1.趣旨 |
水環境中におけるダイオキシン類の実態を全国的に把握し、環境基準の検証等に必要な知見の集積を図るため、建設省では、環境庁と連携し、平成11年度秋期に一級河川の直轄管理区間において河川の水生生物に関するダイオキシン類調査を実施した(一級河川都道府県管理区間、二級河川及び海域については、環境庁が調査を実施。)。なお、同時期に実施した河川の水質・底質中のダイオキシン類の実態調査結果については、本年7月21日に公表済みである。
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2.調査結果 |
平成11年8月末から10月に、一級河川27水系45地点(河川39地点、湖沼6地点)において水生生物を採捕し、116検体についてダイオキシン類を測定した。調査方法は、ダイオキシン類に係る水生生物調査暫定マニュアル(平成10年9月 環境庁水質保全局水質管理課)によった。
調査結果は、平均値2.0pg-TEQ /g、検出範囲0.084〜25pg-TEQ /gであり、平成10年度に環境庁が実施した「ダイオキシン類緊急全国一斉調査」の結果と同程度であった。
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注1)
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pg(ピコグラム):一兆分の一グラム
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注2)
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TEQ(毒性等量):ダイオキシン類の各異性体の毒性を、2,3,7,8-TCDDに換算して合計したもの。毒性等価係数(TEF)はWHO-1998を使用した。限界値の数値の取扱は、定量下限以上の値と定量下限未満・検出下限以上の値はそのままその値を用い、検出下限未満の値は検出下限の1/2の値を用いて、各異性体の毒性等量を算出し、それらの値を合計して毒性等量を算出した。
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注3)
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調査結果の精度管理については、測定機関が作成した精度管理計画書の事前審査、専門家及び建設省職員による測定機関の査察及び必要に応じた分析手順等の精査、測定機関に対する底質及び水生生物の共通試料の提供と測定結果の回収・点検を実施。一部の分析機関に対して専門家から指摘事項があったが、適切に改善がなされ、分析能力上問題となる機関はなかった。
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表 平成11年度秋期 水生生物に関するダイオキシン類調査結果
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検体数 |
平均値
pg-TEQ/g |
検出範囲
pg-TEQ/g |
建設省調査結果 |
116 |
2.0 |
0.084〜25 |
公共用水域全体の調査結果
(環境庁調査を含む) |
2,832 |
1.4 |
0.032〜33 |
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(参考) H10環境庁調査結果 |
368 |
2.1 |
0.0022〜30 |

図 水生生物に関するダイオキシン類濃度の分布状況(建設省調査)

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問い合わせ先
河川局河川環境課 代表03(3580)4311
建設専門官 池内幸司(内3332)
課長補佐 是澤裕二(内3334)
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