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河川局

<別添資料>

1. 世界水会議及び世界水フォーラムの沿革
 近年の水問題に対する国際社会の関心の高まりを受け、1987年の「持続可能な開発」を世界に提言したブルントラント報告書の中で、環境問題との関係で国際的問題として水問題が取り上げられた。
1992年、水と環境について広く議論を行ったダブリン会議が開催され、さらにブラジル・リオで開催された地球環境サミットにおいて、淡水資源の確保が主張された。しかしその後頻発する干ばつや砂漠化、全世界的に発生する大水害、国際河川や地下水の水質汚染が発生するなど、水に対する国際社会の取り組みが不十分とする認識が、1990年代に世界的に広がってきた。
 このような情勢の下、世界各国の専門家、学会、国際機関が中心となり、水に関する国際シンクタンクを目指す世界水会議(WWC: World Water Council)が設立され、世界水ビジョン策定の取り組みが始まった。
 世界水フォーラムはこうした流れを加速させ、21世紀の国際社会における水問題の解決に向けた議論を深め、具体的な提案を興し、その重要性を広く世界にアピールするために世界水会議(WWC)により提案され、第1回会議が1997年3月、モロッコ・マラケッシュで開催されたものである。

2. 第2回世界水フォーラム
 第2回世界水フォーラムは2000年3月17日〜22日の6日間、オランダ・ハーグ市で開催された。第2回世界水フォーラムは、大きく3つの部門に分かれている
 第1の部門は水フォーラム本体で本会議と地域別(アフリカ、中近東、アジアなど)25分科会、分野別(水と環境、川と水、水と歴史、農業開発のための水など)62分科会の計87分科会からなる。それぞれの分科会で0.5〜1日間の討議を行い、各分科会の代表が本会議で結果報告を行った。これらの報告とこの会議までに世界各国で行われた数多くの議論を踏まえ、本会議で世界の水問題に関して国際社会に解決策を提言する世界水ビジョンが策定された。
 第2の部門は閣僚会議で世界130カ国、114の水担当大臣が出席した。2日間の高官級準備会議を経て、3月21日、22日の2日間にわたり水問題の国際協調と連携に関する討議が行われた。この結果を取りまとめ、水問題に関する各国政府の共通認識と今後の取り組みへの決意を表したハーグ宣言が採択された。
 第3の部門は関連する水フェアーなどの参加型広報行事で、より広くNGOや一般、また次世代を担う子供達などに広く水問題の重要性をアピールした。水フェアーは水に関する国際機関や各国政府機関、企業やNGOがそれぞれの活動につきブースで展示するもので、約100の関係機関・団体(オランダ国内60%、国外40%)が参加、展示を行った。世界の子供達の参加プログラム「フューチャーヴェッセル」では、世界から約200名の子供達が招待され、水に関する将来を描いた船(フューチャーヴェッセル)の建造を行った。
 会期中、会議出席者は約5,700人で、一般参加も含め会場には延べ約35,000人が訪れ、世界各国の報道機関によって会議が中継された。わが国においてもそれぞれの報道記事に加え、論説などにも多数引用され、水問題に関する国際連携の必要性が強調された。
 日本からは、関係各省庁から18名が代表団(団長:岸田建設政務次官)として出席したほか、約100名が会場を訪れた。この中で日本は、河川や流域単位で水を議論する分科会「川と水委員会」を開催し、積極的な会議参加を行った。
 また、日本ブースが水フェアーに出展され、わが国の河川に関する技術紹介や環境保全への取り組みが紹介された。フューチャーヴェッセルではハーグの国際会議場と横浜国際競技場などがインターネット回線でつながれ、世界の子供達と日本の子供達が直接対話、交流を行った。
 この世界水フォーラムの実施にあたり、オランダ政府はオランダ国皇太子殿下オレンジ公を委員長とする世界水フォーラム国内運営委員会を組織し、会議の企画運営にあたった。

3. 世界水フォーラムのインパクト
 この第2回世界水フォーラムをうけ、国際社会の21世紀の水問題に対する関心は大きく高まることとなった。国連ではアナン事務総長が21世紀に向けた基調演説の中で世界水フォーラムに言及し、21世紀の水問題解決の必要性に言及している。また、九州・沖縄サミットでは、外相会合総括文書の中で、世界水フォーラムの取り組みを歓迎すると述べている。

4. 第3回世界水フォーラムに向けた取り組み
 第2回フォーラム終了後の世界水会議理事会において、第3回世界水フォーラムを2003年3月、日本で開催することが決定された。これを受け、日本においても関係省庁が連携して関係省庁準備会議を平成12年6月に設置し、検討を開始している。また、関係機関、団体、学会、専門家、NGO等幅広い層の参加を得て第3回世界水フォーラムを成功させるべく、(財)水資源協会内に「第3回世界水フォーラム準備事務局」を開設。2003年3月フォーラム開催に向け、今後準備事務局において第3回水フォーラムに必要な様々な検討や諸準備を行うこととしている。


(参考)

第3回世界水フォーラム準備事務局発足までの経緯

2000年2月  世界各国から日本で開催することを求める声を反映して、アブザイド世界水会議総裁から日本開催の要請
3月  世界水会議理事会において日本開催決定
6月  世界水フォーラム関係省庁準備会議設置
(内閣内政審議室、環境庁、国土庁[事務局]、外務省、厚生省、農林水産省、通商産業省、建設省)
7月  第3回世界水フォーラム準備事務局発足(21日)
・場所  トーユー赤坂ビル4F
・組織  当面(財)水資源協会に組織
今後、独立した組織として体制を整備する予定
・構成  事務局長 尾田榮章
(世界水ビジョン「川と水委員会」事務局長、元建設省河川局長)
他、事務局員
2003年3月  第3回世界水フォーラム開催予定

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