
吉井川 吉井川 長船の鍛冶する音の聞こゆるはいかなる人の鍛えなるらん   西行法師
旭川 百間川 白鷺や百間川の忘れ水   村山故郷
斐伊川 斐伊川 つまこめて八重立つ雲になるかみやひの川上の夕立の空   権僧正公朝
高梁川 高梁川 川床に白き小石のうすひかる高梁川はなつかしきかな   赤木桁平
江の川 江の川 水嵩の盛んなる川に圧されつつしかすがに合流を遂げゐる支流   谷口勝利
芦田川 芦田川 我妹子が見し鞆の浦のむろの木は常世にあれど見し人そなき   大伴旅人
太田川 太田川 太田川雨に濡れつつわが来クば磧の草も離々たるかなや   吉井勇
高津川 高津川 石見の海打歌の山の木の間より我振る袖を妹見つらむか   柿本人麻呂
小瀬川 小瀬川 夢路にもかへらぬ関を打ち越えて今をかぎりと渡る小瀬川   吉田松陰
四国 那賀川 那賀川 ダム二つ築きて水利ゆたかなる「阿南、那珂川」発電つづく   河合恒治
吉野川 吉野川 大歩危の冬は静や川烏   高浜年尾
土器川 土器川 かなしみを翼にたたむ容して五位鷺は立つ土器川の岸   山路みさを
物部川 物部川 物部川山のはざまの風さむみ精霊蜻蛉飛びて日の暮るる   吉井勇
仁淀川 仁淀川 仁淀川渡らむとして杜甫うたふ七言絶句のかなしみにあふ   豊島未来
重信川 重信川 岩堰の岩にけし飛ぶ霰哉   正岡子規
渡川 四万十川 四万十の平らなる水裂きて跳ね鮎の胎子も彈みてあらむ   春日真木子
肱川 肱川 川嵐過ぎて海より返す風並み干す海苔のかをりを放つ   今泉操
九州 山国川 山国川 古里の山国川に鮎釣ると   高浜虚子
遠賀川 遠賀川 鮭招ぶと稚魚放流する遠賀川かつて石炭運びたる川   岡口茂子
筑後川 筑後川 筑後川川口ひろみ大汐の干潟はるけき春の夕ぐれ   若山牧水
松浦川 松浦川 松浦県佐用姫の子が領巾振りし山の名のみや聞きつつ居らむ 松浦潟 山上憶良
嘉瀬川 嘉瀬川 うつせみの病やしなふ寂しさは川上川のみなもとどころ   斎藤茂吉
本明川 本明川 水きよき本明川のほたるにも小さきいのちありていとしも   吉井勇
大分川 大分川 日照雨する汽水域にて百合一枝漂ふを見き朝の電車に   伊勢方信
大野川 大野川 豊後本線に沿ひて流るる大野川阿蘇の登路に見えなくなりぬ   石岡雅憲
川内川 川内川 ほのぼのと川内川の夕映えのばら色をしてめぐりたる船   与謝野寛
白川 白川 おほけなし阿蘇の煙と白川の流れと共に住み古りにつつ   上田英夫
球磨川 球磨川 みぎはには冬草いまだ青くして朝の球磨川ゆ霧たちのぼる   齋藤茂吉
緑川 緑川 柳からわたる燕やみどり河   古山
菊池川 菊池川 雲涼し窟をながるる菊池川   吉武月二郎
大淀川 大淀川 朝まだきすずしくわたる橋の上に霧島ひくく沈みたり見ゆ   長塚節
五ヶ瀬川 五ヶ瀬川 引く水に麻の苧浸てて月待つは清き河原の天地根元づくりの家   北原白秋



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